発表年:1988年
ez的ジャンル:正統派UKジャズ
気分は... :予想大外れ!
今日は早朝からNFLのチャンピオンシップ・ゲーム「ペイトリオッツ対レイブンズ」、「49ers対ジャイアンツ」の2試合が行われ、ペイトリオッツとジャイアンツが勝利し、見事にスーパーボウル進出を果たしました。個人的にはレイブンズ、49ersを応援していたので実に後味が悪いですね。
AFCの「ペイトリオッツ対レイブンズ」は完全にレイブンズがモメンタムを握っているように思えたのですが、終了間際にKカンディフがまさかのFG失敗で敗れ去りました。個人的にはFGの直前のプレーでWRエバンスが逆転TDパスをキャッチできなかったことが悔やまれます。NFCの「49ers対ジャイアンツ」はパント・リターン・ファンブルからのターンオーバーで、49ersが自滅してしまいました。
4年前の再現となったペイトリオッツ対ジャイアンツのスーパーボウルですが、普通に考えればペイトリオッツが圧倒的に有利ですが、4年前と同じでジャイアンツがチャレンジャーの気持ちで開き直ったプレーをすれば十分勝機があるように思えます。
NFLと言えば、我がドルフィンズの新HCに前パッカーズOCのジョー・フィルビン氏が就任しました。個人的にはその人脈でFAとなるパッカーズの控えQBフリンを獲得し、ドルフィンズの新エースQBに指名して欲しいですね。期待しちゃいます。
アメフト・ファンにとっては、ペンシルバニア州立大学の名HCジョー・パターノが亡くなったのは寂しいですね。最後はコーチスタッフの不祥事により昨年11月に解任されるという不本意なキャリアの終わり方をしたパターノでしたが、カレッジ・フットボールHCの代名詞のような存在でしたからね・・・ご冥福をお祈り致します。
今回はUKを代表するジャズ・サックス奏者Courtney Pineの2ndアルバム『Destiny's Song and The Image Of Pursuance』(1988年)です。
1964年ロンドンのジャマイカ地区生まれのジャズ・ミュージシャンCourtney Pineの紹介は、『Modern Day Jazz Stories』(1995年)に続き2回目となります。
『Destiny's Song and The Image Of Pursuance』(1988年)はデビュー作『Journey to the Urge Within』(1986年)に続く2ndアルバムとなります。
90年代に入り、レゲエ、ヒップ・ホップ、アシッド・ジャズ、ドラムン・ベースなど幅広いジャンルの要素を取り入れた独自のジャズ・ワールドを展開し、人気を博していくCourtney Pineですが、2ndアルバムとなる本作『Destiny's Song and The Image Of Pursuance』の頃はストレート・アヘッドなジャズを演奏しています。
僕がCourtney Pineのことを最初に知ったアルバムです。ただし、当時は音は聴かずジャケの印象のみがインプットされたのですが・・・そのせいか実際の音を聴く前から親近感があった作品です。
レコーディングにはCourtney Pine(ss、ts)以下、Gary Crosby(b)、Paul Hunt (b)、Mark Mondesir(ds)、Joe Bashorun(p)、Julian Joseph(p)が参加しています。
プロデュースはトロンボーン奏者のDelfeayo Marsalis。父がEllis Marsalis, Jr.(p)、兄がBranford Marsalis(s)、Wynton Marsalis(tp)、弟がJason Marsalis(ds)という名門ジャズ・ファミリーMarsalis一家の一員です。
ストレート・アヘッドな演奏ながらも、ジャズ・ファン以外にも訴える何かが詰まっている作品のような気がします。UKジャズだからでしょうか?その意味では、アシッド・ジャズ前夜のUKジャズ作品という意味でも興味深いアルバムかもしれません。
Thelonious Monkの名曲「'Round Midnight」以外はCourtney Pineのオリジナルです。
全曲紹介しときやす。
「Beyond The Thought Of My Last Reckoning」
ストレート・アヘッドな中にスリリングな緊張感が駆け抜けていくオープニング。クラブジャズとは異なる感覚の格好良さがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=rG44sOHh5u8
「In Pursuance」
Courtney Pineの情熱的なフレーズに魅了されるバラード。後半はJulian Josephが美しいピアノで楽しませてくれます。
「The Vision」
ストレート・アヘッドながらもコンテンポラリーな感覚で聴かせてくれます。Courtneyのソプラノ・サックスをはじめバンド全体が小粋なアンサンブルを聴かせてくれます。
「Guardian Of The Flame」
ハイスピード&フリーキーな演奏が格好良いですね。Courtneyのテナー・サックスとMark Mondesirのドラムの激しいバトルにテンションが上がります。
http://www.youtube.com/watch?v=AwIoQlMyr0k
「'Round Midnight」
Thelonious Monkの名曲カヴァー。ここではCourtneyのテナー・ソロで聴かせてくれます。プロデューサーDelfeayo Marsaliのアイデアでワンテイク・レコーディングしたものらしいです。ジャズ・ミュージシャンCourtney Pineの本質が見えてくるのでは?
「Sacrifice」
個人的には本作のハイライト。格好良すぎる1曲です。冒頭のCourtneyのテナーのフレーズを聴いただけでグッときてしまいます。フツーにクラブジャズと一緒に聴いてもすんなり聴けると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=aW0TGTHUcrE
「Prismic Omnipotence」
エジプトのピラミッドからインスパイアされた曲のようです。そのせいか快調に飛ばしていく中にもミステリアスな雰囲気が漂います。
「Alone」
美しいバラード。アルバム全編に渡り激しいフレーズを聴かせてくれるCourtneyですが、ここでは穏やかなテナーを堪能できます。
「A Raggamuffin's Tale」
ジャマイカ地区生まれでレゲエにも慣れ親しんでいるCourtneyらしいタイトルですね。しかしながら、演奏自体は本作らしいハイスピードのジャズ・チューンです。
「Mark Of Time」
タイトルの通り、ドラマーMark Mondesirのエキサイティングなプレイを満喫できます。90年代以降のCourtneyを予感させるクロスオーヴァーな感覚も僅かに垣間見ることができます。
『Modern Day Jazz Stories』(1995年)