![ユー・クッド・ビー・ボーン・アゲイン](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/518ESUVB1HL._SL160_.jpg)
発表年:1968年
ez的ジャンル:ミラクル兄弟コーラス系ソフトロック
気分は... :ボーン・アゲイン!
今回はソフトロック好きにはお馴染みの兄弟コーラス・グループFree Designの2ndアルバム『You Could Be Born Again』(1968年)です。
次男Chris Dedrickを中心にしたDedrick兄弟のグループFree Designに関して、当ブログでは以下の3枚のアルバムを紹介済みです。
『Kites Are Fun』(1967年)
『Heaven/Earth』(1969年)
『Stars/Time/Bubbles/Love』(1970年)
今日の人気で言えば、『Kites Are Fun』もしくは『Stars/Time/Bubbles/Love』ということになるでしょうが。Free Designのさまざまな側面を楽しむという点では、本作『You Could Be Born Again』も捨て難い魅力があります。でも、個人的にはジャズ色の強い『Heaven/Earth』を聴く頻度が高かったりするのですが(笑)
デビュー・アルバムとなった前作『Kites Are Fun』時点のメンバーは、次男Chris、長男Bruce、長女Sandy(Sandra)の3人でしたが、本作『You Could Be Born Again』から妹Ellenが加わり、3声から4声へハーモニーが強化されました。
プロデューサーは発売元Project 3のオーナーEnoch Light、エンジニアはPhil Ramone、さらに後のCBSレコード社長のTony Mottola(g)等がレコーディングに参加しています。アレンジはグループの中心Chris Dedrickが手掛けています。
前作はFrancis Lai、The Beatles、Simon & Garfunkelのカヴァー3曲にオリジナル曲という構成でしたが、本作ではThe Mamas & The Papas、Burt Bacharach、The Beatles、Duke Ellington、The Turtlesのカヴァー5曲にオリジナル曲という構成です。
カヴァーでは「California Dreamin'」、オリジナルでは「You Could Be Born Again」、「Quartet No. 6 In D Minor」、「I Found Love」あたりが僕のお気に入りです。必ずしもFree Designらしい美しいハーモニーを満喫する楽曲ばかりではありませんが、逆にそのあたりが本作の魅力でもあると思います。
ミラクルな兄弟コーラスが魅惑のソフトロック・ワールドへ誘います。
全曲紹介しときやす。
「You Could Be Born Again」
4人が織り成す緻密で美しい魔法のコーラスを満喫できるオープニング。清々しいハーモニーを聴いていると心の中の霧が晴れ、気分もポジティブになります。今回本アルバムをセレクトしたのも、今の僕の心境にジャスト・フィットする本曲が聴きたかったからかも?コーラスのみならずサウンド・アレンジもお見事!
http://www.youtube.com/watch?v=Yx8DXUPazcg
「A Leaf Has Veins」
4人のスキャット・ハーモニーを堪能できる小粋なドリーミー・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=MUw8bxYgyTE
「California Dreamin'」
The Mamas & The Papasの大ヒット曲(John Phillips作)をカヴァー。躍動感のあるパーカッシヴ&グルーヴィーな仕上りはFree Designらしからぬ仕上がりですが、今日のDJユースにピッタリなのでは?
「The Windows Of The World」
Hal David/Burt Bacharach作。オリジナルはDionne Warwickのヒット・シングルです。落ち着きのあるエレガントなカヴァーに仕上がっています。
「Eleanor Rigby」
前作の「Michelle」に続くThe Beatlesカヴァーです。当ブログでは以前にBossa RioやThird Waveのカヴァーも紹介していますが、ソフトロック系のグループは美しいハーモニーを合わせやすい本曲がお気に入りなのかもしれませんね。ここでも素晴らしいハーモニーを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=i5Z0uw_Ov_A
「Quartet No. 6 In D Minor」
サイケ・フォークなオリジナル作品。ストレンジなハーモニー&音世界が僕好みです。こういう楽曲ばかりを集めたプレイリストが無性に聴きたくなる日があるんですよね・・・現実逃避したいのかも(笑)
「I Like The Sunrise」
Duke Ellington作品のカヴァー。きっと元々はジャズ・ミュージシャンでジャズをこよなく愛した父親の影響によるセレクトなのでしょうね。モロにジャズ・スタンダードな雰囲気にしていないところがいいですね。
「I Found Love」
本作のハイライトはこの曲かもしれませんね。子供から大人まで楽しめる親しみやすいメロディが印象的なラブリー・チューン。当ブログでは以前にChris Dedrick本人がプロデュース&コーラス参加したLori Cullenのカヴァー(アルバム『Buttercup Bugle』収録)も紹介済みです。オリジナルと聴き比べてみるのも楽しいですよ。
Lori Cullen「I Found Love」
http://www.youtube.com/watch?v=ndarNNoDnjk
「Daniel Dolphin」
Free Designらしい美しくエレガントな仕上がりに魅了されます。バロック調の味わいがいいアクセントになっていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=XtXtV-hDPcM
「Happy Together」
The Turtlesの大ヒット曲(Alan Gordon/Garry Bonner作)をカヴァー。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、美しいハーモニーでアクセントをつけたといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=3eHU9Mmu_kA
「Ivy On A Windy Day」
幻影のようなコーラス、サンセット・モードのコーラス、アコースティック・グルーヴとさまざまな表情が堪能できる1曲。
「An Elegy」
ラストはタイトルの通りエレジーです。ベトナム戦争で戦死した従兄に捧げた1曲とのこと。兄弟の強い想いが込められた1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=2xO2YnH1QUQ
Free Designの過去記事もご参照下さい。
『Kites Are Fun』(1967年)
![Kites Are Fun](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51XEW40Q8XL._SL160_.jpg)
『Heaven/Earth』(1969年)
![ヘヴン・アース](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B000065ECS.09._SCMZZZZZZZ_V1056711112_.jpg)
『Stars/Time/Bubbles/Love』(1970年)
![スターズ・タイム・バブルズ・ラヴ](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Q9PDJYF4L._SL160_.jpg)