発表年:1981年
ez的ジャンル:ブラック・ビューティー系ソウル
気分は... :時代がクール・ビューティーに追いついた?
Grace Jonesの名前とこのジャケを見て、ピピッ!とくるのはオシャレ洋楽リスナーさんだろうね。
ジャマイカのスパニッシュタウン生まれのGrace Jonesは、Vogue、Elleで人気モデルとなり、その後歌手、女優としても活躍したブラック・ビューティーだ。この角刈りモヒカン頭の近未来人のようなクール・ビューティーは当時僕にとってはかなりのインパクトだったね☆
僕が持っているのは、『Portfolio』(1977年)、『Nightclubbing』(1981年)、『Living My Life』(1982年)、『Slave to the Rhythm』(1985年)といったオリジナル作品とIslandレコード時代のベスト盤『Island Life』(1985年)の計5枚。
そんな中から僕の一番のお気に入り『Nightclubbing』(1981年)をセレクト。プロデューサーは、IslandレコードのボスChris BlackwellとSimply Red、Duran Duran、Arcadia、Thompson Twins、Bob Marleyなどの作品でお馴染みのAlex Sadkin。
Alex Sadkinプロデュースの80年代作品の中で、リアルタイムでこれらを経験した感覚で言えば、当時はSimply Red、Duran Duran、Arcadia、Thompson Twinsなどと比較して、Grace Jonesはワンランク下のキワモノ歌手という扱いだったと思う。
でも、現時点で80年代を振り返ると、今の時代に最もシンクロしているのはGrace Jonesじゃないかなぁと思う。逆に当時大ヒットしていたThompson Twinsあたりは、今聴くと少しキビシい感じがするなぁ(Thompson Twinsの作品にGrace Jonesもゲスト参加していたりするんだけどね)。
先日ふと気付いたんだけど、高校生くらいまで全米ヒットチャートを中心に洋楽を聴いていた僕なのに、当時大ヒットしていた作品を本ブログで取り上げる機会は案外少ない。
音楽シーン全体の流れや僕自身の嗜好がRockからR&B/Hip-Hopへ大きくシフトした中で、80年代のヒット・ソングのリズムやグルーヴ感のセンスは今聴くとキビシいものが多いのかもしれない。そもそも僕自身のRock離れが最も大きな要因なんだけどね。
そう考えると、『Nightclubbing』は、当時最強のレゲエ・リズムセクションSly & Robbie(Sly Dunbar、Robbie Shakespeare)の二人が参加しており、彼らが生み出すグルーヴ感が案外キモになっているかもしれないね。今聴いても実にカッチョ良いし、面白いね。
クール・ビューティーによるファッショナブルなクール・サウンドを堪能あれ♪
オススメ曲を紹介しときやす。
「Pull up to the Bumper」
アルバム中一番のお気に入りのナンバー。クラブ・クラシックとしてお馴染みの1曲ですね。NYのナイトタイムがピッタリな感じのクラブ・ミュージックだよね。Nile Rodgersっぽいギターも含めたリズム隊のカッチョ良さに脱帽デス。25年経った今でも鮮度抜群の1曲だね。
「Use Me」
Bill Withersの1972年の作品のカヴァー。フリーソウル・ファンにはお馴染みの名曲ですね。Bill Withers好きの僕は、当然オリジナルのフォーキーでナチュラルなグルーヴ感が大好きなのですが、ここではオリジナルとは全然異なるスタイリッシュなグルーヴに仕上がっていマス。これがまたカッチョ良いのデス☆
「Nightclubbing」
パンク・アイドルIggy Popのカヴァー(David Bowie作品)。クールでダビーなサウンドがグッドです。
「Art Groupie」
クール&メロウなレゲエ・ナンバー。シンプルなんだけどスタイリッシュなのがスゴイね。
「I've Seen That Face Before (Libertango) 」
アルゼンチンのバンドネオンの巨匠Astor Piazzollaの作品のカヴァー。タンゴの曲にSly & Robbieのリズムって、どうなのよ?なんて思う人がいるかもしれないが、これが意外にもバッチリはまっていマス。フレンチの香りも漂って、なかなかの逸品ですよ☆
「Feel Up」
「Pull up to the Bumper」と並ぶクラブ・テイストな1曲。爽快さと怪しげな雰囲気が入り混じった面白い感覚の曲だね。
「Demolition Man」
Sylvester Stallone主演の同名映画でもお馴染みのPoliceのカヴァー。オリジナルのPolice以上にGrace Jonesにピッタリな曲だよね。そう言えば、映画『Demolition Man』に、Grace JonesがWesley Snipesと一緒に悪役で出演しても全然違和感ないカンジがしませんか?
「I've Done It Again」
ラストは絶品バラード。それまでのGraceとは全然違う女性らしいロマンチックな一面を垣間見ることができマス。
さっきYou Tubeで「Pull up to the Bumper」のPVを初めて観たが、ビジュアルが伴うと凄みが増してくるねっ!