発表年:1980年
ez的ジャンル:Norman Connors系アーバン・ソウル
気分は... :アーバン・メロウで心健やか!
今回は元The Unificsのメンバーであり、ソングライター/アレンジャー/プロデューサーといった裏方としても活躍した男性ソウル・シンガーAl Johnsonの2ndアルバム『Back For More』(1980年)です。
Al Johnsonはヴァージニア州ニューポート生まれ。
ハワード大学で建築学の博士号を取得する傍らでソウル・コーラス・グループをワシントンD.C.で結成します。グループはその後The Unificsと名乗るようになり、「Court of Love」(1968年、全米チャート第25位、同R&Bチャート第3位)、「The Beginning of My End」(1969年、全米チャート第36位、同R&Bチャート第9位)、「It's a Groovy World!」(1969年、全米R&Bチャート第27位)、「Toshisumasu」(1969年、全米R&Bチャート第36位)といったシングル・ヒットを放っています。
約6年の活動を経てThe Unificsは解散します。その後しばらくは裏方の仕事をメインにしていたようです。一番有名なのはTerry Huff & Special Delivery『The Lonely One』(1976年)のアレンジャーの仕事あたりでしょうか。
そして、初ソロ・アルバム『Peaceful』(1978年)をN.Y.のマイナー・レーベルからリリースします。これが評判となり、Columbia Recordsとの契約に成功し、Norman Connorsプロデュースによる2ndアルバム『Back For More』(1980年)をリリースしています。
その後は主にソングライター/アレンジャー/プロデューサーといった裏方といて活躍しています。個人的には90年代の密かなお気に入りソウル・アルバムArtwork『Masterpiece』(1992年)のプロデューサーとして彼の名をクレジットで発見した時、思わずニンマリしてしまった記憶があります。
さて、今回紹介する『Back For More』(1980年)ですが、やはりNorman Connorsプロデュースというところに注目ですね。
本作でのコラボと前後して『Invitation』(1979年)、『Take It To The Limit』(1980年)といったNorman ConnorsのアルバムにAl Johnsonが参加しています。
個人的には、Jean Carn、The Jones Girlsといった当ブログでも紹介した女性ソウル・アーティストが参加しているあたりにも惹かれます。
何と言っても、「I'm Back For More」、「I've Got My Second Wind」というアーバン・ソウルな2大キラー・チューンが本作のハイライトですよ。アーバン・メロウ好きならば、この2曲ために本作を購入しても損しないと思います。
ソウル好きの方の間では、1st『Peaceful』(1978年)の方が評価が高いのかもしれません。ただし、僕のようなアーバン・メロウ好きにとっては本作『Back For More』の方がフィットするのでは?
最近のCDには収録曲のシングル・エディット2曲を追加したExpanded Editionもあります。
『Back For More(Expanded Edition)』
全曲紹介しときやす。
「I'm Back For More」
オススメその1。このオープニングがアルバムのハイライト。Jean CarnをフィーチャーしたLeo's Sunshippのカヴァー(Kenny Stover作)。シングルにもなっています。アーバン・ナイトなメロウ・グルーヴ・サウンドはメロメロ好きには相当グッとくるはず!Leo's Sunshippのオリジナル(アルバム『We Need Each Other』)も持っていますが、同じメロウ・グルーヴでもミスティックなオリジナルとは異なる雰囲気のアーバン気分を満喫できる1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ii7gidWHkuo
本曲はMarlena Shaw(アルバム『Acting Up』収録)やLulu & Bobby Womackもカヴァーしています。前者はオリジナルに近い仕上がり、後者はAl Johnsonヴァージョンを踏襲した仕上がりです。Leo's Sunshippのオリジナルも含めて聴き比べるのも楽しいのでは?
Leo's Sunshipp「I'm Back For More」
http://www.youtube.com/watch?v=VwEjH7D0p50
Lulu & Bobby Womack「I'm Back For More」
http://www.youtube.com/watch?v=h6pozZow8wU
Marlena Shaw「I'm Back For More」
http://www.youtube.com/watch?v=x1RmUStrFoQ
また、本曲はサンプリング・ソースとしても定番ですね。当ブログでも紹介したFaith Evans「Sunny Days」やWill Smit「Just Cruisin」をはじめ、Red Hot Lover Tone「BMW」、Cash Crew「Bounce Back」、Jesse Powell「I Like」、113「Jack-Potes」、Navy Sealz feat. Styles P「Back 4 More」等でサンプリングされています。
Faith Evans「Sunny Days」
http://www.youtube.com/watch?v=95eS-ZUwPXQ
Will Smith「Just Cruisin」
http://www.youtube.com/watch?v=YzOtBFjM4tE
Red Hot Lover Tone「BMW」
http://www.youtube.com/watch?v=rhppspx64cI
Jesse Powell「I Like」
http://www.youtube.com/watch?v=-ANzbbVHwQg
113「Jack-Potes」
http://www.youtube.com/watch?v=z7I3zitpK04
Navy Sealz feat. Styles P「Back 4 More」
http://www.youtube.com/watch?v=JniEN-pzUwo
「Saved By The Bell」
Willie Lester/Rodney Brown作。ファンキーなアップ・チューン。個人的には本作にこうしたアップを期待していませんが、コレはコレで楽しめるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=xA2tCrkDiXo
「You're A Different Lady」
味わい深いミディアム・スロウ。聴き込むほどにグッとくる1曲です。純粋にAl Johnsonのヴォーカルを堪能したいのであれば、こうしたタイプの曲がいいのかもしれませんね。Al Johnson作。
http://www.youtube.com/watch?v=t2XAMtTWsa8
「School Of The Groove」
B級グルメ的なディスコ・チューン。僕が本作に期待するものとは大きく乖離していますが・・・ディスコ好きの方はどうぞ!Al Johnson作。
http://www.youtube.com/watch?v=yv5n7Mb7p5U
「I've Got My Second Wind」
オススメその2。「I'm Back For More」と並ぶハイライト。1st『Peaceful』にも収録されていた楽曲の再演です(Tom Fauntleroy/Al Johnson作)。フリーソウル・クラシックとしてもお馴染みですね。シングルにもなりました。Leon Wareあたりと一緒に聴きたくなるメロウなアーバン・ソウルです。いつ聴いても心トキメク名曲ですね!
http://www.youtube.com/watch?v=7YiNHbkr1nE
「Tonight's The Night For Love」
オススメその3。本作にアーバン・メロウを求めている人であれば、気に入るであろうミディアム。アーバン・ナイト気分を演出してくれるはずです!Al Johnson作。
http://www.youtube.com/watch?v=ClLvQmyPuU4
「You Are My Personal Angel」
オススメその4。素敵なロマンティック・バラード。ジャケのイメージに一番フィットする曲かもしれませんね。The Jones Girlsのコーラスもロマンティック・ムードを盛り上げてくれます。Al Johnson作。
http://www.youtube.com/watch?v=lEM1u1rVjRU
「Peaceful」
オススメその5。ラストは1st『Peaceful』収録曲の再演。美しいソウル・バラードでアルバムを締め括ってくれます。素晴らしいオーケストレーションで盛り上げてくれます。Al Johnson作。
http://www.youtube.com/watch?v=FruQNGiWOSQ
ご興味がある方は1st『Peaceful』もセットでどうぞ!
『Peaceful』(1978年)
機会があれば、Al Johnsonがプロデュースした前述のArtwork『Masterpiece』(1992年)も紹介したいですね。現状ではCD入手が困難なようですが・・・
Artwork『Masterpiece』(1992年)
「黒くてユル〜い」のが好きのm-kiと申します。
今回紹介してくれましたAl Johnson 良かったです。特に「Tonight's The Night For Love」ヤバいですね。すっかり気に入りました
。またGrant Greenの紹介ページも拝見させてもらいましたけど、Sookie, Sookieサイコーでした。
またお邪魔させてもらいます。
ありがとうございます。
本作はアーバン・メロウ好きにはたまらない1枚ですね。
Grant Greenの70年代前半作品のグルーヴ感もグッときますよね。
当ブログは特定の年代・ジャンルへの偏りなく、幅広く作品を紹介するのが基本方針ですので、気になる作品があればお気軽にお立ち寄りください。