2006年10月15日

Frank McComb『The Truth』

“現代版Donny Hathaway”の表現が相応しいニューソウルな作品☆Frank McComb『The Truth』
Truth
発表年:2003年
ez的ジャンル:現代版ニューソウル
気分は... :なんで本国アメリカで発売されないのか不思議???

今日は少し自己嫌悪気味(>o<)。。。

そんな少しブルーな僕の心を浄化してくれる作品Frank McComb『The Truth』(2003年)をセレクト。

Frank McCombはクリーブランド出身のシンガー兼キーボード奏者だ。90年にプロとしてのキャリアをスタートさせた後、1994年には、ジャズ・サックス奏者Branford MarsalisのHip-Hopとフュージョンの融合を目指したプロジェクトBuckshot LeFonqueに参加している。そして、そのBranfordの後押しで2000年に1stアルバム『Love Stories』を発表している。

こんな流れでR&B/Soulファンよりもフュージョン・ファンの間での認識の方が高かったFrank McCombだったが、その名を日本のR&B/Soulファンに知らしめたアルバムが2ndアルバムとなる本作『The Truth』(2003年)である。

本作は、R&B/Soulの流れで言えば、オーガニック・ソウルの作品と言えるのであろう。本作の印象を一言で言えば、70年代ニューソウルが甦った“現代版ニューソウル”ってカンジかな。特に、その唱法やフェンダー・ローズの音色からDonny Hathawayを強く彷彿させる。あとはStevie Wonderをイメージさせる曲も見受けられるかな。

Marvin Gaye、Stevie Wonder、Curtis Mayfield、Donny Hathawayといったニューソウルの四天王に絡めて、“●●の再来”、“現代版●●”のような紹介をされるR&B/Soulアーティストは数多おり、僕自身もそう言った紹介文を読むたびにウンザリするのだが、本作のFrank McCombに関しては、“現代版Donny Hathaway”という表現が納得できてしまう。

ホント、R&Bではなく、ニューソウルって表現がピッタリのアルバムだよね。このニューソウルのレトロ感を現代的な感覚で聴かせてくれるのが本作の魅力ではないかと思いマス。なんか僕のようなオヤGリスナーが聴くと、実にホッとするアルバムだよね。

Donnieなどを手掛けたSteve Harveyがプロデュースを務め、元Rufus & Chaka KhanのBobby Watson(b)、Billy Preston(org)、Wayne Linsey(p)Paulinho De Costa(Per)などがゲスト参加していマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Shine」
イントロのフェンダーとフルートの幻想的な雰囲気がニューソウルだよね。曲自体はStevie Wonderを彷彿させるダンサブルなクール・ファンクってカンジかな。ボーナス・トラックでクラブ・テイストのジャジーなリミックスも収録されています。

「What You Gonna Do」
ニューソウルらしい、洗練されたソウルフルな味わいが堪能できるナンバー。Ledisiがバック・コーラスで参加していマス。

「Never Letting Go」
フェンダーの音色やボーカル・スタイルなど“現代版Donny Hathaway”らしいナンバー。全体的に抑え気味なカンジが逆にいいねっ。

「Do You Remember Love」
ライブのような臨場感が演奏が堪能できるナンバー。なんか聴いているとメンバーの演奏風景が浮かんでくる。

「Fools」
この曲もイントロのフェンダーでヤラれてしまいます。ニューソウルのグルーヴ感が堪能できる1曲ですね。

「When You Call My Name」
Donnie作のバラード。壮大なスケールのバラードを堂々とFrankが歌い上げます。バラード好きな人にはたまらない1曲かもね。そう言えば、Donnieのデビュー作『The Colored Section』(2003年)も“現代版Stevie Wonder”なんて言われていましたね。

「Actions Speak Louder Than Words」
「Better Off Without You」
この2曲は、本作と同じSteve HarveyがプロデュースしたBrigette McWilliamsのアルバム『Too Much Woman』(1997年)のなかで、Frankが提供していた曲。2曲ともに、Billy prestonのハモンドがいい味出しているファンキーなミディアム・ナンバーに仕上げていマス。

「Cupid's Arrow」
ボッサ・テイストの軽快なナンバー。アルバム中で少し異色の仕上がりだけど、個人的にはかなりお気に入りっす。

「Intimate Time」
ピアノの弾き語りナンバー。ジャジーで小粋な仕上がりになっていマス。

本作は結局本国アメリカでは発売されることはなかった。
こんな良質な作品が本国で発売されないなんて実に嘆かわしいことだね。
逆に、この作品を聴くことができる我々は実にラッキーかも!

なんと、来月には新作『The Truth Vol.2』が発売されるらしい。この新作もアメリカでは発売されないんだろうなぁ...
posted by ez at 01:02| Comment(2) | TrackBack(1) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ。
俺も気持ちが滅入ってるときはネオソウル聴きますよ(笑)。やっぱり、古き良きソウルには何か心を動かす何かがあると思います。
アメリカで発売されない才人、なんだかラサーン・パターソンみたいですね。俺も来月に出るという新作買ってみようかな?
Posted by mamo at 2006年10月15日 12:35
☆mamoさん

ありがとうございます。
ニューソウルがブラック・ミュージックとの出会いだった
僕のようなオヤGリスナーにとって、ネオ・ソウル、オーガニック・ソウルは、
感覚的にスンナリ入ってくる音楽なのかもしれません。

Rahsaan Pattersonもいいですね。僕も大好きで全作持っています。
ちょうど本ブログでも近々取り上げようと思っていたところなんですよ☆
一作ごとにマイナーになっていくカンジもありますが(笑)
Posted by ez at 2006年10月16日 00:39
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