2006年10月17日

James Taylor『In The Pocket』

隣のお兄さんがスタイリッシュになった1枚☆James Taylor『In The Pocket』
In the Pocket
発表年:1976年
ez的ジャンル:隣のお兄さん系シンガーソングライター
気分は... :JTのCMはJTでしょ( ̄_ ̄)

秋になると、シンガーソングライターの作品をしみじみ聴きたくなりますねぇ。

そんな中、ふとTVを観たら、日本たばこ産業(JT)のCMで「Both Sides, Now」が流れていた。

シンガーソングライターJoni Mitchellを代表するこの名曲を聴きながら、“JTのCMなんだから、どうせならばJT(James Taylor)使えばいいのに...”なんて実にバカバカしいことを考えてしまった。

James Taylor(JT)と言えば、Carole Kingらと並び、70年初めのシンガーソングライター・ブームの立役者ですね。

僕も洋楽聴き始めの頃、JT『Sweet Baby James』(1970年)、『Mud Slide Slim and the Blue Horizon』(1971年)、Carole King『Tapestry』(1971年)というシンガーソングライター・ブームを象徴する3枚の大ヒットアルバムは、洋楽登竜門のような感覚でかなりレコードを聴いた記憶がある。

主役はロックのスーパースターではなく、隣にいそうなフツーのお兄さん、お姉さん...この普段着感覚こそがこれら名盤の魅力であろう。

そんな“隣のお兄さん”JTのアルバムの中から、一番お気に入りの作品『In The Pocket』(1976年)を紹介します。

一般には、前述の『Sweet Baby James』(1970年)、『Mud Slide Slim and the Blue Horizon』(1971年)に、『One Man Dog』(1972年)を加えた初期の3枚がJTを代表する作品だと思う。

でも、個人的には、『Gorilla』(1975年)、『In the Pocket』(1976年)、『JT』(1977年)という中期の3枚がダントツで好きだ。前述の初期の3枚が田舎の隣のお兄さんの素朴なアルバムだとすれば、これら中期の3枚は、そのお兄さんが都会に出てきて、少し洗練されてきたってカンジかな。

個人的には、フォーキーなサウンドをキホンにしつつも、ロック、R&B、ジャズ、ラテンといった多様な音楽をうまく取り入れたり、他人のカヴァーもうまく自分スタイルに仕上げる柔軟性を持っているところにJTという人の魅力があるように思いマス。

そんなJTの魅力が最もわかいやすいかたちで結実しているのが『In the Pocket』であるような気がします。

プロデューサーはRuss TitelmanとLenny Waronker。
本ブログで紹介したRickie Lee Jones『Rickie Lee Jones』なんかもプロデュースしている名コンビですよね。

参加ミュージシャンも、Peter Asher、Danny Kortchmar、Russ Kunkel、Craig Doerge、Leland Sklar、Art Garfunkel、Bonnie Raitt、Valerie Carter、David Crosby、Graham Nash、David Lindley 、Nick DeCaro、Willie Weeks、Ernie Watts、Michael Brecker、Waddy Wachtel、Jim Keltnerなど豪華メンバーっす。当時の奥さんCarly Simonも参加していヤス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Shower the People」
JTらしいほのぼのとしたラブ・ソング。奥方Carly Simonとの夫婦ハーモニーがラブラブっす。確かに愛の恵みがありそうだね。

「Junkie's Lament」
Art Garfunkelとのデュエット。Clarence McDonaldのフェンダーが実に心地良く響きマス。

「Money Machine」
のどかなイントロから一転して、ご機嫌なファンキー・グルーヴへ大変身!個人的にはこういったJTが大好き。

「Daddy's All Gone」
秋にピッタリな実に味わい深いナンバー。亡き父への想いがしみじみ歌われマス。

「Woman's Gotta Have It」
個人的には超イチオシのナンバー。Neville Brothersのレパートリーとしてもお馴染みのBobby Womackのカヴァーっす。フリーソウルなんかが好きな人にとっては、このメロウで心地良いグルーヴはサイコーだと思いますよ!

考えてみると、「You've Got A Friend」、「Handy man」、Carly Simonとのデュエット「Mockingbird」、「How Sweet It Is (To Be Loved by You) 」、「Mockingbird」とJTは案外カヴァー・ヒットが多い。先に僕が述べたJTの魅力はこのあたりに反映されている。

「Don't Be Sad 'Cause Your Sun Is Down」
Stevie Wonderとの共作ナンバー。Stevieはハーモニカでも参加していマス。秋の夕陽でも見ながら、まったり聴きたい美メロ・ナンバーっす。

「Nothing Like a Hundred Miles」
David Crosby、Graham Nash参加曲。CSNならぬCTN?素朴ながらも少し幻想的なムードを持ったフォーキーな1曲。

「Family Man」
これはJT流Little Featってカンジのファンキー・ロック・チューン。このあたりの曲をスンナリこなせるのもJTの柔軟性だね。個人的にはBonnie Raitt、Valerie Carterといった女性コーラス陣も嬉しい限り。

「Golden Moments」
静かで、ロマンチックで、力強いバラード。しみじみ噛みしめながら聴きたい1曲

なかなかJTの代表作として取り上げられることが少ない作品だけど、かなりキテる作品だと思いますよ。
posted by ez at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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