2012年03月17日

Gil Scott-Heron & Brian Jackson『1980』

双頭コンビの最終作はシンセを多用☆Gil Scott-Heron & Brian Jackson『1980』
1980(直輸入盤・帯・ライナー付き)
発表年:1980年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ジャズ・ファンク
気分は... :これからも聴き続けます!

今回はGil Scott-Heron & Brian Jackson『1980』(1980年)です。

これまで当ブログで紹介したGil Scott-Heron作品(Brian Jacksonとの連名作を含む)は以下の5枚。

 『Pieces Of A Man』(1971年)
 『Winter In America』(1974年)
 『It's Your World』(1976年)
 『Bridges』(1977年)
 『Secrets』(1978年)

昨年惜しくも逝去したGil Scott-Heron
決して商業的に成功を収めた人ではありませんが、その鋭いメッセージと存在感は世代を超えて支持されていましたね。

当ブログでは特に追悼記事はエントリーしませんでしたが、彼の死を知った直後は追悼の意味で我が家のCD棚にある彼の作品を一通り聴いていました。どの作品を聴いても、低音ヴォイスでの彼の語り口に改めて惹き込まれてしまいました。彼が亡くなっても彼の残した作品の数々は今後も多くの人を勇気づけてくれるでしょう。

本作『1980』(1980年)は、『Winter In America』(1974年)以来、双頭コンビを組んできたBrian Jacksonとの連名によるラスト・アルバムです。

前作『Secrets』(1978年)に続き、Stevie Wonder三部作でお馴染みのMalcolm Cecilを共同プロデューサーに迎え、シンセを多用したファンク・サウンドをさらに推し進めています。ジャケにも写っているMalcolm Cecilのシンセサイザー・システム”TONTO”が大活躍しています。

とは言いつつ、それほどシンセ・サウンドが突出しているわけではなく、ジャズ・ファンク・サウンドの中に巧みにシンセを取り込み、効果的にサウンドに表情をつけているという印象を受けます。

傑出したキラー・チューンはありませんが、アルバム1枚を通じて楽しめます。

淡々とした語り口のヴォーカル&クールなジャズ・ファンク・サウンドは全体的に控えめな印象を受けますが、それが逆に心地好さにつながっている気がします。グルーヴィーなのに落ち着けるという不思議な感覚にさせてくれます。

Gil Scott-Heron & Brian Jacksonの双頭コンビの集大成に相応しい1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Shut 'Um Down」
シングルにもなったファンキー・ブギー!『Bridges』あたりのグルーヴィーなノリがお好きな人は気に入るはず!
http://www.youtube.com/watch?v=I9ci7XJKRdw

「Alien (Hold On To Your Dreams)」
クールなミッド・グルーヴ。シンセの控えめな使い方が成功していると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=LQxrOTKwDp0

「Willing」
メロウな味わいが心地好いグルーヴィー・チューン。本作らしいシンセ・サウンドを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=7Y-6nGxRd28

「Corners」
クールなジャズ・ファンク・チューン。淡々としたGil Scott-Heronの語り口とスペイシーなシンセ・ファンク・サウンドの組み合わせが本作らしいです。Brian Jacksonのフルートも盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=n3IQPfopgJE

「1980」
タイトル曲はメロウなジャズ・ファンク・チューンです。イントロはスペイシー感が漂いますが、本編はメロウ&ソウルフルな味わいです。男女コーラス隊やサックスもそんなムードを盛り上げてくれます。2Pac「Ready 4 Whatever」、Street Military「S*** Get Wild in the City」、Fat Jon「Space Man」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=-ZxeclJEFkY

「Push Comes To Shove」
淡々とした中にもGil Scott-Heronの熱い語り口にグッとくるミッド・グルーヴ。シンセの音色を上手く使っているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=fvlU7VPI3Q0

「Shah Mot (The Shah Is Dead/Checkmate)」
小粋なピアノを配したジャズ・ヴァイヴにグッとくる1曲。アルバムの中でいいアクセントになっていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=r6TtJMBMT_I

「Late Last Night」
ラストは本作らしいシンセ・サウンドで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=HLINfHNhRa8

Gil Scott-Heronの過去記事もご参照下さい。

『Pieces Of A Man』(1971年)
Pieces of a Man

『Winter In America』(1974年)
Winter in America

『It's Your World』(1976年)
It's Your World

『Bridges』(1977年)
Bridges

『Secrets』(1978年)
Secrets
posted by ez at 08:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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