発表年:2012年
ez的ジャンル:UK女性R&Bシンガー/ラッパー
気分は... :僕好みということは・・・
UK女性R&Bシンガー/ラッパーEstelleの新作『All Of Me』です。
彼女の紹介は2ndアルバム『Shine』(2008年)に続き2回目となります。
John Legendが立ち上げたレーベルHomeschool Recordsの第1弾アーティストとして迎えられ、彼がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、Kanye West、Cee-Lo等の豪華ゲストを迎えた『Shine』はR&B好きからは高い支持を得た1枚でした。Kanye Westとデュエットしたシングル「American Boy」もヒットしましたね。アルバム自体はそれ程の大ヒットにはなりませんでしたが・・・
個人的にも『Shine』は大好きなアルバムでした。シンガー&ラッパーというスタイル、R&B/ソウル、Hip-Hopに止まらず、レゲエ/ラガ、カリブ等も取り入れた構成に、FugeesやLauryn Hillに通じるものを感じ、気に入りました。
その『Shine』に続く3rdアルバムとなる本作『All Of Me』ですが、本作もJohn Legendがエグゼクティブ・プロデューサーを務めています。
当初は2010年にリリースした「Freak」、「Fall in Love」という2曲のシングルをアルバムのリードにする予定でした。「Freak」はDavid Guettaがプロデュースし、Kardinal Offishallをフィーチャーしたアッパーなダンス・チューン。「Fall in Love」はNas、John LegendをフィーチャーしたエレクトロなR&Bチューン。
Estelle feat. Kardinal Offishall「Freak」
http://www.youtube.com/watch?v=9rN5XmvRuK0
Estelle feat. Nas「Fall in Love」
http://www.youtube.com/watch?v=XeqKm66Ge8c
Estelle feat. John Legend「Fall in Love」
http://www.youtube.com/watch?v=gGGOHFoAkKs
なかなかキャッチーな2曲ですが、結局これらはアルバムには収録されませんでした。
「Freak」は、サントラ『Step Up 3D』やDavid Guetta『One More Love』のDeluxe Editionに収録されています。
そんな経緯で当初プランからの変更も余儀なくされた『All Of Me』に収録されたのは全15曲。そのうち5曲が?uestlove(The Roots)プロデュースのインタールードなので、実質は10曲構成です。
プロデューサーには、Carvin & Ivan、Isra "Wizzy Wow" Lohata、David Banner、Kadis & Seanv、Book & Bronze、Don Cannon、Jerry Wonder、Arden "Keyz" Altino、Akene "The Champ" Dunkley、Wyclef Jean、Tha Bizness、Ne-Yo等が起用されています。
さらにゲストとして、Trey Songz、Chris Brown、Rick Ross、Janelle Monaeをフィーチャーしています。
前作よりはスケールアップしている印象です。その分、少しUSマーケットを意識している感じはありますが。
アルバム全体の構成としてはよく出来ていると思います。
楽曲・サウンドのバランスが僕好みです。
僕好みのアルバムということは、大ヒットしないのでしょうか(笑)
全曲紹介しときやす。
「The Life」
Carvin & Ivan、Isra "Wizzy Wow" Lohataプロデュース。メジャー感のあるエレクトロなR&BながらもEstelleらしいレゲエ・フレイヴァーも聴けるのが嬉しいところ。
http://www.youtube.com/watch?v=g76Yn457_Vg
「International (Serious)」
Trey Songz、Chris Brownをフィーチャー。大物2人を迎えたキャッチーな仕上がり。個人的にはこのタイプの曲にはそれ程グッときませんが・・・。David Banner、THXプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=z49-_a06JNA
「You And I」
?uestloveプロデュースのインタールードその1。
「Love The Way We Used To」
Kadis & Seanvプロデュース。キュート&メロディアスなポップ感にグッとくる1曲。アルバムの中にこういう曲があるとホッとしますね。
http://www.youtube.com/watch?v=Zq4hLSCrn5I
「Cold Crush」
Book & Bronzeプロデュース。70〜80年代ダンス・チューンを今日的なエレクトロ・サウンドで再現した感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=bb44YSMKJjQ
「Don't Break It」
?uestloveプロデュースのインタールードその2。
「Break My Heart」
Rick Rossをフィーチャーしたアルバムからのリード・シングル。哀愁モードの疾走感にグッとくる大人のR&Bチューン。MJBの新作でもそうでしたが、この手のメロディアスなR&BチューンにRick Rossの客演は不思議とマッチしますね。Montana「Warp Factor II」をサンプリング。Don Cannonプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=RJ5zgVlh6uY
アルバム・ヴァージョンもグッドですが、Swizz Beatz,Jadakiss & Busta Rhymesをフィーチャーし、Zhane「Sending My Love」、EPMD「You're A Customer」、Audio Two「Top Billin'」をサンプリングしたリミックスもグッときます。
Estelle feat. Swizz Beatz,Jadakiss & Busta Rhymes「Break My Heart (Remix Pt.1)」
http://www.youtube.com/watch?v=XqREk4Y6I-4
「Thank You」
Jerry Wonder、Arden "Keyz" Altino、Akene "The Champ" Dunkleyプロデュース。Akonがバック・コーラスで参加しています。哀愁のメロディをEstelleが歌い上げます。Creative Source「Wild Flower」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=yUuEYM9vjlw
「Who We Are」
?uestloveプロデュースのインタールードその3。
「Wonderful Life」
Jerry Wonder、Arden "Keyz" Altino、Akene "The Champ" Dunkleyプロデュース。ヒューマン・タッチな雰囲気にグッとくる美メロ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=UHt5tig5-4M
「Found My Way...」
?uestloveプロデュースのインタールードその4。
「Back To Love」
Jerry Wonder、Wyclef Jeanプロデュース。前作に続き、Wyclefがプロデュースで参加しています。ソングライティングはEstelle/Wyclef/John Legendですが、この曲は完全にJohn Legend調のメロディですね。個人的にはこういう曲好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=xEmsBpLvVcU
「Blue Skies」
?uestloveプロデュースのインタールードその5。
「Speak Ya Mind」
Tha Biznessプロデュース。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。シンガー&ラッパー、R&B/Hip-Hop+レゲエ/ラガというEstelleらしいスタイルを最も満喫できる1曲だと思います。Adina Howard「Freak Like Me」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=IMxL5PLr0Z8
「Do My Thing」
Janelle Monaeをフィーチャー。Ne-Yo、Tyler Reynolds、Warren Zavalaプロデュース。Janelle Monaeのエキセントリックなキャラにマッチしたエレクトロなサイバー・ダンス・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=430t7somR2k
『Shine』(2008年)
エステルの新作出たんですね。
まだ聞き込んでいませんがCold Crushあたりが良さそうな感じです。
ありがとうございます。
相変わらず、チャート・アクションは芳しくありませんが(笑)、個人的には満足のいく内容です。ぜひチェックしてみてくださいね。