発表年:1970年
ez的ジャンル:孤高の男性シンガー。
気分は... :腹の奥まで響きます....
今日はVan Morrisonの激シブ・ヴォーカルを聴きたい気分!
セレクトしたのは『His Band And The Street Choir』(1970年)です。
これまで当ブログで紹介してきたVan Morrison作品は以下の6枚(発売年順)。
『Astral Weeks』(1968年)
『Tupelo Honey』(1971年)
『Saint Dominic's Preview』(1972年)
『Veedon Fleece』(1974年)
『A Period Of Transition』(1977年)
『Avalon Sunset』(1989年)
『His Band And The Street Choir』(1970年)は、前作『Moondance』(1970年)の後にウッドストックに移住し、そこで交流を持ったミュージシャンたちと創り上げた作品です。そんな流れはアルバム・タイトルにも反映されているのは?
全体的にはソウル&ブルージーな味わいにグッとくるブルーアイド・ソウル作品に仕上がっていると思います。また、孤高/内省的なイメージが強いVanですが、本作ではあまりそういったイメージはなく、気心しれたミュージシャンと共にリラックスした雰囲気が伝わってきます。
レコーディングの中心となっているのは、John Platania(g、mandolin)、John Klingberg(b)、Alan Hand(p、org)、Keith Johnson(tp、org)、Dahaud Shaar(David Shaw)(ds、per、bcla)といったバンド・メンバーとThe Street Choirと名付けられたコーラス隊です。
本作からは全米チャート第9位となったヒット・シングル(Van Morrisonに似合わない言葉ですね)「Domino」が生まれています。そのあたりも含めて、数あるVan Morrisonの中でもわりと入りやすい1枚ではないかと思います。
全12曲Van Morrisonのオリジナルです。
本作発表後、Vanはイーストコーストからウエストコーストのマリン・カウンティへ移り、『Tupelo Honey』(1971年)、『Saint Dominic's Preview』(1972年)などの“カレドニア・ソウル”作品をリリースすることになります。
いつ聴いても彼の歌声は腹の奥まで響きますなぁ・・・最高!
全曲紹介しときやす。
「Domino」
オススメその1。前述のように全米チャート第9位となったヒット・シングル。軽快なグルーヴィー・ソウル・チューンです。タイトルはニューオリンズR&Bの偉大なシンガー/ピアニストFats Dominoに捧げられたものです。曲自体はOtis Reddingのようなノリです。
http://www.youtube.com/watch?v=rKZ9CmsjLFE
「Crazy Face」
Van Morrisonらしい激シブのしみじみとした味わいを満喫できる1曲。また、彼のテナー・サックスも咽び泣きます。
http://www.youtube.com/watch?v=q1CZ6INGCXs
「Give Me a Kiss (Just One Sweet Kiss)」
軽快なシャッフル感にグッとくる1曲。ブルージーながらもカラっとした明るさは本作らしい仕上りかもしれません。
「I've Been Working」
オススメその2。僕の一番のお気に入り!静かなるファンキー・ソウル・チューン!派手さはありませんが、黒いグルーヴが格好良すぎます。Bob Seger、Bo Diddley等もカヴァーする隠れた名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Fqd1mv0Gsaw
「Call Me Up in Dreamland」
シングルにもなった曲です。Van Morrisonらしい少しぶっきらぼうなヴォーカルとThe Street Choirのコーラスの絡みがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=Yql73yseJGU
「I'll Be Your Lover, Too」
オススメその3。「I've Been Working」と並ぶ僕のお気に入り。絶品のアコギ弾き語り。一人で酒でも飲みながら、しみじみ聴きたくなりますな。
http://www.youtube.com/watch?v=aeo9AXn7stg
「Blue Money」
「Domino」に続くシングルとして全米チャート第23位となりました。一歩間違えると僕が苦手なタイプの曲ですが、軽快かつ少しユルめなノリで救われています。The Flying Picketsもカヴァーしていました。
http://www.youtube.com/watch?v=rtn0pvg1F10
「Virgo Clowns」
オススメその4。カントリー調ですが、カントリー苦手の僕でもハンドクラップしてしまう格好良さです。やはりVan Morrisonのビター・ヴォーカルの魔力は凄い!
http://www.youtube.com/watch?v=Wp4dXOK3lmU
「Gypsy Queen」
オススメその5。この曲も大好き!ファルセット・ヴォーカルで迫るソウル・チューン。多分、The Impressions、Curtis Mayfieldあたりを意識しているものと思います。腹の奥までしみ渡ってくる感じがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=7bOFCM6fxWI
「Sweet Jannie」
ノリの良いブルース・チューン。このあたりはVan Morrisonのお手の物といった感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=eUu6bPVC5i0
「If I Ever Needed Someone」
オススメその6。ゴスペル調バラード。ここではThe Sweet InspirationsのCissy Houston、Judy Clay、さらにはThe Davis SistersのJackie Verdellといった女性ソウル・シンガー3名がバック・コーラスで参加しています。バック・コーラスも含めてコクが違います!
http://www.youtube.com/watch?v=6NVYHkl8gGY
「Street Choir」
オススメその7。ラストはVan Morriso節が炸裂する感動バラード。The Street Choirのコーラスも含めて素晴らしすぎます!感動で胸一杯となりアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=6ROLEcBW1Vc
Van Morrisonの過去記事もご参照下さい。
『Astral Weeks』(1968年)
『Tupelo Honey』(1971年)
『Saint Dominic's Preview』(1972年)
『Veedon Fleece』(1974年)
『A Period Of Transition』(1977年)
『Avalon Sunset』(1989年)