2006年10月25日

Boz Scaggs『Moments』

AORの代名詞Boz ScaggsのAOR前夜の隠れた名盤☆Boz Scaggs『Moments』
Moments
発表年:1971年
ez的ジャンル:田舎のAOR
気分は... :やきとんがオシャレだぜぃ!

Boz Scaggsは約1年前のエントリー『Middle Man』(1980年)以来の登場っす。

今回は僕の一番お気に入りのBoz Scaggs作品『Moments』(1971年)デス。

Boz Scaggsと言えば、AORのイメージが強く、レビュー・サイトなどでも取り上げられるのも、『Slow Dancer』(1974年)、『Silk Degrees』(1976年)、『Down Two Then Left』(1977年)、『Middle Man』(1980年)といった大人のラブソングを歌うアーバンでダンディな作品が多いと思う。

僕もこれらの作品は大好きだったし、自分がオヤジになった今聴くと余計にグッとくる!

でも、ここ10年あまり、僕が頻繁に聴くBoz作品の第1位は『Moments』(1971年)であり、第2位は『Boz Scaggs & Band』(1971年)だ。

Steve Miller Bandを脱退したBozは、サザン・ソウルの本拠地マッスル・ショールズ・スタジオで、かの“スカイドッグ”Duane Allmanと共演した『Boz Scaggs』(1969年)を発表した。この頃のBozは、AORなんて言葉がイメージできないほど泥臭い。でも、当時からソウルフルな雰囲気は持っていた気がするよね。

そして、70年代に入り、発表されたのが前述の2作品だ。これらの作品の魅力は、それまでのBozのキャリアを反映した南部の泥臭いテイストと、その後のAOR路線を予感させるメロウなテイストがごちゃ混ぜになって、結果として実にソウルフルなロックに仕上がっている点だ。中でも『Moments』は、そのバランスが実に絶妙だ。

後の作品が都会のAORだとすれば、『Moments』は田舎のAORってカンジかもね!

プロデューサーはGlyn Johns。Steve Miller BandのプロデュースもGlyn Johnだったから、そのつながりなのかな?参加ミュージシャンの中には、Rita Coolidge、Ben Sidran、Pete Escovedo、Coke Escovedoなんて名前が見られます。特に、それまでのBozの作品を考えると、Pete Escovedo、Coke EscovedoというSantanaファミリーのラテンな二人の参加がかなり意外なカンジだよね。

女性に大人気のイタリアン・レストランよりもいいけど、サラリーマンに大人気のやきとん屋もオシャレだぜぃ!ってカンジのアルバムかなぁ☆

オススメ曲を紹介しときやす。

「We Were Always Sweethearts」
実はこのオープニング・ナンバーが、Bozの作品の中で一番大好き!ソウルフルなグルーヴ感がメチャメチャ良いよね!サックスやフルートもサイコー!朝一にこの曲を聴くと、実に元気でハツラツ気分になる。気持ちをアゲアゲモードにするにはピッタリの曲。難点は「恋人同士」という芸がなさすぎのタイトルくらいかなぁ。

「Downright Women」
なんとBoz流ボッサ・ナンバー。ジャケのような幻想的な夕陽を眺めながら、聴くとグッドな曲。このオシャレ度はAOR時代の楽曲以上かもね☆パーカッションのリズムがが実に心地良く響いていマス。個人的には、「We Were Always Sweethearts」と並ぶ本作のハイライトだと思いマス。

「Painted Bells」
「Near You」
後のAORなBozを予感させるバラード2曲。AOR時代ほどスタイリッシュになっていない分、逆に素朴な味わいも感じられて好きだなぁ。それにしても、Bozのソウルフルなボーカルって、ホント心に染み渡るよねぇ。

「I Will Forever Sing (The Blues) 」
スワンプで泥臭いBozが堪能できる1曲。僕的には、この泥臭さもBozの大きな魅力だと思いマス。アルバム中に1曲でも、こうしたアーシーなナンバーが入っていた方がBozらしいんじゃないかなぁ...

「Moments」
実に感動的なバラードに仕上がっているタイトル・ナンバー。後半のライト・グルーヴな感じの盛り上がりもスキ。

「We Been Away」
これはモロにカントリーなバラード。そう言えば、この時期はカントリー・ロック・ブームだったね。メロウなカントリー・バラードを歌うBozの声がどことなくWillie Nelsonっぽく聴こえる。うん、実によく似てる。

「Can I Make It Last」
エンディングは、オリエンタルなムードが漂う幻想的で美しいインスト。ジャケの幻想的な夕陽が悠然と沈んでいくようなカンジ。

Bozを聴くたび、ちょい悪オヤジモードになる僕なのでした。
posted by ez at 00:43| Comment(0) | TrackBack(2) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

Lowdown
Excerpt: ボズ・スキャッグスのライヴに行ってきました。 彼は1944年生まれだから61歳な
Weblog: 「小林克也のRadioBaka」  期限切れ遺失物移管所
Tracked: 2006-10-27 00:04

Lowdown
Excerpt: ボズ・スキャッグスのライヴに行ってきました。 彼は1944年生まれだから61歳な
Weblog: 「小林克也のRadioBaka」  期限切れ遺失物移管所
Tracked: 2006-11-18 00:35