2012年04月06日

Sonia Rosa『A Bossa Rosa De Sonia』

日本で人気を博したSonia Rosa。本国での唯一のアルバム☆Sonia Rosa『A Bossa Rosa De Sonia』
ア・ボサ・ローザ・ジ・ソニア(紙ジャケット仕様)
発表年:1967年
ez的ジャンル:キュート系ボサノヴァ
気分は... :侮るなかれ!

今回は日本で人気を博した女性ボサノヴァ・シンガーSonia Rosaのデビュー・アルバム『A Bossa Rosa De Sonia』(1967年)です。

Sonia Rosaは1949年ブラジル、サンパウロ生まれ。

幼少期から音楽に囲まれた環境で育ち、10代で作曲を始めると同時に、ボサノヴァ・ギターを習得します。

17歳の頃にはサンパウロのナイト・クラブで歌うようになり、そのパフォーマンスが話題となります。1966年にはレコーディング契約に成功し、1967年にデビュー・アルバム『A Bossa Rosa De Sonia』をリリースします。

その後、日本のレコード会社と専属契約を結び1969年には初来日を果たします。シングル・リリースされた「青いベッド/モーニング・コーヒー」は日本のファンを虜にしました。

1970年には"世界のナベサダ"渡辺貞夫のプロデュースにより、アルバム『Sensitive Sound Of Sonia Roza』をリリースします。また、『ルパン三世』でお馴染みの大野雄二とも交流を深め、『ルパン三世』シリーズのサントラをはじめ、彼の手掛けたTVテーマやCMでSoniaを起用し、1974年には2人の共演アルバム『Spiced With Brazil』をレコーディングしています。

その後はしばらく音楽活動から離れていましたが、2006年にアルバム『Depois Do Nosso Tempo』をリリースし、往年のファンを喜ばせてくれました。

ちなみに彼女の長男DJ TAROは、音楽プロデューサー、DJ、ナレーターとして日本で活躍しています。

このような経歴のように、本国ブラジル以上に日本で人気の高かったボサノヴァ歌手がSonia Rosaです。それだけに、敬遠されている方もいるのかもしれませんね。僕は世代が少しズレているので、彼女が日本で活躍していたというのは全く認識がありませんでした。

そんな彼女が本国ブラジルでリリースした唯一のアルバムが本作『A Bossa Rosa De Sonia』(1967年)です。

先入観なしに聴けば、Soniaのキュートな歌声を活かし実に素敵なボサノヴァ・アルバムに仕上がっています。単に"可愛い"歌声に終わらず、キュートな声質でさまざまな表情の歌声を聴かせてくれるのがいいですね。

全12曲中、6曲がカヴァー、6曲がSoniaのオリジナルです。オリジナル曲が結構いいんですよね。

侮れない素敵なボサノヴァ・アルバムです。

全曲紹介しときやす。

「Olhe Meu Bem」
Sonia Rosa作。キュートなSoniaの歌声とムーディーなボサノヴァ・サウンド・・・このギャップがたまりません。

「Marambaia」
Rubens Campos/Henricao作。Elis Reginaも歌っていた曲ですね。当ブログではMariana Meleroのカヴァーも紹介済みです。Soniaヴァージョンは軽やかなタッチであまり湿っぽくない仕上がりが印象的です。

「Voltar Pra Ficar」
Sonia Rosa作。Soniaの魅力全開!キュート&セクシーなボサノヴァ・チューン。ノスタルジックなホーン・サウンドが逆にマッチしていたります。

「Quem Te Viu, Quem Te Ve」
Chico Buarque作品のカヴァー。当ブログではNara Leaoヴァージョンも紹介済みです。哀愁のメロディとサンバ・リズムが交錯するのがいい曲ですよね。本ヴァージョンはSoniaのキュートな歌声を活かしつつも、クールに仕上がっているのがいいですね。

「Parquinho do Meu Bairro」
Sonia Rosa作。彼女のコンポーザーとしての実力が窺える1曲。実に素敵なメロディと小粋なアレンジにグッとくるボサノヴァ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=spEuv5yyETE

「Lata d'Agua」
Luiz Antonio/J. Junior作。哀愁のメロディと軽快なリズムと共に歌い上げます。巻き舌がやけにグッときます(笑)

「Adeus Guacyra」
Hekel Tavares/Joracy Camargo。囁くようなSoniaのヴォーカルにグッときます。

「Mas Nao Da」
Sonia Rosa作。本作のハイライト曲なのでは?彼女が日本レコード会社と専属契約を結ぶきっかけとなった、彼女の運命を決定づけた1曲でもあります。キュートなスキャットと共に始まる華やかなボッサ・チューン。Soniaの魅力がこの1曲に凝縮されていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Tgr8j9qEZ30

「Cheiro de Saudade」
Luiz Antonio/Djalma Ferreira作。ノスタルジック・ムードのボッサ・チューン。

「...E Fim」
Sonia Rosa作。Soniaの早熟なヴォーカル表現を満喫できる1曲。祭りの後・・・みたいな雰囲気が好きです。

「Caminhemos」
Herivelto Martins作。少し大人びたセクシー・モードのSoniaのヴォーカルを聴くことができる1曲。

「Ressalva」
Sonia Rosa作。ラストはムーディーなホーン・サウンドが入ったサンセット・モードなボッサ・チューンで締め括ってくれます。

『Sensitive Sound Of Sonia Roza』(1970年)
センシティヴ・サウンド・オブ・ソニア・ローザ

『Spiced With Brazil』(1974年) ※大野雄二との共演作
SPICED WITH BRAZIL
posted by ez at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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