2012年04月10日

Ismael Miranda Con Orchestra Harlow『Abran Paso!』

N.Y.サルサの"美少年"名シンガーのソロ名義第1作☆Ismael Miranda Con Orchestra Harlow『Abran Paso!』
Abran Paso
発表年:1971年
ez的ジャンル:"美少年"系N.Y.サルサの名シンガー
気分は... :今日はサルサ気分!

今日はとてもラテンな気分です。
そこでN.Y.サルサを代表する名シンガーの一人Ismael Mirandaのソロ名義第1作『Abran Paso!』(1971年)です。

Ismael Mirandaは1950年プエルトリコ生まれ。

1967年にJoey Pastrano & His Orchestra『Let's Ball』に参加し、初レコーディングを経験します。その後、N.Y.サルサを代表する名ピアニストLarry HarlowのグループOrchestra Harlowのリード・シンガーとなり、N.Y.サルサの"美少年"シンガーとして頭角を現してきます。その流れでFania All-Starsにも参加します。当ブログで紹介したFania All-Stars『Live At The Cheetah』(1972年)にも参加していますね。

1971年にはOrchestra Harlowとの共演というかたちでのソロ名義第1作『Abran Paso!』をリリース。1972年には共演第2弾『Oportunidad』もリリースしています。その後、自身のグループを結成し、アルバム『Asi Se Compone Un Son』(1973年)をリリースしています。

それほど彼のキャリアについて明るいわけではありませんが、Larry Harlowとのコンビの印象が強いですね。

今日紹介する『Abran Paso!』も正式にはIsmael Miranda Con Orchestra Harlow名義でのリリースでり、2人で仲良くポーズをキメているジャケを観ても、Mirandのソロ作というよりHarlowのコラボ作の色合いが強いことがわかります。

レコーディングには、Larry Harlow(p)、Phil Newsum(timbales)、Manny Oquendo(bongo)、Frankie Rodriguez(congas)、Larry Spencer(tp)、Ralph Castrello(tp)、Lewis Kahn(tb)、Leopoldo Pineda(tb)、Yomo Tor(tres)、Joe Santiago(b)が参加しており、Harlowがレコーディング・ディレクターを務めています。

若々しいMirandaのハイ・トーン・ヴォーカルを、Larry Harlowを中心としたバック陣によるFaniaらしい格好良いサルサ・サウンドと共に満喫できる1枚です。当時のFania、Larry Harlow、Ismael Mirandaの勢いがそのまま音にもダイレクトに反映されている気がします。

あまりN.Y.サルサ/ラテン作品を聴いた方がない人でも、その魅力をダイレクトに感じ取ることができるキャッチーな1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Abran Paso」
Ismael Miranda作。タイトル曲はFania All-Starsの映像作品『Our Latin Thing』(1972年)でもお馴染みの名曲です。軽快なリズムと哀愁のメロディをバックにMirandaの若々しくルーディなヴォーカルが栄えるFaniaらしいサルサ・クラシックです。
http://www.youtube.com/watch?v=Aoc_xso88Ls

「Donde Llevas El Son」
Ismael Miranda作。ノスタルジックなメロディと少しレイジーな雰囲気のMirandaのヴォーカルが印象的な哀愁ラテン・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=PdpMdvrcwqU

「Se Casa La Rumba」
Hugo Gonzalez作。僕の一番のお気に入り。N.Y.サルサらしい格好良さに充ちたアッパー・サルサ・チューン。一気に駆け抜けていくような疾走感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=mooWxIPK6bc

「Abandonada Fue」
Ismael Miranda作。ラテンの泣きのメロディは演歌に通じるものがありますね。聴いていると、安酒場で一杯飲みたくなります(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=Jpieq0nR90w

「Vengo Virao」
C. Curet Alonso作。この曲も僕のお気に入り。切れ味のあるホーン・セクションや小粋なHarlowのピアノなどアレンジがサイコーに格好良いですね。Mirandaのヴォーカルも哀愁モードながら絶好調です。
http://www.youtube.com/watch?v=FKZ9TgXvLVo

「Oigan Bien Mi Guaguanco」
Ismael Miranda作。ノスタルジックな雰囲気な中にもエレガントな格好良さを満喫できる軽快なサルサ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=_dc_9Tmy-nw

「Ayer Me Entere」
C. Curet Alonso作。アルバムの中でも最もロマンティックな1曲。サンセット・モードが似合うボレロです。
http://www.youtube.com/watch?v=3CHCAE7QunE

「Rise Up」
Larry Harlow/Art Bernardette作。アルバムの中でも異色な本曲も僕のお気に入り。Harlowの印象的なピアノ・フレーズを聴いていると、Stones「Jumpin' Jack Flash」あたりとマッシュ・アップして聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=atLMVBOBv6o

「Dolor Y Amor」
Ismael Miranda作。ラストは哀愁モードで疾走するサルサ好きには鉄板な演奏で締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=s1Jd2btIXqQ

他のIsmael Miranda作品やOrchestra Harlowの作品、さらには「Abran Paso」のライブ・パフォーマンスを楽しめるDVD『Our Latin Thing』もチェックを!

Ismael Miranda Con Orchestra Harlow『Oportunidad』(1972年)
Oportunidad

Ismael Miranda『Asi Se Compone Un Son』(1973年)
Asi Se Compone Un Son

Fania All-Stars『Our Latin Thing [DVD] 』(1972年)
Our Latin Thing [DVD] [Import]

Orchestra Harlow『Presenta A Ismael Miranda』(1969年)
Presenta a Ismael Miranda

Orchestra Harlow『Harlow's Harem』(1972年)
Harlow's Harem
posted by ez at 02:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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