発表年:1981年
ez的ジャンル:アフロ・アメリカン系スピリチュアル・ジャズ
気分は... :悩むな!楽しめ!
スピリチュアルなサックス奏者Pharoah Sandersの本ブログ2回目の登場です。
前回は、僕が最も頻繁に聴くPharoah Sanders作品『Elevation』(1973年)でしたが、今回はハッピーでとても聴きやすいアルバム『Rejoice』(1981年)っす。
『Elevation』の投稿でも書いたが、我が家のCD棚のジャズ・コーナーで、Pharoah Sandersの作品は“帝王”Miles Davis、“神様”John Coltraneと共に別格扱いでVIPエリアに収納している。それだけ特別な存在だ。
僕がPharoahの音楽に惹かれるのは、その独特の崇高な高揚感だ。これはJohn Coltraneの意志を受け継いだスピリチュアルかつコズミックな部分と、民族性溢れるアフロ・アメリカンなグルーヴがうまく融合して生み出されたものだと思う。
僕の好みは、『Tauhid』(1966年)、『Karma』(1969年)、『Jewels Of Thought』(1969年)、『Thembi』(1970年)、『Deaf Dumb Blind (Summun Bukmun Umyun)』(1970年)、『Black Unity』(1971年)、『Elevation』(1973年)、『Love In Us All』(1974年)といったImpulse時代の作品だ。
けれども、これからPharoahの作品を聴こうと思われる方は、『Journey To The One』(1980年)、『Rejoice』(1981年)というTheresa時代の2作品が曲数も多く、聴きやすいのでオススメです!
ということで今回は『Rejoice』(1981年)をセレクト♪
リラックスした雰囲気の中で、まさに人生の歓喜が伝わってくるカンジが大好きな作品だなぁ。
メンバーは、Pharoah Sanders(ts)、Joe Bonner(p)、John Hicks(p)、Bobby Hutcherson(vibe)、Art Davis(b)、Billy Higgins(ds)、Elvin Jones(ds)等。
全曲紹介しときヤス。
「Rejoice」
このタイトル曲には、John Coltraneのグループの中核メンバーだったElvin Jonesが参加してマス。まさに生きる喜びへの賛歌といったカンジのスピリチュアル・ジャズに仕上がっていマス。個人的にはこの1曲のみでも大満足ってカンジかなぁ。女性のポエトリー・リーディングが実に印象的なんだけど、クレジットを見るとB. Kazuko Ishidaとなっている。日本人女性なのだろうか?
「Highlife」
「Nigerian Juju Hilife」
アフリカンなリズムやコーラスが印象的な2曲。「Nigerian Juju Hilife」は以前紹介した『Elevation』にも「Ore-Se-Rere」という曲名で収録されています。タイトルにあるHighlife、Jujuはガーナ(Highlife)、ナイジェリア(Juju)で生まれたアフリカン・ミュージックの名だ。ちなみにこの作品の2年後の1983年に、JujuのスターKing Sunny Adeの衝撃的なアルバム『Syncro System』が全世界にアフロ・ブームを巻き起こすことになる。
「Origin」
前作『Journey To The One』に収録のクラブ・シーンでも大人気のナンバー「You've Got To Freedom」の続編とも言える曲。そういった意味では、本作のハイライトかもね。ブラジリアン・テイストに仕上がっていマス。ライトながらもスピリチュアルな雰囲気を失わないのがPharoahらしいね。個人的にはJohn Hicksのピアノがカッチョ良いと思いマス。
「When Lights Are Low」
Benny Carter作品。オーソドックスなストレート・ジャズに仕上がっていマス。
「Moment's Notice」
「Central Park West」
John Coltrane作品2曲。「Moment's Notice」は、George Johnsonのボーカルで歌われる♪リラックスしてColtraneの音楽に耳を傾けるんだ♪という歌詞が印象的っす。その通り、かなりリラックスした仕上がりデス。「Central Park West」は崇高な美しさに満ちた仕上がりで、個人的にはかなりお気に入りの1曲デス。
「Ntjilo Ntjilo/Bird Song」
PharoahのサックスとLois Colinのハープの絡みが何ともいいですね。
「Farah」
聴いていると、自然と涙が頬を伝わってくるような感動の1曲。見たこともない美しい景色に出会った時の感動に似ているかもしれない。
もう1枚の『Journey To The One』(1980年)も「You've Got To Freedom」をはじめオススメです。