2012年04月15日

Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』

盟友Alice Russellと共演したQuanticのラテン/ソウル・アルバム☆Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』
Look Around The Corner [解説付 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC325)
発表年:2012年
ez的ジャンル:ハイブリッド・ラテン/ソウル
気分は... :ヴィンテージなのにハイブリッド!

今回はハイブリッド作品をリリースし続け、エッジーな音楽ファンから高い支持を得ているUK出身のアーティストQuanticの新作Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』です。

QuanticことWill Hollandの紹介は、The Quantic Soul Orchestra名義の『Stampede』(2003年)に続き2回目です。

QuanticThe Quantic Soul OrchestraThe Limp Twinsの名義で2000年代にコンスタントに作品をリリースしてきたQuanticですが、2007年にはコロンビアへ移住し、ラテン音楽、カリビアン・ミュージック、レゲエ/ダブへのアプローチした作品をQuantic & His Combo BarbaroFlowering Inferno名義でリリースするようになりました。

今回はクラブ・ミュージック・ファンにはお馴染みBah Sambaのリード・ヴォーカルAlice Russellとの共演作をCombo Barbaro名義でリリースしました。Combo Barbaro名義のアルバムは『Tradition in Transition』(2009年)以来2枚目となります。

Quanticと共に本作の主役であるAlice Russellは、クラブミュージック好きにはお馴染みのユニットBah Sambaのリード・ヴォーカルとしてお馴染みですが、ソロ名義でも『Under The Munka Moon』(2004年)、『My Favourite Letters』(2005年)、『Pot of Gold』(2008年)といったアルバムをリリースしています。

また、数多くのアルバムにゲスト・ヴォーカルとしてフィーチャーされています。当ブログで紹介した作品で言えば、Hocus Pocus『16 Pieces』(2010年)に参加しています。

Quanticとの共演としては、The Quantic Soul Orchestraの『Stampede』(2003年)、『Pushin' On』(2005年)に参加しています。

Quanticがコロンビアへ移住する以前は自宅も近くで音楽活動以外親交が深かった2人ですが、コロンビア移住後は共演の機会がなく、共演を熱望したQuanticがAliceをコロンビアまで呼び寄せてレコーディングをスタートさせた模様です。

バックを務めるCombo Barbaroは、ペルー人ピアニストAlfredito Linares(p)を中心にFreddy Colorado(congas)、Fernando Silva(b)、Larry Joseph(ds)、Wilson Viveros(ds)等のメンバーから構成されています。また、Alice Russellとの共演が多いヴァイオリン奏者Mike Simmondsが全面参加し、サウンド・メイキングに大きく貢献しています。

今回2人はヴィンテージなソウル・サウンドを意識したクラシカルなサウンド創りを目指したようです。レコーディングを開始するにあって、Quanticがよく聴いていたのはソウル・ファンにもお馴染みのジャズ・ハープ奏者Dorothy Ashbyなのだとか。Mike Simmondsのヴァイオリンを大きくフィーチャーしているのも何となく納得できてしまいます。

全体としては、ヴィンテージ感を重視したハイブリッドなラテン/ソウルといったところですかね。
Quanticのサウンド・センスとさまざまなスタイルの楽曲を自分らしく歌いこなしてしまうAlice Russellのヴォーカリストとしての力量に脱帽です。

さまざまなジャンルの際が重なっている感じがモロに僕好みの1枚です。

僕が保有するのは国内盤ですが、輸入盤はジャケが異なるので気を付けてください。

Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』※輸入盤
Look Around The Corner (TRUCD250)

全曲紹介しときやす。

「Look Around The Corner」
先行シングルにもなったタイトル曲。これぞQuantic流ハイブリッド・ラテン/ソウルって感じですね!Quanticのギターの音色がラブリーに響く&グルーヴィーなラテン・サウンドにのって、Aliceのソウルフルかつ軽やかなヴォーカルが弾けます。さらにMike Simmondsのヴァイオリンがエレガント&エキゾチックなムードを盛り上げてきます。特に終盤の音世界は感動的です。
http://www.youtube.com/watch?v=n4pzKSKtWNY

「Here Again」
Quanticの印象的なギターと共にスタートするミステリアスな哀愁ソウル。Aliceのヴォーカリストとしての魅力に触れることができます。ハイブリッドながらもヴィンテージ感のあるサウンド作りを目指した本作のねらいが実感できる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=omG3Nd2mYtQ

「Travelling Song」
ブリティッシュ・フォークを代表するグループPentangleのカヴァー。ブリティッシュ・フォーク名曲をブルージーなラテン・フレイヴァーのソウル・チューンに仕上げています。オリジナルのブルージーな味わいを上手く活かしていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=Vy1p3TCHpkI

「Magdalena」
僕の一番のお気に入り!Quanticの格好良いカッティング・ギターと共にスタートするQuantic流ノーザン・ソウル!Aliceのハスキー・ヴォーカルがスタイリッシュなヴィンテージ・サウンドとマッチしています。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=oUDjPeuQi0E

「I'll Keep My Light In My Window」
The Temptationsのカヴァー(Leonard Caston/Terri McFaddin作)。オリジナルは『Truly For You』(1984年)に収録されています。Aliceのお気に入り曲のようです。そんな思い入れも反映されたエモーションがガンガン伝わってくる感動的なヴィンテージ・ソウルに仕上がっています。個人的にはイントロや途中に挿入されているAhmad Jamal「Dolphin Dance」のピアノ・フレーズにハートを鷲掴みにされてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=2P3ejyRm04M

「Una Tarde En Mariquita」
エキゾチックなインスト・チューン。気分は南国リゾート気分です。ここでの主役はMike Simmondsのヴァイオリンです。
http://www.youtube.com/watch?v=nROk65_UDHw

「Interlude」
コズミックな雰囲気のインタールード。

「Su Suzy」
ラテン・モード全開の1曲。前半はブーガルー、後半はデスカルガでガンガン飛ばします。特に後半の盛り上がりはテンション上がりますね。
http://www.youtube.com/watch?v=R9xBGlrpugk

「Boogaloo 33」
ヴィンテージ感たっぷりのラテン・ソウル。60年代後半のラテン作品と一緒に聴いてもそれ程違和感ありません。こういった曲も見事に歌いこなしてしまうAliceにも感心してしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=JLvViwN3gqI

「Road To Islay」
Mike Simmondsのヴァイオリンを大きくフィーチャーした郷愁感たっぷりのインスト。
http://www.youtube.com/watch?v=U_DR7dtQpsQ

「Similau」
エキゾチック・ジャズの名曲カヴァー(Arden Clar/Larry Coleman/Leopoldo Gonzalez作)。Aliceがミステリアス&セクシーなヴォーカル&スキャットを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=GrFk63Ekvcg

「I'd Cry」
哀愁のラテン・バラード。Mike Simmondsのヴァイオリンを活かしたエレガントなアレンジが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=zjRR7_N72zo

「Magdalena (Reprise)」
「Look Around The Corner (Reprise)」
最後は「Magdalena」、「Look Around The Corner」のリプライズで余韻に浸りましょう。

国内盤には「Boogaloo 33 (Reprise)」「I'd Cry (Reprise)」がボーナス・トラックで追加収録されています。

興味のある方はCombo Barbaro名義の第1作『Tradition in Transition』(2009年)やAlice Russellのソロ作をチェックしてみては?

Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Tradition in Transition (TRUCD190)

Alice Russell『Under The Munka Moon』(2004年)
Under Munka Moon

Alice Russell『My Favourite Letters』(2005年)
My Favourite Letters (TRUCD082)

Alice Russell『Pot of Gold』(2008年)
Pot of Gold
posted by ez at 12:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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