発表年:2012年
ez的ジャンル:セクシー&ロマンティック系男性R&Bシンガー
気分は... :たった一人の君、たった一つの喜び・・・
今回は大好きな男性R&BシンガーEric Benetの新作『The One』です。
輸入盤に先立ち、国内盤が先行リリースされました。国内盤はオリジナル12曲に加えて、3曲のボーナス・トラックが追加収録されています。
良質なR&B作品をリリースし続けるかつてのニュークラシック・ソウルの旗手の一人Eric Benetに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の3枚。
『True to Myself』(1996年)
『Love & Life』(2008年)
『Lost In Time』(2010年)
前作『Lost In Time』(2010年)は、当ブログ年末恒例の『ezが選ぶ2010年の10枚』でセレクトしたお気に入りR&B作品でした。70年代ソウルへの愛情に溢れ、作品全編から胸を熱くするヴァイヴが伝わってきたアルバムでした。
そのため、新作『The One』への期待も相当高いものでしたが、その期待を裏切らない正統派R&B/ソウル作品に仕上がっています。本作でも70年代ソウルへのリスペクトに溢れています。ただし、それ一辺倒ではなく美メロR&Bを上手く織り交ぜた大人のセクシー&ロマンティックなR&B/ソウル作品に仕上がっています。
プロデュースはEric Benet本人と長年のパートナーGeorge Nash, Jr.、Demonte Poseyが務めています。目立ったゲスト陣もLil Wayneと娘India Benet程度であり、話題よりも中身で勝負!というEric Benetの心意気が伝わってきます。
『The One』というアルバム・タイトルが象徴するように、たった一人の大切な人に向けたロマンティックなラブソング集といったアルバムになっています。愛の伝道師Eric Benetの面目躍如といったところなのでは。
前作同様、ヴォーカル良し!メロディ良し!捨て曲ナシの充実作だと思います。個人的には、今年聴いた男性R&B作品の中でNo.1の出来栄えです。
全曲紹介しときやす。
「Harriet Jones」
このオープニングを聴き、本作も間違いなしの傑作であることを確信しました。恋人へもう一度をチャンス!と懇願する哀愁メロウR&B。ヴォーカルよし!メロディよし!前作からの好調ぶりが本作でも健在であることを実感できます。
http://www.youtube.com/watch?v=Ixkpupw1JR8
「News For You」
愛の伝道師Eric Benetらしい壮大なスケールのラブソング。爽快な中にも男の色気が漂う大人のセクシーR&Bに仕上がっています。
「Real Love」
アルバムからのリード・シングル。本物の愛を熱唱する正統派ソウル・バラード。セクシー・ファルセットも交えたEric Benetの素晴らしいヴォーカルを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=xhWumqmCveY
「Runnin」
運命の人と巡り合った喜びを歌うラブソング。♪たった一人、たった一つの心、一つの喜び、一つの場所♪という歌詞はアルバム・タイトル『The One』へつながっています。
「Redbone Girl」
Lil Wayneをフィーチャーした甘く危険な香りのするR&Bチューン。Eric BenetとLil Wayneの組み合わせってどうなんだろう?と思っていましたが、70年代ソウル・モードにLil Wayneの癖のあるラップを加えることで、全体に上手くメリハリをつけています。
「Waiting」
70年代ソウルへのリスペクトを感じる正統派ソウル・チューン。リラックスした雰囲気ながらも味わい深いヴォーカルを聴かせてくれます。
「I Hope That It's You」
アルバムの中では少し異質なレゲエ・チューン。Eric Benet版ラヴァーズ・ロックといった趣です。少しチープなサウンドが逆にラヴァーズ・ロックらしくていいですね。
「Gonna Be My Girl」
舞い降りてきた天使へ捧げるラブソングといった雰囲気です。感動的なヴォーカル&メロディ&サウンドは、ラブ・ロマンス映画のハイライト・シーンに流れるとピッタリな感じです。
「Come Together」
関係がぎくしゃくしてきた恋人へ、やり直そうと呼びかける1曲。サラッとした中にも男の切なる哀愁モードがにじみ出ています。終盤はかなりエロいです(笑)
「Muzik」
最近のEric Benet作品でお馴染み娘India Benetとのデュエット。80年代の香りが漂うシングル向きのキャッチーなR&Bチューンです。
「Lay It Down」
軽くエレクトリックな味付けでアクセントをつけたR&Bバラード。個人的にはクロスオーヴァー・テイストのアッパー・チューンにリミックスするとピッタリな気がします。
「Here In My Arms」
本編のラストは、感動的かつ厳かなラブソングで締め括ってくれます。素敵なストリングスをバックに、愛する人が今時分の腕の中にいる奇跡を歌い上げます。
国内盤には「Come Home To Me」(Featuring Jewl Anguay)、「Touching Again」、「That's My Lady」といった3曲のボーナス・トラックが収録されています。
Eric Benetの過去記事もご参照下さい。
『True to Myself』(1996年)
『Love & Life』(2008年)
『Lost In Time』(2010年)