2012年05月22日

Airto Moreira『Fingers』

大人気サンバ・グルーヴ「Tombo In 7/4」収録!☆Airto Moreira『Fingers』
フィンガーズ
発表年:1973年
ez的ジャンル:南米/ブラジリアン・フュージョン
気分は... :サンバ・グルーヴでハイテンション!

今回はブラジル人ドラマー/パーカッション奏者Airto Moreiraが1973年にリリースした『Fingers』です。

世代を超えて人気のサンバ・グルーヴ「Tombo In 7/4」のオリジナル収録アルバムとしてお馴染みの1枚ですね。

これまで当ブログで紹介したAirto Moreira作品は以下の3枚。

 『Samba de Flora』(1988年)
 『Identity』(1975年)
 『I'm Fine, How Are You?』(1977年)

本作は『Free』(1972年)に続くCTI第2弾アルバムとなります。

Chick Corea、Stanley Clarke、Joe FarrellといったReturn To Foreverのメンバー等とレコーディングした『Free』は、必ずしもAirtoの創りたい音ではなかったようです。Airto自身はもっとブラジル/南米色の強い作品を望み、その意向に沿って制作されたアルバムが本作『Fingers』です。

プロデュースはCreed Taylor。レコーディング・メンバーは、Airto Moreira(per、ds、vo)、Flora Purim(vo、per)、Hugo Fattoruso(key、hca、vo)、Jorge Fattoruso(ds、vo)、Ringo Thielmann(b、vo)、David Amaro(g)の6名。

Hugo Fattoruso、Jorge Fattoruso、Ringo Thielmannの3名は、ウルグアイのフュージョン・グループOPAのメンバーです。特にキーボード奏者Hugo Fattorusoは有名ですね。当ブログでもAirto MoreiraFlora Purimをはじめ、Toninho HortaFlorencia Ruizの記事に彼の名前が登場します。

ギタリストのDavid Amaroは、Airto MoreiraFlora Purimをはじめ、Sergio MendesGeorge Duke等の作品でお馴染みですね。

そんなメンバーで制作された本作ですが、3曲を楽曲提供したHugo FattorusoをはじめOPAメンバーの貢献が大きいせいか、ブラジリアン・フュージョンというよりも南米フュージョンという印象を受ける作品です。タイトル曲が『I'm Fine, How Are You?』に参加していたウルグアイ人ミュージシャンRuben Radaの作品であることも含めてウルグアイ・パワーを感じます。

どうしても「Tombo In 7/4」に注目が集まってしまう作品ですが、それ以外の楽曲にも本作ならではの魅力が詰まっています。

これぞAirto Moreiraならではのフュージョンといった1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Fingers」
Ruben Rada/Eduardo Uzeta作。男気のあるブラジリアン・ジャズ・ファンク。David Amaroのロック・テイストのギターが目立っています。ラテンのりのファンキー感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZZef4NnCr28

「Romance Of Death」
Hugo Fattoruso作。軽快なブラジリアン・ジャズ。Airtoのパーカッションを満喫できます。南米ミュージシャンたちのセッションならではグルーヴといった雰囲気がいいですね。前曲から一転してDavid Amaroがフュージョンらしいギターを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=hgorl7Tq3ME

「Merry-Go-Round」
Airto Moreira作。ライトなインストながらも南米らしいエッセンスが楽しむことができます。

「Wind Chant」
Hugo Fattoruso作。トリッキーなFlora Purimのスキャットも含めてミステリアスな雰囲気の漂うフュージョン・チューン。南米の神秘といった感じです。

「Parana」
Hugo Fattoruso作。Hugo Fattorusoの才能を満喫できるラテン/ブラジリアン・フュージョン。フォーキー感覚のフュージョンといった趣ののどかな雰囲気がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=miij-2rH5ZQ

「San Francisco River」
Flora Purim作。サンセット・モードのメロウ・フュージョン。Hugo Fattorusoのハーモニカがいいアクセントになっています。終盤のFlora Purimのスキャットが素敵です。
http://www.youtube.com/watch?v=wmBBjPi0lBw

「Tombo In 7/4」
Airto Moreira作。ラストは本作のハイライト。問答不要のサンバ・グルーヴです。Bellini「Samba de Janeiro」、The Heartists「Belo Horizonti」の元ネタとしてもお馴染みですね。ジワジワと盛り上がり、散々じらしにじらした上で、例のお馴染みのフレーズが飛び出します。否が応でもハイテンションとなり、盛り上がりますね。本曲の応用編として、「Celebration Suite」もセットでチェックしましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=tKxposkFaQY

当ブログではクラブミュージック好きに人気のA Bossa Eletricaのカヴァーも紹介済みです。Michel Camilo等もカヴァーしています。

A Bossa Eletrica「Tombo In 7/4」
 http://www.youtube.com/watch?v=Rpi0WSmRb2Y

Airto Moreiraの過去記事もご参照下さい。

『Identity』(1975年)
アイデンティティー

『I'm Fine, How Are You?』(1977年)
アイム・ファイン、ハウ・アー・ユー?(紙ジャケット仕様)

『Samba de Flora』(1988年)
Samba de Flora
posted by ez at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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