発表年:1974年
ez的ジャンル:メロウ・フォーキー・トリオ
気分は... :フォーキー・サウンドで一息・・・
今週、来週とタイト・スケジュールで披露困憊です。
土日も休みなしで働きづめ状態のため、かなりガス欠状態・・・
こんな時には、フォーキーな音楽が聴きたいですね。
今回はValerie Carterがソロ・デビュー前に組んでいたメロウ・フォーキー・トリオHowdy Moon唯一のアルバム『Howdy Moon』(1974年)です。
Howdy Moonは、Valerie Carter(vo)、元Fifth Avenue BandのJon Lind(vo、g)、Richard Hovey(vo、g)の3名が結成したフォーキー・トリオです。
フリーソウル方面からも人気が高い女性シンガーValerie Carterについては、当ブログでも1stアルバム『Just A Stone's Throw Away』(1977年)、2ndアルバム『Wild Child』(1978年)を紹介済みです。いずれもキュートなValerieの歌声に魅了される素晴らしいアルバムです。
そんなValerieがソロ・デビュー前に組んでいたHowdy Moon唯一のアルバムが本作です。
全10曲8曲をLittle FeatのLowell Georgeがプロデュースしています。
レコーディングにはLowell George(g、key、fl)をはじめ、Bill Payne(key)、Sam Clayton(per)、Roy Estrada(b)といったLittle Feat勢が参加しています。それ以外にもEric Eisner(g)、Dennis Budimir(g)、Andrew Gold(g)、Arthur Adams(g)、Sneaky Pete(pedal steel)、Chuck Rainey(b)、Wilton Felder(b)、Van Dyke Parks(p)、EW&FのFred White(ds)、Jim Keltner(ds)、Bobbye Hall(per)、John Sebastian(hca)、David Paich(strings arr)等の豪華メンバーが参加しています。
内容充実、メンバーも豪華でしたが、商業的には不発に終わり、グループは本作のみで解散しています。
その後Valerie Carterは前述のようにソロ・アーティストとして活動するようになります。また、Jon LindはFifth Avenue Bandの同僚Kenny Altman、イギリス人SSW、Billy NichollsとWhite Horseを結成し、アルバムを1枚リリースしています。その後はソングライターとして活躍し、Earth, Wind & Fire、「Boogie Wonderland」、Madonna「Crazy for You」、Vanessa Williams「Save the Best for Last」等のヒット曲を送り出しています。Ramsey Lewis「Sun Goddess」もJon Lind作ですね(Maurice Whiteとの共作)。
メロウ・フォーキーなフィーリングが僕好みですね。派手さはありませんが、3人のリード・ヴォーカルも含め、全体の構成にメリハリが効いていてアルバム1枚を楽しめる作品です。
特にValerie Carterのソロ作がお好きな方は、彼女の原点を楽しめる1枚だと思います。
垢抜けないジャケは、純粋に自分たちの音楽に向き合っている証なのでは?
全曲紹介しときやす。
「Lovelight」
Richard Hovey作。本曲はRobert Appereプロデュース。Richard Hoveyがリード・ヴォーカルをとるレイドバック・フィーリングの仕上り。3人のハーモニーがいい感じです。Lowell GeorgeのスライドやJohn Sebastianのハーモニカが盛り上げてくれます。
「Cheyenne Autumn」
Jon Lind作。エレピやムーグ・サウンドも聴かれ、イナたさの中に都会的なフィーリングも織り込まれています。
「I'm Alone」
Valerie Cater/Richard Hovey作。Valerie Caterが切々と歌い上げるバラード。Sneaky Peteのペダル・スティールが味わい深いです。
「Nora Lee」
Eric Eisner作。Jon Lindがリード・ヴォーカルをとるメロウ・フォーキー。僕の一番のお気に入り曲。ソフト&メロウなヴォーカル、サウンドにグッときます。タイトルはWoody Guthrieの娘、Nora Guthrieのことらしいです。
「Runnaway」
Richard Hovey作。タブラの音も聴こえてくる、ミステリアスなムードのフォーキー・チューン。UKフォークっぽいですね。
「And You Never Knew」
Valerie Carter/Ed Brandon作。人気コンピ『Cafe Apres-midi Rouge』にも収録されていた人気メロウ・フォーキー。キュートなValerie Carterのヴォーカルを満喫できる1曲です。メロウなエレピの音色が心地好いですね。
「Machine」
Richard Hovey作。Richard Hoveyのヴォーカル&ギター、Lowell Georgeのギター&ムーグのみのシンプルなフォーキー・チューン。
「Cook with Honey」
Valerie Carter作。Michael J. Jackson(アノMJではありません)プロデュース。Judy Collinsが取り上げ、全米チャート第32位となった楽曲のセルフ・ヴァージョンです。一般には本作のハイライト曲ですね。Valerie Carterのピュアなヴォーカルに魅了されるビューティフル・ソングに仕上がっています。David Paichアレンジのストリングスが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Jge668g6QAQ
「For Tonight」
Richard Hovey作。「Nora Lee」と並ぶ僕のお気に入り。Richard HoveyとValerie Carterのコーラスが素晴らしいです。ソウル・フィーリングのサウンドがいいですね。Sneaky Peteのペダル・スティールも盛り上げてくれます。
「Millstream」
Jon Lind/Francine Tacker作。ラストは3人のコーラスワークが素晴らしい、味わい深いフォーキー・チューンで締め括ってくれます。
Valerie Carter『Just A Stone's Throw Away』(1977年)
『Wild Child』(1978年)
ありがとうございます。
そうですね。
Valerie Carterの原点を感じることができるのがいいですね。