2012年05月28日

Earth, Wind & Fire『Last Days And Time』

メンバーを一新し、大きく路線変更したColumbia移籍第一弾☆Earth, Wind & Fire『Last Days And Time』
地球最後の日(紙ジャケット仕様)
発表年:1972年
ez的ジャンル:ポップ&メロウ・ファンク
気分は... :黄金期EW&F前夜!

久々のEarth, Wind & Fire(EW&F)です。
セレクトしたのは3rdアルバム『Last Days And Time(邦題:地球最後の日)』(1972年)です。

当ブログでこれまで紹介してきたEW&F作品は以下の5枚(発表順)。

 『Head To The Sky』(1973年)
 『Open Our Eyes』(1974年)
 『That's the Way of the World』(1975年)
 『Gratitude』(1975年)
 『Spirit』(1976年)

本作『Last Days And Time』(1972年)はColumbia移籍第一弾アルバムであり、Warner Bros.時代の1st『Earth, Wind & Fire』(1971年)、2nd『The Need of Love』(1972年)で聴かれたジャズ/ブラス・ロック的なアプローチからポップ/ソウル的なヴォーカル&インスト・グループへの脱皮を図った作品です。

その意気込みを反映してか、前作『The Need of Love』からMaurice White(vo、ds、kalimba)、Verdine White(b、vo、per)以外のメンバーを一新し、Phillip Bailey(vo、congas、per)、Jessica Cleaves(vo)、Roland Bautista(g)、Larry Dunn(p、org、clavinet)、Ronald Laws(ss、ts、fl)、Ralph Johnson(ds、per)が新たにメンバーとして加入しました。

Phillip BaileyLarry Dunnという後のEW&Fの屋台骨を支えるメンバーと、Ronald Laws(Hubert Laws、Eloise Lawsの弟)、元The Friends of Distinctionの女性ヴォーカルJessica Cleavesという本作限りのメンバーが混在しているのは興味深いですね。

前述のようにポップ/ソウル的なヴォーカル&インスト・グループへの脱皮を図った作品ですが、まだまだ未完成でジャズ・ファンク的な演奏も混在するのが本作の面白さかもしれません。インタールードは完全にジャズ・グループしていますしね。その意味では本作でしか聴けないEW&Fを楽しむことができます。

プロデュースはJoe Wissert。

印象的なジャケは当ブログでも紹介した名デザイナーAbdul Mati Klarweinです。

Loftクラシック「Power」 、哀愁の名曲「Mom」、サンプリングソースとしても人気の「Remember The Children」など聴きどころは多いと思います。

全曲紹介しときやす。

「Time Is On Your Side」
Maurice White/Verdine White/Roland Bautista作。ファンキーな中のポップな味わいが後のブレイクを予感させるオープニング。一方でこの時期のEW&Fならではのファンクネスも満喫できます。Ronald Lawsのサックスも快調です。
http://www.youtube.com/watch?v=y44vSR9yL64

「Interlude」
フリージャズなインタールード。

「They Don't See」
Mark Davis作。Phillip Baileyのファルセット・コーラスとMaurice Whiteのスウィート・ヴォーカルが印象的なメロウ・チューン。Digable Planets「Swoon Units」のサンプリングソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ExAT3cMFSV0

「Interlude 」
ピアノの余興といったインタールード。

「Make It With You」
Breadの名曲「二人の架け橋」をカヴァー(David Gates作)。初々しいPhillip Baileyのファルセット・ヴォーカルが魅力です。ポップ路線へ大きく舵を切ったグループの新たな方向性を実感できます。
http://www.youtube.com/watch?v=2BNBFBEoVSw

「Power」
Maurice White作。DJ HarveyらもプレイしたLoftクラシックとしてもお馴染みの人気曲。エレクトリック・マイルスをはじめとするジャズ・ファンク好きがグッとくるグルーヴを満喫できます。新メンバー達がその実力を如何なく発揮しています。Organized Konfusion「Prisoners Of War」、Fischmob「Fickpisse」、Mac Miller「BDE Bonus」のサンプリングソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=xF108JweAGw

「Remember The Children」
Maurice White/Verdine White/Roland Bautista作。個人的には一番のお気に入り曲。Larry Dunnのクラヴィネットが印象的なファンク・グルーヴ。ニューソウル感も感じる仕上がりです。The Legion「Street Thing」、Clipz「Trumpet」 、Zero Tolerance Feat. Steo「Refusal」、Utah Jazz「Atmosphere Interlude」のサンプリングソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=qwoXnyY75EQ

「Interlude 」
ジャジーなインタールード。

「Where Have All The Flowers Gone」
Pete Seegerの名曲「花はどこへいったの 」のカヴァー。ヴォーカル・グループとしての充実ぶりを感じさせる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=z6-URX6jMp4

「I'd Rather Have You」
Skip Scarbrough作。新加入のJessica Cleavesをフィーチャー。艶やかな女性ヴォーカルでEW&Fに新風を吹き込んでいます。女性リード・ヴォーカルのEW&Fという意味で貴重な1曲かもしれませんね。これを機会にJessicaが在籍していたThe Friends of Distinctionを聴いてみるのも楽しいでのでは?Stat Quo「We Get Higher」、Statik Selektah feat. Joell Ortiz, Skyzoo & Talib Kweli「Talkin' 'Bout You (Ladies)」のサンプリングソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=3acl-aSHaIA

「Mom」
Maurice White/Verdine White作。ラストは哀愁のビューティフル・ソング。シングルにもなりました。Killarmy「Camouflage Ninjas」、Dj Quik「Speed」、Wu-Syndicate「Crime Syndicate」、Three 6 Mafia「I'm So High」のサンプリングソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=4ZBOD0hMw4c

クラブミュージック好きはTimmy Regisford & Adam Riosのリミックスも要チェックです。

「Mom(Timmy Regisford & Adam Rios Remixes)」
http://www.youtube.com/watch?v=FhnLrd_pvzc

Earth, Wind & Fire(EW&F)の過去記事もご参照下さい。

『Head To The Sky』(1973年)
ヘッド・トゥ・ザ・スカイ

『Open Our Eyes』(1974年)
Open Our Eyes

『That's the Way of the World』(1975年)
That's the Way of the World

『Gratitude』(1975年)
Gratitude

『Spirit』(1976年)
Spirit
posted by ez at 00:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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