発表年:1968年
ez的ジャンル:ファンキー・ソウル・ジャズ
気分は... :安易なカヴァー集ではありません!
今回はJazz界の人気キーボード奏者、Ramsey Lewisが1968年にリリースした『Mother Nature's Son』です。
これまで当ブログで紹介したRamsey Lewis作品は以下の4枚。
『The In Crowd』(1965年)
『Sun Goddess』(1974年)
『Love Notes』(1977年)
『Tequila Mockingbird』(1977年)
今日紹介する『Mother Nature's Son』は、The Beatlesのアルバム『The Beatles(ホワイト・アルバム)』 (1968年)収録曲のカヴァー集です。しかも、ホワイト・アルバムのリリースから約1ヶ月後にレコーディングしてしまったという点が驚きです。
プロデュースはEarth, Wind & Fire作品等でお馴染みの名プロデューサー&アレンジャーCharles Stepneyです。ある意味、本作はRamsey Lewisとオーケストレーションを手掛けたCharles Stepneyのコラボ作品という見方もできると思います。
当時のStepneyは、Minnie Ripertonも在籍していたRotary Connectionを手掛けており、そこで聴かれたサイケデリック・ソウルの成果も本作に盛り込まれています。
決して安易なカヴァー集ではありません。ホワイトアルバムの発売から程なく、名曲たちに新たな解釈を加えたRamsey Lewis、Charles Stepneyのセンスに脱帽です。
ファンキーなソウル・ジャズ・グルーヴ、美しいオーケストレーション、アヴァンギャルドな電子音・・・あの手、この手でホワイト・アルバムの有名曲を調理してくれます。
一昨日紹介したAlexia Bomtempo『I Just Happen To Be Here』や本作を聴いていると、カヴァー・アルバムの意義というものを再認識させてくれます。
ホワイト・アルバムがお好きな人も、ホワイト・アルバムを聴いたことがない人でも楽しめる1枚だと思います。
本家ホワイト・アルバムも当ブログで紹介しようと思いながら未紹介のままです。
そもそもBeatlesのアルバム自体、3年以上未紹介ですが・・・
いい機会なので久々にホワイト・アルバムをじっくり聴いてみようかな・・・
全曲紹介しときやす。
「Mother Nature's Son」
美しいオーケストレーションとRamsey Lewisのピアノタッチが織り成す雄大な世界観にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=DSsTrfRAgIU
「Rocky Raccoon」
エレピによる緩やかなグルーヴでジワジワと高揚してくる感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=9R0rIxp2Ais
「Julia」
何の予備知識もなく聴いたら「Julia」のカヴァーであることに気付かないかもしれません。仮に「Julia」を知らない人でも、この美しい音世界に魅了されること間違いなし!何処か遠い夢の世界へと誘ってくれそうな美しさです。
Nujabes feat. Substantial「 Hikari」、All Natural「50 Years」、UMC's「It's Gonna Last」、Les Sages Poetes De La Rue「Creve La Meuf'」のサンプリングソースにもなっています。
Nujabes feat. Substantial「 Hikari」
http://www.youtube.com/watch?v=XsOl5dFChIc
All Natural「50 Years」
http://www.youtube.com/watch?v=nzMJ4hPJUHE
「Back In The U.S.S.R.」
前曲の美しさから一転、レア・グルーヴがグッとくるであろうソウル・ジャズ・グルーヴです。中盤、終盤のドラム・ブレイクもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=kq7mW5rPoag
「Dear Prudence」
このカヴァーはオリジナルの持つ雰囲気をファンキーな味わいで膨らませた感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=RG0iGarRQc4
「Cry Baby Cry」
オリジナルのホワイトアルバムだとあまり目立たない曲でしたが、なかなか味わい深いソウルフルな味わいのカヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=_c7Y_QMcnro
Showbiz & A.G.「Catchin' Wreck」、Da King & I「Mr. All That」、Dynospectrum「Appearing Live」のサンプリングソースにもなっています。
Showbiz & A.G.「Catchin' Wreck」
http://www.youtube.com/watch?v=OCffu2hWAH0
「Good Night」
ホワイト・アルバムのラストを飾るRingoの温かみのあるヴォーカルが印象的な曲ですが、本カヴァーはそんな雰囲気を受け継ぐ美しいオーケストレーションの前半と、Ramsey Lewisのピアノ・プレイを堪能できる中盤、そして感動のフィナーレとドラマティックな展開で聴かせてくれます。
「Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey」
電子音でアヴァンギャルドな雰囲気でスタートしますが、本編はドープなファンキー・グルーヴです。格好良さでいえばアルバム随一かも?
http://www.youtube.com/watch?v=jeEmXc3Z4xE
「Sexy Sadie」
ホワイト・アルバムのJohn主導曲ではこの曲が一番好きかもしれません。本作の中では割とフツーのソウル・ジャズ・カヴァーかもしれませんが、オリジナルが好きなので・・・
「Black Bird」
コズミックな電子音でスタート。オーケストレーションとグルーヴィーなリズムにのって、Ramsey Lewisのピアノが弾けます。
http://www.youtube.com/watch?v=uPESvZDUI9Y
Ramsey Lewisの過去記事もご参照下さい。
『The In Crowd』(1965年)
『Sun Goddess』(1974年)
『Love Notes』(1977年)
『Tequila Mockingbird』(1977年)