2012年06月18日

Stereolab『Peng!』

エクスペリメンタルですが難解ではありません!☆Stereolab『Peng!』
Peng (Reis)
発表年:1992年
ez的ジャンル:UKポストロック/エクスペリメンタル
気分は... :死の組を勝ち残るのは...

サッカーはユーロ2012、注目の"死の組"グループBの最終戦「ポルトガル対オランダ」「ドイツ対デンマーク」の2試合同時進行は、やはり興奮しますね。特に「ポルトガル対オランダ」は打ち合いの様相で面白いです。デンマークも粘っていますね。オランダは奇跡を起こすことができるのか?

今回はUKポストロックの先駆者、Stereolabのデビュー・アルバム『Peng!』(1992年)です。

これまで当ブログで紹介したStereolab作品は以下の5枚です(発売順)。

 『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』(1993年)
 『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)
  『Dots And Loops』(1997年)
 『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)
 『Margerine Eclipse』(2004年)

僕の場合、やはり『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)以降の近未来ラウンジ・ポップ的な雰囲気のStereolabを聴くことが圧倒的に多いですね。それらと比較すると、初期Stereolabはエクスペリメンタルな雰囲気が漂います。

デビュー・アルバムとなった本作『Peng!』(1992年)時点のメンバーは、Tim Gane(g、org、syn)、Latitia Sadier(vo、syn)、Martin Kean(b)、Joe Dilwort(ds)の4名。その後ミニ・アルバム『Space Age Bachelor Pad Music』(1993年)よりMartin Kean、Joe Dilworthの2人が抜け、新たにMary Hansen、Andy Ramsay、Duncan Brownの3人が加わりました。

そんなメンバー編成のせいもあってか、やはり本作は他のStereolab作品とは異なる毛色のアルバムに仕上がっています。とはいっても、エクスペリメンタルですが決して難解な作品ではありません。際立った曲はありませんが、ポップなエッセンスも織り込まれ、Latitia Sadierのヘタウマ・ヴォーカルもあるのでStereolabらしい雰囲気も十分に楽しめます。

久々に本作を聴きましたが、たまに聴く分にはサウンドのアンダーグラウンドな未完成感が逆に新鮮かもしれません。

まずは『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)、 『Dots And Loops』(1997年)、『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)あたりを聴くべきだと思いますが、Stereolab好きであれば、やはり手元に置いておきたい1枚ですね。

全曲紹介しときやす。

「Super Falling Star」
Latitia Sadierの気だるいヴォーカルと共にスタートする退廃的なオープニング。ラフなサウンドが逆に雰囲気があっていいですね。

「Orgiastic」
少しノイジーながらもStereolabらしい雰囲気を満喫できるアンダーグラウンド感のあるギター・ポップ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=nsq9tF3riV4

「Peng! 33」
この曲は初期Stereolabならではの雰囲気かもしれませんね。アンダーグラウンドなポップ感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=6993BdVL_0k

「K-Stars」
エクスペリメンタルな雰囲気の漂います。淡々としたヒンヤリ感がいいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=QzFiCRw1XAw

「Perversion」
本作ならではのギター・ポップ・チューン。全く腹から声が出ていない(笑)Latitiaのヴォーカルが逆に良かったりして?
http://www.youtube.com/watch?v=MPJ_AIfntwg

「You Little Shits」
前半の淡々としたポップ感から中盤以降はエクスペリメンタルなサウンドへ展開します。

「The Seeming And The Meaning」
疾走するエクスペリメンタル・ギター・ポップ。個人的にはアルバムで一番好きな曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=5k4dRo48BaI

「Mellotron」
エクスペリメンタルなシンセの響きに脳の奥まで浸食されます。今回久々に聴いてみて本曲が一番脳内に残っています。
http://www.youtube.com/watch?v=VpbJK0ANZN4

「Enivrez-Vous」
フランスの詩人Baudelaire(ボードレール)の詩を用いたポエトリー・リーディング曲。
http://www.youtube.com/watch?v=9rQ94tLkEX8

「Stomach Worm」
本作ならではの味わい曲ですね。軽快なテンポなのに全然開放的でないのがいいですね。ザラついたサウンドがクセになります。
http://www.youtube.com/watch?v=VGuHbNq4NR8

「Surrealchemist」
ラストは7分超の大作。反復するオルガン&ギターを聴いていると、90年代後半以降のStereolabは想像できないですね。
http://www.youtube.com/watch?v=052BWvZn52Y

Stereolabの過去記事もご参照下さい。

『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』(1993年)
騒音的美学の終焉

『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)
Emperor Tomato Ketchup

『Dots And Loops』(1997年)
Dots and Loops

『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)
Cobra & Phases Group Play Voltage in Milky Night

『Margerine Eclipse』(2004年)
Margerine Eclipse
posted by ez at 04:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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