2012年07月05日

Lucas Santtana『Sem Nostalgia』

密かに注目されるブラジリアン・エクスペリメンタル作品☆Lucas Santtana『Sem Nostalgia』
セン・ノスタルジーア
発表年:2009年
ez的ジャンル:ブラジリアン・エクスペリメンタル
気分は... :懐古趣味ではない!

NHK-BS1でサッカーのトゥーロン国際「日本対オランダ」の再放送を観ていました。
五輪代表の発表後に改めて観ると、五輪代表チームの課題が目立ってしまいますね。

僕の理想ではありませんが、決定したメンバーから選ぶと、清武、宇佐美、齋藤の二列目に期待したいですね。ただし、僕の予想では関塚監督が考えている先発は別のラインナップだと思っていますが。あとは永井をどのように使うのかに注目しています。

今回は昨年世界リリースされ、密かに人気を博しているエクスペリメンタルなブラジル作品Lucas Santtana『Sem Nostalgia』(2009年)です。

Lucas Santtanaは1970年バイーア州サウヴァドール生まれのクリエイター/マルチ・インスト奏者。

彼のキャリアの詳細はよく把握できていませんが、Caetano Veloso & Gilberto Gil『Tropicalia 2』(1993年) 、Gilberto Gil『Unplugged』(1994年)のレコーディング・メンバーにはLucasの名がクレジットされています。

自身の名義では『Eletro Ben Dodo』(2000年)、『Parada de Lucas』(2003年)、(Lucas Santtana & Selecao Natural名義)『3 Sessions in a Greenhouse』(2006年)、『Sem Nostalgia』(2009年)、『O Deus que Devasta mas Tambem Cura』(2012年)といったアルバムをリリースしています。

また、Arto Lindsayのアルバムにも参加していますね。

今日紹介する『Sem Nostalgia』は本国ブラジルでは2009年にリリースされましたが、昨年に世界リリースとなり、今年に入り国内盤もリリースされ、注目されるようになった1枚です。本国では本作に続く最新作『O Deus que Devasta mas Tambem Cura』がリリースされた模様ですが・・・

さて、本作『Sem Nostalgia』ですが、基本はヴォーカル+アコースティック・ギターにさまざまなエフェクトやサンプリングを駆使したエクスペリメンタルなブラジル作品に仕上がっています。レゲエ/ダブやオルタナ・ロックのエッセンスも取り入れたローファイながらもミクスチャー感覚に溢れています。

「懐古趣味ではない」というアルバム・タイトルが示す通り、ヴォーカル+アコースティック・ギターを素材に斬新な音空間をクリエイトしてくれます。とにかく一度聴いたらクセになる音空間です。

「Four Tet+Tom Ze+Thom Yorke」と評されることも多い本作ですが、そんな表現をしたくなるのも何となくわかる気がします。

アルバムには親交のあるArto Lindsayとの共作が3曲収録されています。

まずはシングルにもなったオープニングの「Super Violao Mashup」を聴いてみて下さい。

全曲紹介しときやす。

「Super Violao Mashup」
シングルにもなったオープニング。エレクトロニカ&ダビーなギター・コラージュによるミクスチャーなブラジリアン・ブレイクビーツ。この独特の音空間に一気に惹き込まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=wkEy3wUQd10

「Who Can Say Which Way」
リズミックなギターの響きと内省的ヴォーカルによるエクスペリメンタル・サウンドを満喫できる1曲。ローファイな感じながらもクセになるサウンド処理のセンスがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=rdyzqINSac4

「Night-Time In The Backyard」
Arto Lindsayとの共作1曲目。何とも切なく儚いヴォーカル&ギターが印象的な曲。こういう曲を聴いていると、Thom Yorkeが引きあいに出されるのもわかる気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=ou9Ao9WUKSw

「Cira, Regina E Nana」
ブラジルらしい叙情感にレゲエ/ダブのエッセンスを上手く採り入れ、ブルージー・トーンでまとめ上げた1曲。ブルージー&ダビーな雰囲気が好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=S--11avFoV4

「Recado Para Pio Lobato」
哀愁メロディを奏でるエクスペリメンタル・ギター・サウンドにグッとききます。僕の中では時代不明のアバンギャルドな西部劇のBGMを勝手に想像してしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZKEx00QBrss

「Hold Me In」
Arto Lindsayとの共作2曲目。切ないメロディと内省的なヴォーカルが織り成す空虚な空気感に心の中が浸食されていきます。この儚さは何なんでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=2OSDT9xwfhA

「Amor Em Jacuma」
ボッサ・テイストの仕上りですが、一筋縄ではいきません。サンプリングやエフェクトでアクセントがつけられています。
http://www.youtube.com/watch?v=PwEKMt5JJM4

「I Can't Live Far From My Music」
Arto Lindsayとの共作2曲目。エレクトロニクス感も加わったエクスペリメンタル・サウンドを楽しめます。このあたりはArto Lindsayとの共作らしい仕上りなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Yf7vjmUd3uM

「Ca Pra Nos」
哀愁モードの仕上がり。切ないモードが胸にこみ上げてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=Hnjpc75QYlA

「O Violao De Mario Bros」
2分に満たない小曲ながらもリズミック&エクスペリメンタルなグッとくる演奏を満喫できます。もっと長尺で聴きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=4ePj6NP-mgE

「Ripple Of The Water」
何とも切ないヴォーカルが印象的な哀愁チューン。何気ない曲ですがヤラれてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=L-ivsHGhnus

「Natureza #1 Em Mi Maior」
ラストは夏の夜を音色そのまま録音したようなエンディングです。
http://www.youtube.com/watch?v=0_dlYKc_qbY

『Eletro Ben Dodo』(2000年)
Eletrobendodo
posted by ez at 02:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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