発表年:1975年
ez的ジャンル:ブラック・ミュージック系ジャズ/ファンク
気分は... :フランス女子強かった!
サッカーなでしこジャパン、ロンドン五輪前の最後の強化試合となったフランス戦を観ましたが、フランスの完勝でしたね。なでしこの調子云々というよりも、フランスの強さ、タレントの豊富さに驚きました。有力な金メダル候補でしょうね。ロンドン五輪の初戦は米国のようですが、米国はかなり苦戦するのでは?
Quincy Jonesが1975年にリリースした『Mellow Madness』です。
US音楽界の大御所Quincy Jonesの紹介は『Body Heat』(1974年)、『Smackwater Jack』(1971年)に続き3回目となります。
キャリアの中でも重要作となった前作『Body Heat』(1974年)のリリース直後に脳内出血で倒れたQuincyでしたが九死に一生を得ました。そんな流れで本作『Mellow Madness』の献辞には彼の手術を担当した医師の名が記されています。
また、本作ではGeorge(g、vo)とLouis(b)のファンキー兄弟The Brothers Johnsonと女性シンガーPaulette McWilliamsが大きくフィーチャーされています。特にThe Brothers Johnsonについては、彼らに惚れ込んだQuincy がレコード会社との契約を取り付けてレコード・デビューが決定し、1976年に当ブログでも紹介したデビュー・アルバム『Look Out For #1』をリリースしています。
それ以外にもLeon Ware(vo)、Minnie Riperton(vo)、Myrna Matthews(vo)、Carolyn Willis(元Honey Cone)(vo)、Joseph Greene(vo)、Jim Gilstrap(vo)、The Watts Prophets(vo)Dave Grusin(key)、Don Grusin(key)、Mike Melvoin(key)、 Jerry Peters(key)、Ian Underwood(syn)、Wah Wah Watson(g)、Dennis Budimir(g)、Max Bennett(b)、Chuck Rainey(b)、Grady Tate(ds)、Harvey Mason(ds)、Ralph MacDonald(per)、Hubert Laws(fl)、Sahib Shihab(sax)、Chuck Findley(tp)といった豪華メンバーがレコーディングに参加しています。
全米R&Bアルバム・チャート第3位、同ジャズ・アルバム・チャート第1位となったように、R&Bとジャズの世界を股に掛けたQuincy Jonesらしいブラック・ミュージック作品に仕上がっています。
メロウ・チューンにファンキー・チューン、さらにアフリカンなポエトリー・リーディングやボッサ・チューンまで、この安定感はさすがQuincyですね。
全曲紹介しときやす。
「Is It Love That We're Missing?」
George Johnson/Debbie Smith作。The Brothers JohnsonのGeorge Johnsonのヴォーカルをフィーチャー。爽快メロウ・チューンでアルバムは幕を開けます。
http://www.youtube.com/watch?v=cUctn0xmttg
「Paranoid」
Joe Greene作。Leon Wareのヴォーカルをフィーチャー。ヴォコーダーも使ったブリブリのジャズ・ファンク・チューン。Turi feat. Fritz Da Cat「Schiaffetto Correttivo」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=kwnTXdZw_WE
「Mellow Madness」
Tom Bahler/Al Ciner/Quincy Jones/Paulette McWilliams作。Paulette McWilliamsをフィーチャー。タイトルの通り、メロウネスと静かなるマッドネスが同居した不思議な感覚の1曲。Boogie Down Productions「7 Dee Jays」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=8Pph1w3Rd0o
「Beautiful Black Girl」
Quincy Jones/Otis Smith作。The Watts Prophetsのポエトリー・リーディングをフィーチャー。アフリカン・リズムと相俟ってポエトリーが流れる様子はプレHip-Hopといった趣ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=dFWrhQTAsFY
「Listen (What It Is)」
Quincy Jones作。George JohnsonとPaulette McWilliamsのヴォーカルをフィーチャー。スピリチュアルな雰囲気も漂うミステリアスなファンク・チューン。X-Raided「Still Shooting」のサンプリングソース。
http://www.youtube.com/watch?v=r-7J_StD_Ek
「Just a Little Taste of Me」
George Johnson/Louis Johnson作。ファンキー&メロウの寛いだ味わいがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=LZRxFwHS788
「My Cherie Amour」
Henry Cosby/Sylvia Moy/Stevie Wonder作。Stevie Wonderのお馴染みの名曲をカヴァー。Leon WareとMinnie Ripertonのデュエットという豪華な組み合わせ。Hubert Lawsのフルートも涼しげです。
http://www.youtube.com/watch?v=Dnqa7m-H-l4
「Tryin' to Find Out About You」
George Johnson/Louis Johnson作。The Brothers Johnson好きならばグッとくるファンキーなインスト・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=A4QKxmlOmHg
「Cry Baby」
Quincy Jones/Wah Wah Watson/Robert Bryant作。Wah Wah Watsonのギター&ヴォーカル(voice bag)をフィーチャーしたファンク・チューン。Wah Wah Watsonヴァージョンは彼の唯一のソロ・アルバム『Elementary』(1976年)に収録されています。The Herbaliser「Herbalize It」、Atmosphere「Apple」のサンプリング・ソースになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=vqfKAa3C0ls
「Bluesette」
Norman Gimbel/Toots Thielemans作。Toots Thielemansのギター&口笛をフィーチャーしたボッサ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=Rax1whrHsmQ
Quincy Jonesの過去記事もご参照下さい。
『Smackwater Jack』(1971年)
『Body Heat』(1974年)
後半のワーワーとメイソンのからみが
堪りません。
強力リズム陣には痺れます。
ありがとうございます。
Beautiful Black Girlは強力リズムとポエトリー・リーディングの組み合わせが独特の世界を創っていますね。
ありがとうございます。
70年代のQuincyは素晴らしい作品のオンパレードですね。本作はThe Brothers Johnsonを世に送り出したという意味でも重要な1枚ですね。