発表年:1979年
ez的ジャンル:LA録音MPB
気分は... :Don't be afraid !
今回はMPBを代表する大物アーティストGilberto Gilが1979年にリリースした『Realce』です。
Caetano Velosoと並ぶブラジル音楽界の牽引者Gilberto Gilの紹介は、『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』(1968年)、『Gilberto Gil(邦題:イン・ロンドン)』(1971年)に続き3回目となります。
1979年リリースの本作『Realce』は彼のキャリアを代表するヒット・アルバムです。
L.A.録音作品であり、Steve Lukather(g)、Bill Champlin(back vo)、Michael Boddicker(syn)、The Seawind Horns(Jerry Hey、Kim Hutchoroft、Larry Williams、Bill Reichenback、Gary Grant)等のアメリカ人ミュージシャンも参加していますが、Mazolaがプロデュースを務め、Os MutantesのSergio Dias(g)、Liminha(b)やLuiz Carlos(ds、per)、Perinho Santana(g)、Djalma Corre(per)等のブラジル人ミュージシャンもバックアップしており、過度にアメリカ色が出ていないところがいいですね。
全9曲中7曲はGilのオリジナルです。残り2曲はDorival Caymmi「Marina」とBob Marley & The Wailers「No Woman, No Cry」のカヴァーです。この2曲がアルバム全体のいいアクセントになっていると思います。
アルバム全編に貫かれた開放的な雰囲気に惹かれます。
LAらしいクリアで洗練されたサウンドと、ブラジルらしいリズミカルで開放的な雰囲気が上手くミックスされているのが魅力ですね。
サマー・モードで寛ぎたい気分にフィットする1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Realce」
タイトル曲はSteve Lukatherのギターが冴えるL.A.録音らしい1曲。フュージョン/AOR系の音が好きな人は気に入ると思います。The Seawind Hornsも盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=WLGyrsHe0eg
「Sarara Miolo」
軽やかな雰囲気でリラックスできる名曲。♪サラ・サラ♪サラ・サララ〜♪というリズミカルなフレーズが脳内リピートします。
http://www.youtube.com/watch?v=gCTWxtQF2Mo
「Superhomem - A Cancao」
ビューティフル&ロマンティック・バラード。サンセット・モードで聴くとグッとくるはずです。John D'Andreaのロマンティックなサックス・ソロが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=oG-drSJ52x0
「Tradicao」
軽快メロウなブラジリアン・グルーヴ。Gilberto Gilらしい1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=0tcstokDe-w
「Marina」
Dorival Caymmi作品のカヴァー。LA録音が吉と出た開放的な爽快メロウ・チューンに仕上がっています。サマー・モードにフィットする仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=Y9rFxzZVIwc
「Rebento」
ボッサ好きにはたまらないメロウ・ボッサ。LA録音らしい洗練されたメロウ・サウンドにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=OO2Q2zcNjVk
「Toda Menina Baiana」
リズミカル・サウンドに思わず体を揺らしてしまいます。ブラジル作品らしいダンサブルなギターがサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=WuH1E0l2i2U
「Logunede」
哀愁モードのビューティフル・バラード。素晴らしいアレンジ・センスに脱帽です。
http://www.youtube.com/watch?v=2l7TE4OFmH8
「Nao Chore Mais (No Woman, No Cry)」
ラストはBob Marley & The Wailersの名曲「No Woman, No Cry」をポルトガル語でカヴァー。Bob Marleyの名曲をGilberto Gilを歌うというのは米英以外のミュージシャンのパワーを感じますよね。
http://www.youtube.com/watch?v=Lat7NqBEyKk
Gilberto Gilの過去記事もご参照下さい。
『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』(1968年)
『Gilberto Gil(邦題:イン・ロンドン)』(1971年)
また、70年代後半のGilberto Gilの他作品もチェックを!
『Refazenda』(1975年)
Gilberto Gil & Jorge Ben『Gil & Jorge - Ogum - Xango』(1975年)
『Refavela』(1977年)
Gilberto Gil & Rita Lee『Refestanca』(1977年)
『Gilberto Gil Ao Vivo Em Montreux』(1978年)
『Nightingale』(1979年)