2012年07月30日

The Main Ingredient『Euphrates River』

今の僕の嗜好にフィットするソウル・ヴォーカル作品☆The Main Ingredient『Euphrates River』
ユーフラテス・リヴァー
発表年:1974年
ez的ジャンル:N.Y.ソウル・ヴォーカル・グループ
気分は... :モヤモヤ気分の五輪TV観戦

五輪はどうもスッキリしませんね。
やはり柔道で良い結果が出ないと、何となく盛り上がりませんよね。

そんな中で男子サッカーは2連勝で決勝トーナメント進出を決めましたね。この調子ならばグループ1位通過の可能性も高く、決勝トーナメント1回戦でブラジルと対戦という事態も避けることができ、ベスト4進出も現実味を帯びてきたのでは?

今回はN.Y.出身のソウル・グループThe Main Ingredientが1974年にリリースした『Euphrates River』です。

The Main IngredientはN.Y.で結成されたソウル・ヴォーカル・グループ。

オリジナル・メンバーはDonald McPhersonLuther Simmons Jr.Tony Silvesterの3名。The Poets、The Insidersといったグループ名を経て"The Main Ingredient"というグループ名に落ち着きました。アレンジャーBert DeCoteauxとのコンビで「Spinning Around (I Must Be Falling in Love)」(全米R&Bチャート第7位)等のヒットを放つようになります。

しかし、そんな矢先の1971年にMcPhersonが急死し、グループは危機に直面します。そこでCuba Goodingを新たに加えグループは再スタートを切ります。ちなみに彼はオスカー俳優Cuba Gooding, Jr.の父親えす。そして、1972年にシングル「Just Don't Want to Be Lonely」の全米チャート第3位、同R&Bチャート第2位という大ヒットを生み出します。その後も「Just Don't Want To Be Lonely」(全米チャート第10位)、「Happiness Is Just Around The Bend」(全米R&Bチャート第7位)、「Rolling Down a Mountainside」(全米R&Bチャート第7位)といったヒットを放っています。ただし、70年代後半からはメンバー交代を繰り返しながらの活動だった模様です。

アルバム単位では、『L.T.D.』(1970年)、『Tasteful Soul』(1971年)、『Black Seeds』(1971年)、『Bitter Sweet』(1972年)、『Afrodisiac』(1973年)、『Euphrates River』(1974年)、『Rolling Down a Mountainside』(1975年)、『Shame on the World』(1975年)、『Music Maximus』(1977年)、『Ready for Love』(1980年)、『I Only Have Eyes for You』(1981年)、『I Just Wanna Love You』(1989年)、『Pure Magic』(2001年)といった作品をリリースしています。

本作は『Euphrates River』は、Ashford & Simpson「Have You Ever Tried It」Seals & Crofts「Summer Breeze」Willie Hutch「California My Way」Brian Auger's Oblivion Express「Happiness Is Just Around The Bend」Alzo Fronte「Looks Like Rain」Stevie Wonder「Don't You Worry 'Bout A Thing」等バラエティに富んだカヴァーや、Blue Magicでもお馴染みの名バラード「Just Don't Want To Be Lonely」のThe Main Ingredientヴァージョンが収録されており、The Main Ingredientをあまり知らない人でも楽しめる1枚だと思います。

個人的には濃厚すぎるソウル作品は最近あまり聴きたくありません。その点本作の持つ(薄味ではない)マイルドさは僕の嗜好ともマッチしています。バラードからダンス・チューンまで飽きさせない構成もグッド!「Summer Breeze」のカヴァーやラテン・フレイヴァーのアレンジが施されている曲など今の時期にフィットしたソウル・ヴォーカル作品だと思います。

Cuba GoodingLuther SimmonsTony Silvesterというメンバー3名がプロデュースを手掛け、長年のパートナーBert De Coteauxがアレンジを担当しています。

「Summer Breeze」「California My Way」はサンプリング・ソースとしても人気なのでHip-Hop好きの方もチェックして下さい。

宗教がかったジャケ(Walter Allen Rogers Jr.がデザイン)を嫌う方もいるようですが、僕はアーティスティックな感じで好きです。

全曲紹介しときやす。

「Euphrates」
Seals & Croftsのカヴァー1曲目。Seals & Croftsのオリジナルは『Summer Breeze』(1972年)に収録されています。エスニックなミステリアス感が支配するオープニング。壮大なストリングスも含めてエスニック風味のニューソウル・サウンドといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=FXB1Ys7367M

「Have You Ever Tried It」
Ashford & Simpsonのカヴァー。Ashford & Simpsonのオリジナルは『Gimme Something Real』(1973年)に収録されています。心地好いディスコ・サウンドにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=u9I9GbCxT1M

「Summer Breeze」
Seals & Croftsのカヴァー2曲目。Isley Brothersヴァージョン(アルバム『3+3』収録)でもお馴染みですね。当ブログではIsleys以外にFingazzStylusのカヴァーも紹介済みです。本ヴァージョンは甘く危険な香りのするドープなサマー・ブリーズといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=rvCzkTqaMpk

印象的なストリングス・サウンドはPortishead「Earth Linger」、The Notorious B.I.G.「Things Done Changed」、Third Sight「Hostage」、Afu Ra「Prankster」、Rhyme Asylum「The Dark Arts (Psiklone Dub)」等のサンプリング・ソースにもなっています。

Portishead「Earth Linger」
 http://www.youtube.com/watch?v=vifIgz8PwPs
The Notorious B.I.G.「Things Done Changed」
 http://www.youtube.com/watch?v=iK0soPQXLSM
Third Sight「Hostage」
http://www.youtube.com/watch?v=mtbnneAXw00
Afu Ra「Prankster」
 http://www.youtube.com/watch?v=w7ti1z74kOw
Rhyme Asylum「The Dark Arts (Psiklone Dub)」
 http://www.youtube.com/watch?v=SYNhWhx_8Qo

「California My Way」
Willie Hutchのカヴァー。アルバムからの3rdシングルにもなりました。オリジナルは当ブログでも紹介した『Fully Exposed』(1973年)に収録されています。Marvin Gaye調のグルーヴィー・ソウルであったオリジナルが大好きなので、その流れを汲むカヴァーに仕上がっている本ヴァージョンも大好きです。グルーヴィーなギター・サウンドがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=ZFE7G8i7C6U

Da Lench Mob「Guerillas In Tha Mist」、The Notorious B.I.G.「Things Done Changed」、DJ Quik「Itz Your Fantasy」、Fritz Da Cat feat. Piott「Antiparucca (Punti Di Vista) 」、Huss & Hod「Raum Und Geld」、Dom Kennedy feat. Polyeste「Mr Champagne Intermission」等サンプリング・ソースとしても人気曲です。

Da Lench Mob「Guerillas In Tha Mist」
 http://www.youtube.com/watch?v=Kkf2k7yNLfU
DJ Quik「Itz Your Fantasy」
 http://www.youtube.com/watch?v=gQuSIeRSwXM
Fritz Da Cat feat. Piott「Antiparucca (Punti Di Vista) 」
 http://www.youtube.com/watch?v=zrn9FSVJRgw
Huss & Hod「Raum Und Geld」
 http://www.youtube.com/watch?v=WUIiw0-sdEw
Dom Kennedy feat. Polyeste「Mr Champagne Intermission」
 http://www.youtube.com/watch?v=XCepKUCHG5g

「Happiness Is Just Around The Bend」
Brian Auger's Oblivion Expressのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Closer to It!』(1973年)に収録されています。本ヴァージョンはアルバムからの2ndシングルとして全米R&Bチャート第7位となっています。ガラージ・クラシックとしても人気のダンス・チューンですね。軽くラテン・リズムが効いているのが僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=bRAShcsjdbg

「Looks Like Rain」
Alzo & Udineでお馴染みAlzo Fronteのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Alzo』(1972年)に収録されています。本ヴァージョンはポップな味わいのビューティフル・バラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=aGK1hgXcU7k

「Don't You Worry 'Bout A Thing」
Stevie Wonderの名曲カヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した名盤『Innervisions』に収録されています。また、当ブログではIncognitoWeldon IrvineSergio Mendes & Brasil '77のカヴァーも紹介済みです。オリジナルのラテン・フレイヴァーを活かしつつ、ビートはファンクネス強め、ヴォーカルのトーンはマイルドに!といった感じのカヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=vU6GN9yQZYA

「Just Don't Want To Be Lonely」
Blue Magicのヴァージョンでもお馴染みの名バラード(Bobby Eli/John FreemanVinnie Barrett作)。オリジナルはRonnie Dysonです。当ブログでは
Regina Belleのカヴァーも紹介済みです。本ヴァージョンはアルバムからの1stシングルとして全米チャート第10位、同R&Bチャート第8位のヒットとなっています。Blue Magicヴァージョンが王道ならば、こちらはよりアクセントがついている感じですかね。Eminem「Mosh」、The Diplomats「Dead Muthafuckas」、Vybe「Funky Low Down Feeling」等のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=GLAbK0ZwZnw

CDにはボーナス・トラックとして「Let Me Prove My Love To You」が追加収録されています。

The Main Ingredientの他作品もチェックを!

『Tasteful Soul/Bitter Sweet』(1971年、1972年) ※2in1CD
Tasteful Soul/Bitter Sweet

『Afrodisiac』(1973年)
Afrodisiac (Reis)

『Shame on the World/I Only Have Eyes for You』(1975年、1981年) ※2in1CD
Shame on the World / I Only Have Eyes for You

『Ready for Love』(1980年)
READY FOR LOVE
posted by ez at 03:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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