発表年:1975年
ez的ジャンル:永遠の悪童系N.Y.サルサ
気分は... :みんなSeu Jorgeわかったのかな?
ロンドン五輪の閉会式はUK音楽好きにはなかなか興味深いイベントでしたね。
大トリがThe Whoというのは個人的には嬉しかったですが、選手というよりもその親の世代のアーティストなのでどうなんですかね。参加した選手たちはピンと来たのでしょうか?もう少し下の世代の大物で閉めてもよかった気が?でもそうなると人選がビミョーなのかもしれませんが・・・
また、2016リオ五輪に因んでMarisa MonteやSeu Jorgeといったブラジル人アーティストもステージに登場しましたが、実況のNHKアナもSeu Jorgeはフォローできていませんでしたね(笑)
今回はN.Y.サルサを代表するスーパースター、トロンボーン奏者Willie Colonが1975年でリリースした『The Good, The Bad, And The Ugly』です。
これまで当ブログで紹介したWillie Colon作品は以下の5枚。
『El Malo』(1967年)
『Cosa Nuestra』(1969年)
『Lo Mato』(1973年)
『Siembra』(1978年)
『Top Secrets』(1989年)
某マカロニ・ウエスタン映画そのまんまのタイトルおよび西部劇映画風のジャケは悪童(El Malo)Willie Colonらしいですね。
本作は長年のパートナーHector Lavoeに加え、Yomo Toro、Ruben Bladesという3人のシンガーを迎えています。また、自らもトロンボーンのみならずリードシンガーを務めている曲もあります。
盟友Hector Lavoeがドラッグに溺れ、コンビを解消せざるをえなくなっていたColonにとっては色々な意味で過渡期の作品といえるかもしれません。
本作で初めてColonと組むことになったRuben Bladesは、これをきっかけにColonとのコラボ作品を続々とリリースし、サルサ界のスターの地位を築いていきます。
ブラジル音楽好きにはお馴染みのBaden Powell作品「Vou Deitar e Rolar」のカヴァー「Cua Cua Ra Cua Cua」や、ラテン・ファンク色の強い「MC2 (Theme Realidades)」、「I Feel Campesino (Theme Realidades)」などサウンド面でも試行錯誤の跡が窺えます。
勿論、Colonらしい哀愁のN.Y.サルサもバッチリ収録されています。
その意味でサルサでアルバム1枚はどうも・・・という人でも楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Toma」
Juan Bautista作。哀愁モードのサルサ・チューンでアルバムは幕を開けます。
http://www.youtube.com/watch?v=jIQ80tig7hc
「Potpourri III」
T. Curet Alonso/J.M. Jimenez/J.Ramirez/Bobby Capo/Rafael Hernandez作。「De La Verdegue」「Santa Maria」「Carolina」「De La Montana Venimos」「Mama Borinquen Me Llama」というプエルトリコ歌謡のメドレーです。
http://www.youtube.com/watch?v=UFGJPKuZiAw
「Cua Cua Ra Cua Cua」
Baden Powell/Paulo Cesar Pinheiro作。当ブログでも紹介したElis Reginaヴァージョンでお馴染みのBaden Powell作品「Vou Deitar e Rolar」のカヴァー。Elis Reginaヴァージョンが大好きな僕としては、N.Y.ラテン風味の本ヴァージョンも当然お気に入り!Elisヴァージョンも含めてこの曲を聴くと生きる喜びが湧きあがります♪クァクァラクァクァ〜♪クァクァラクァクァ〜♪
http://www.youtube.com/watch?v=jzzTLTPLd6Y
Elis Regina「Vou Deitar e Rolar(Quaquaraquaqua)」
From 『Em Pleno Verao』(1970年)
http://www.youtube.com/watch?v=ODZLuYS2HmI
「Dona Tona」
Willie Colon作。リラックスした雰囲気と味わい深いギターの音色がいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=U8eQj2TxMsQ
「MC2 (Theme Realidades)」
Willie Colon作。レア・グルーヴ好きの人も気に入るであろうダンサブルなラテン・ファンク・チューン。Maloあたりと一緒に聴きたくなるような雰囲気ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=AMRhGWjmtjM
「El Cazangero」
Ruben Blades作。Willie Colon & Ruben Bladesの名コンビの初コラボ曲。Rubenらしい味のあるヴォーカルと哀愁モードの疾走感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=oiu8G3qs5ng
「Guaracha」
Willie Colon作。哀愁サルサ好きにはたまらない1曲。途中何回かギア・チェンジでリズムに緩急をつけていくのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=_BlHdywpRFM
「I Feel Campesino (Theme Realidades)」
Willie Colon作。最初ははメロウな展開ですが、中盤で不穏な空気が流れ、終盤はへヴィなラテン・ファンクへなだれ込みます。
http://www.youtube.com/watch?v=06tigEr9bv8
「Que Bien Te Ves」
Willie Colon作。ラストはN.Y.サルサらしく哀愁モードで疾走します。
http://www.youtube.com/watch?v=2d67VwlhOb0
Willie Colonの過去記事もご参照下さい。
『El Malo』(1967年)
『Cosa Nuestra』(1969年)
『Lo Mato』(1973年)
『Siembra』(1978年)
『Top Secrets』(1989年)