2012年08月15日

Steve Parks『Movin' In The Right Direction』

ベイエリア産ソウル!レア・グルーヴ好きにはたまらないサマー・アンセム☆Steve Parks『Movin' In The Right Direction』
ムーヴィン・イン・ザ・ライト・ディレクション
発表年:1981年
ez的ジャンル:ベイエリア産クロスオーヴァー・ソウル
気分は... :夏に聴くべきソウル作品はコレ!

世間はお盆モードですが、フツーに仕事です(泣)
そんな感じなので、お盆というよりもロンドン五輪が閉会し、ようやく平常モードに戻った感覚の方が強いです。

今日はレア・グルーヴ好きには要チェックだった1枚、Steve Parks『Movin' In The Right Direction』(1981年)です。この度めでたく国内盤初CD化が実現し、入手しやすくなりました。

Steve Parksはサンフランシスコを拠点に活動する黒人シンガー・ソングライター。今回紹介する『Movin' In The Right Direction』は、地元のレーベルSolid Smokeから1981年に発表したアルバムです。

本作以前に、フルート奏者Steve Marshallとサイドを分けた「Still Thinking Of You」、本作にも収録されている「Sadness In My Samba/All In A Day」という2枚のシングルを70年代後半にリリースしています。

本作が注目されるきっかけとなったのは当ブログでも紹介したアシッド・ジャズの人気アルバムYoung Disciples『Road to Freedom』(1991年)収録の「Talkin' What I Feel」「Movin' In The Right Direction」がサンプリングソースとして使われたことです。

同曲は、その後Digable Planets「Nickel Bags」Aaliyah「Are You Ready」、Bird feat. Suiken & Dev Large「Realize」等でサンプリングされると同時に、レア・グルーヴ系のコンピ・アルバムにも多数収録され、レア・グルーヴ人気曲となっていきます。

それに伴い同曲を収録したアルバムである本作『Movin' In The Right Direction』の再評価も高まっていきました。

ジャケのイメージ通り、ラテン/ブラジリアン・フレイヴァーの効いたサマー・モードのクロスオーヴァー・ソウル作品です。ソウルフルな味わいのヴォーカルとラテン/ブラジリアン・フレイヴァーなクロスオーヴァー・サウンドを見事に融合しています。

人気のタイトル曲をはじめ、「Sadness In My Samba」など魅惑のサマー・アンセムが揃っています。

プロデュースはSteve ParksとJoe Tatantino。レコーディングは前述のSteve Marshall(fl)や人気曲「It's You」でお馴染みの女性ギタリストJoyce Cooling(g)をはじめ、Karl Young(p)、Kevin Hayes(ds)、Wayne Wallace(tb)等が参加しています。

全10曲。「Under The Boardwalk」「The One Who Really Loves You」の2曲を除き、Steve Parksのオリジナルです。

さらに本作には1990〜91年にかけて自主制作された2nd 『Shimmy And Jive』から1曲を除く9曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

トロピカル・モードのメロウ・ソウルを聴きながら、夏気分を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「All In A Day」
前述のように本作以前にシングル・リリースしていた曲です。ラテン・リズムのスウィート・ソウル。エキゾチックなピアノの響きがのどかな雰囲気を醸し出します。

「Just Ask Me」
ラテン・フレイヴァーのメロウ・グルーヴ。サマー・モードのAORって雰囲気がいいですね。Steve Marshallのフルートが涼しげです。

「Everything's Gonna Be OK 」
ブラジリアン・フレイヴァーのトロピカル・ソウル。中盤はレゲエ調の展開でアクセントをつけています。
http://www.youtube.com/watch?v=bZx0FpuQrS4

「Don't Stop Now」
落ち着いた雰囲気の大人のメロウ・ソウル。ゆっくり寛ぎながら聴きたいサマー・モードの1曲です。

「Sadness In My Samba」
タイトル曲と並ぶ本作のハイライト。Gilles Peterson『Digs America 2』にも収録されていたブラジリアン・フレイヴァーのクロスオーヴァー・ソウルです。小粋なセンスが光るブラジリアン・グルーヴ好きにはグッとくる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=TnsaXwdgmfA

「Under The Boardwalk」
Kenny Young/Arthur Resnick作。「渚のボードウォーク」という邦題でお馴染みのThe Driftersのヒット曲をカヴァー。本作らしい開放的な雰囲気のカヴァーに仕上がっています。

「Movin' In The Right Direction」
タイトル曲は前述のように本作のハイライト。サマー・モード全開のギター・カッティング、微風のようなフルート、スウィートなハイトーン・ヴォーカルをはじめ、全てが見事に噛み合った至極のメロウ・ソウルです。
http://www.youtube.com/watch?v=ABghwTfqCEU

前述のようにイントロのギターは、Young Disciples「Talkin' What I Feel」Digable Planets「Nickel Bags」Aaliyah「Are You Ready」、Black Attack「Holdin' It Down」、Declaime「Roll 'Em Right」、Bird feat. Suiken & Dev Large「Realize」等サンプリング・ソースの定番です。

Bird feat. Suiken & Dev Large「Realize」
http://www.youtube.com/watch?v=nNNwJ7oJycg

「The One Who Really Loves You」
Smokey Robinson作。 Mary Wells、1962年のヒット曲をカヴァー。ソウルフルな味わいとラテン・フレイヴァーを上手く融合させています。

「The Golden Key」
ベイエリアらしいファンキーな味わいのメロウ・グルーヴ。ブラジリアン・フレイヴァーも入り、本作らしいクロスオーヴァー・ソウルに仕上がっています。

「Outro」
アルバムの余韻に浸るラテン・フレイヴァーなアウトロ。

前述のように自主制作された2nd 『Shimmy And Jive』から「Shimmy And Jive」「I Hope Your Dreams Come True」「You Make It Easy For Me」「Wrong Decision」「Island So Far Away」「Should've Been Wishing (Instead Of Dreaming) 」「The Look In Your Eyes」「Wonderful」「Stop! Drop Everything」の9曲が9曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

興味がある方は、本作に参加しているSteve MarshallJoyce Coolingの作品もチェックを!

Steve Marshall『Do What You Will』(1978年)
Do What You Will

Joyce Cooling『Cameo』(1988年)
キャメオ[再発/廉価盤]

Joyce Coolingと言えば、2009年リリースの『Global Cooling』が最近国内盤リリースされましたね。僕もたまたま昨日CDショップで見かけて試聴しました。今でも若々しいJoyce Coolingが写るジャケのイメージそのままに夏モードがフィットする1枚になっています。

Joyce Cooling『Global Cooling』(2009年)
グローバル・クーリング[紙ジャケット仕様]
posted by ez at 05:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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