2012年08月16日

Henri Salvador『Chambre Avec Vue』

80歳のダンディズム!フランス国内で100万枚をセールスしたフレンチ・ボッサ☆Henri Salvador『Chambre Avec Vue』
Chambre Avec Vue
発表年:2001年
ez的ジャンル:枯れ系フレンチ・ボッサ
気分は... :こんなダンディな80歳はいない!

今回はフランスが誇るエンターティナーHenri Salvadorの大ヒット・アルバム『Chambre Avec Vue』(2001年)です。

Henri Salvador(1917-2008年)はカイエンヌ(フランス領ギアナ)出身。タップダンサー、ギタリスト、作曲家、歌手、俳優として活躍したフランスの国民的スターです。

また、彼の作品「Dans Mon Ile」(1957年)はAntonio Carlos Jobimに大きな影響を与え、ボサノヴァ誕生への貢献でも知られます。当ブログでも最近Caetano VelosoDiana Pantonのカヴァーを紹介しました。

今回紹介する『Chambre Avec Vue』(2001年)はフランス国内のみで100万枚のセールスを記録し、ヴィクトワール賞(フランス版グラミー賞)のアルバム・オブ・ジ・イヤーに輝いています。

2007年にはCaetano VelosoGilberto Gil等の豪華ゲストを迎えたアルバム『Reverence』をリリースし健在ぶりを示してくれましたが、翌2008年2月に惜しくもパリで逝去しました。

正直、この偉大なエンターティナーのキャリアの全体像はあまり理解できていません。しかし、何の予備知識がなくても本作『Chambre Avec Vue』の素晴らしさに瞬時に惹き込まれてしまいました。

本作リリース時点で80歳を過ぎていたにも関わらず、衰えを全く感じさせないダンディ&ジェントルなフレンチ・ボッサ作品に仕上がっています。年輪を重ねてきたことがそのまま魅力になっている彼の枯れたヴォーカルは絶品以外の何物でもありません。

楽曲では、本作制作のきっかけを作ったフランス人女性シンガー・ソングライターKeren Annが5曲を提供しているのが目立っています(Benjamin Biolayとの共作含む)。

プロデュースはMarc Di DomenicoFrancoise Hardy(vo)、Toots Thielemans(harmonica)、Dominique Cravic(g)、 Thomas Dutronc(g)、Eric Le Lann(tp)、Daniele Scannapieco(sax)等がレコーディングに参加しています。

フランス盤(全曲フランス語)と国内盤(ポルトガル語ヴァージョン、英語ヴァージョン曲も含む)では、若干内容が異なっているので気を付けてください。

円熟の枯れヴォーカルが優雅な時間を演出してくれます。
世界広しと言えど、こんなにダンディにアーティスト活動を行っていた80歳はいないのでは?

全曲紹介しときやす。

「Jardin D'hiver」
Benjamin Biolay/Keren Ann作。ボッサなオープニングに本作の激シブの枯れた魅力が凝縮されています。80歳を過ぎても、こんなにダンディ&ジェントルな歌声を披露できることに感服します。
http://www.youtube.com/watch?v=tqyJL-5kUWc

Keren Annのオリジナルは彼女のデビュー・アルバム『La Biographie de Luka Philipsen』(2000年)に収録されています。また、当ブログではStacey Kentのカヴァーも紹介済みです。国内盤はポルトガル語ヴァージョン「Jardim」として収録されています。

Stacey Kent「Jardin D'hiver」
 http://www.youtube.com/watch?v=IdGpy-TaZK0

「Chambre Avec Vue」
Benjamin Biolay/Keren Ann作。この枯れ具合がたまりません。都会の喧騒を忘れ、瞑想しながら聴きたい1曲です。さりげないEric Le Lannのトランペット・ソロもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=Y4chu_FPl88

国内盤は英語ヴァージョン「Room With A View」として収録されています。
「Room With A View(Chambre Avec Vue)」
http://www.youtube.com/watch?v=oGPP-NVBXOo

「J'ai Vu」
Henri Salvador/Michel Modo作。「人生という名の旅」という邦題がピッタリなHenri Salvadorの人生の年輪を感じます。エレガントなストリングスと気の利いたDaniele Scannapiecoのサックス・ソロがジャジー・サウンドを盛り上げてくれます。

「Il Fait Dimanche」
Art Mengo/Marc Esteve作。Henri Salvadorのダンディズムを堪能できる小粋なボッサ・チューン。こんな曲を聴きながら、ぼんやりと1日過ごしたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=l0OHlMgQfuM

「La Muraille De Chine」
Gisele Molard/Henri Salvador作。愛する人をしみじみと回想します。80歳を過ぎてこんな情感を表現できるなんてミラクル!の一言です。
http://www.youtube.com/watch?v=-Bfj1inlKGg

「Jazz Mediterranee」
Benjamin Biolay/Keren Ann作。至極のバカンス・チューン。ゆっくりと時間が流れていく感じがたまりませんね。国内盤は英語ヴァージョン「Jazz, Silver Moonlight」として収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=a0JCqiPfcHM

「Un Tour De Manege」
Keren Ann作。Toots Thielemansのハーモニカをフィーチャー。哀愁モードのジャジー・チューン。Thielemansのハーモニカの音色が寂しげな情感を際立たせます。
http://www.youtube.com/watch?v=g0XEHoTtZb8

「Vagabond」
Art Mengo/Marc Esteve作。エレガントなフレンチ・ボッサ・チューン。フレンチの語感にマッチするHenri Salvadorの声質の魅力を再確認できます。

「Je Sais Que Tu Sais」
Paul Mirsaki作。ロマンティックなバラード。こんな素敵なラブソングを歌える80歳はまずいないでしょう!
http://www.youtube.com/watch?v=SsknbUC1Fjo

「Mademoiselle」
Arnaud Garoux/Thomas Dutronc/Henri Salvador作。次曲「Le Fou De La Reine」で共演するFrancoise Hardyの息子Thomas Dutroncがソングライティング&ギターで参加しています。ノスタルジックな味わいの小粋なジャジー・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=S3En2XL5ETU

「Le Fou De La Reine」
Francoise Hardy/Henri Salvador作。Francoise Hardyとのデュエット。酸いも甘いも知る大人の悲しいラブソングといったところです。Eric Le Lannのトランペット・ソロが盛り上げてくれます。

「Faire Des Ronds Dans L'eau」
Benjamin Biolay/Keren Ann作。枯れたギターの音色、枯れたヴォーカル・・・全てがシブすぎます。格好ええなぁ。
http://www.youtube.com/watch?v=Oo1YWi5tVaU

「Aime-moi」
Bernard Michel/Henri Salvador作。僕の一番のお気に入り曲。ラストはロマンティックなラブソングで締め括ってくれます。♪愛しておくれ♪簡単なことだよ♪
http://www.youtube.com/watch?v=peQn54ui1V0

僕の所有CDは異なりますが、盤によってはLisa Ekdahlをフィーチャーした「All I Realy Want Is Love」 を収録しているものもあります。

『Reverence』(2007年)
Reverence
posted by ez at 07:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック