録音年:1969年
ez的ジャンル:名アレンジャー系ラウンジ・ボッサ
気分は... :香川よエゴイストになれ!
昨日のエントリーでプレミアリーグ・デビューとなった香川選手のTV観戦の印象を書きましたが、僕の辛口コメントとは逆にマスコミの報道は好意的なものが多かったですね。
確かに彼のクリエイティブなプレーは今後を期待させるものでしたが、やはり得点という結果を残さなければ、いくらクリエイティブなプレーを続けてもマンU不動のレギュラーになるのは難しいと思います。その意味で、今後数試合はエゴイスト剥き出しの香川が観たいですね。本田の図太さを見習って欲しいですね。
今回の名アレンジャー/ヴァイヴ奏者Gary McFarlandの1969年録音作『Today』です。
Gary McFarlandの紹介は、『Soft Samba』(1964年)、『Does the Sun Really Shine on the Moon』(1968年)に続き3回目です。
1968年に同じヴァイヴ奏者のCal Tjader、ギタリストのGabor Szaboと共にSkye Recordsを設立し、勢力的な活動を推し進めたMcFarlandですが、本作『Today』はそんな彼の充実ぶりが窺える1枚です。
レコーディング・メンバーは、Gary McFarland(vibe、vo)、Hubert Laws(fl)、Curtis Fuller(tb)、George Ricci(cello)、Sam Brown(g)、Ron Carter(b)、Chet Amsterdam(b)、Grady Tate(ds)、Sol Gubin(ds)、Airto Moreira(per)という編成。
全体としてはソフトリーなラウンジ・ボッサ作品といった印象でしょうか。
The Beatlesカヴァーやポップス/ボサノヴァの名曲を名アレンジャーの才で小粋なラウンジ作品に仕上げています。
残暑厳しい中で心を涼しげにしてくるラウンジ・ボッサはなかなか貴重な存在だと思います。
画家/詩人のPeter Smithのデザインによるジャケも秀逸!
全曲紹介しときやす。
「Because」
The Beatlesカヴァー1曲目。 『Abbey Road』に収録されたオリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、やんわりとしたラウンジ感覚で仕上げています。聴いていて何かホッとします。
「My Cherie Amour」
Henry Cosby/Sylvia Moy/Stevie Wonder作。Stevie Wonderのお馴染みの名曲をカヴァー。そう言えば、先月盟友Cal Tjaderによる本曲カヴァーを紹介していましたね。ソフト・ボッサな本カヴァーを本作のハイライトに挙げる方も多いのでは?
「Suzanne」
Leonard Cohen作品のカヴァー。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。スキャットとポエトリーリーディングのようなヴォーカルが切ないボッサ・サウンドとよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=dz7RHEYhqvg
「I Will Wait For You」
Jacques Demy監督、Michel Legrand音楽の名作映画『Les Parapluies de Cherbourg(The Umbrellas of Cherbourg)』のメイン・テーマをカヴァー。涼しげな口笛&男の哀愁漂うハミング&スキャットが名曲の切ないメロディを際立たせます。
「Everybody's Talkin'」
Fred Neil作。Harry Nilssonのヒットでお馴染み「うわさの男」をカヴァー。控えめなMcFarland自身のヴォーカルがソフトリーな味わいでなかなかグッときます。
「Shadow Of Your Smile」
アカデミー賞歌曲賞も受賞した映画『いそしぎ』の主題歌(Paul Francis Webster/Johnny Mandel作品)をカヴァー。当ブログでは10曲以上のカヴァー・ヴァージョンを紹介済みのカヴァー定番曲です。ラウンジ・モードの本カヴァーはあまりにハマりすぎで逆に面白みに欠けるかも?
http://www.youtube.com/watch?v=7rEgBtoGs_c
「Get Back」
The Beatlesカヴァー2曲目。後期Beatlesを代表するヒット曲をフォーキーなラウンジ・チューンに仕上げています。Hubert Lawsのフルートが大きくフィーチャーされ、軽くパーカッシヴな仕上がりはかなり僕好み!
http://www.youtube.com/watch?v=ZbgUBPYC6wU
「Desafinado」
Newton Mendonca/Antonio Carlos Jobim作品。当ブログではNara Leao、Roberto Menescalのヴァージョンを紹介済みです。言うことなしの素晴らしいラウンジ・ボッサに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=wiqvopip6xE
「Shadows Are Falling」
Gary McFarland作。オリジナル1曲目はスパニッシュ・テイストのイントロからラウンジ・ボッサな本編へと展開していきます。聴きやすさの中にも気品が漂います。
「Michelle」
The Beatlesカヴァー3曲目。 『Rubber Soul』収録の名曲を少しミステリアスな雰囲気が漂うカヴァーに仕上げています。
「Sombras De Saudade」
Gary McFarland作。オリジナル2曲目はタイトル通り、サウダージ・モードの美しくも切ないラウンジ・ボッサです。
「Berimbau」
ラストはVinicius de Moraes/Baden Powell作のアフロ・サンバ名曲をカヴァー。当ブログではLennie Dale、Diane Denoir/Eduardo Mateo、Agustin Pereyra Lucena、Sambalanco Trio、Nara Leao、Felicidade A Brasilのカヴァーも紹介済みです。アルバムの中で一番のスケール感のあるダイナミックなカヴァーに仕上がっています。ラウンジ感覚ながらも本曲の持つアフロ・サンバな空気感が伝わってきます。
Gary McFarland作品の過去記事もご参照下さい。
『Soft Samba』(1964年)
『Does the Sun Really Shine on the Moon』(1968年)