発表年:1982年
ez的ジャンル:ドイツ産ブラジリアン・グルーヴ
気分は... :暑さがしんどい・・・
今回は幻のドイツ産ブラジリアン・グルーヴOrfeo『Agua Do Mar』(1982年)です。
これまで入手困難な1枚でしたが、この度国内盤CDで再発され入手しやすくなりました。
Orfeoは、リーダー/ギタリストのDetlev Kraaz、イタリア出身の女性シンガーIsabella Celentanoらによるユニットであり、ジャーマン・ボッサ・レーベルSoftwareから、アルバム『Agua Do Mar』をリリースし、その後忽然とシーンから姿を消した伝説のグループです。
当ブログではDetlev Kraazが、マルチ・プレイヤーFontaine Brunett、女性シンガーのAndrea Cantaと共に結成した"新生Orfeo"的なユニットOrfeo Novoのアルバム『Sambahia Canta』(2009年)を紹介済みです。こちらもクラブ感覚の21世紀ジャーマン・ブラジリアン・グルーヴ作品に仕上がっています。
僕は以前にCD化された輸入盤(あの安っぽいジャケのやつ)で所有していましたが、入手困難な状態が続いていたので当ブログで紹介するのを保留していました。
レコーディング・メンバーはIsabella Celentano(vo、per)、Detlev Kraatz(g、vo)、Oliver Gross(fl、key)、Jurgen Atting(b、vo)、Dietrich Stephan(ds、per、vo)、Thomas Kohler(per etc)という編成。
魅惑のボッサ/ブラジリアン・グルーヴを聴かせてくれますが、一方でジャズという立ち位置を忘れていないところが本作の魅力だと思います。
艶やかなIsabellaのヴォーカル、ボッサ・ギターにエレガントなジャズ・ピアノ、腹に響くウッドベース・・・ブラジリアン・グルーヴ/ボッサとジャズと絶妙の塩梅でバランスしています。
まだまだ残暑厳しいですが、心地好いブラジリアン・グルーヴ・サウンドで乗り切りましょ!
全曲紹介しときやす。
「Vai Brasil」
Isabellaの艶のあるヴォーカル、透明感のあるギター、涼しげなフルート、落ち着いたウッドベースが実に心地好いオーガニックなボッサ・グルーヴ。この1曲のみで本作が"買い"であることがわかります。
「Ricorda d Della Mia Terra」
落ち着いたジャジー・チューン。しっとりとしたIsabellaのヴォーカルとOliver Grossのエレガントなピアノがいい雰囲気です。
「Brasillian Nights」
エレガントなボッサ・ジャズ。KraatzのギターとIsabellaのヴォーカル&スキャットのみでも十分魅力的なボッサ・チューンですが、そこにピアノ・トリオによるジャズ・フィーリングが加わり、さらに芳醇な香りが増します。素晴らしい!
「Agua Do Mar」
タイトル曲はIsabellaの抑えた哀愁ヴォーカルと美しいアコースティック・サウンドにグッとくるボッサ・チューンです。
「Sonho De Niracia」
爽快な華やかさにグッとくるメロウなボッサ・グルーヴ。IsabellaのスキャットとOliver Grossのフルートがミントのように暑さをクールダウンしてくれます。
「Acapulco Gold」
ビリンバウによるイントロが印象的な哀愁チューン。お洒落なブラジリアン・グルーヴのみならず、こういった楽曲も演奏してくれるところに、このユニットのブラジル音楽への思いが伝わってきます。
「Samba De Um Dia」
Isabellaのスキャットと共に駆け巡るダンサブルなブラジリアン・グルーヴ。レア・グルーヴ好きにはたまらない本作のキラー・チューン。言うことなしの出来栄えです!
http://www.youtube.com/watch?v=ygbxadU42D8
「Meu Amigo (Dedicated to Mr.B.B)」
艶めかしいIsabellaのヴォーカルとサンセット・モードのボッサ・サウンドがいい雰囲気を醸し出します。
「Diminidhed Samba」
ダバダバ系スキャットによるブラジリアン・グルーヴ。「Samba De Um Dia」と並びレア・グルーヴ好きは要チェックの1曲ですね。もっと長尺で聴きたい!
「Cantar Feliz」
ラストは爽快に駆け抜けるアコースティックなブラジリアン・メロウ・グルーヴです。これで終わってしまうのが名残惜しい!
ご興味がある方はOrfeo Novo『Sambahia Canta』(2009年)もチェックを!
Orfeo Novo『Sambahia Canta』(2009年)