2012年09月06日

Arthur Verocai『Encore』

Far Outからリリースの3rdは大人のメロウ・サウンドを満喫できます☆Arthur Verocai『Encore』
Encore
発表年:2007年
ez的ジャンル:Far Out系ブラジリアン/ボッサ
気分は... :アンコール!

今回は職人肌のブラジル人アーティストArthur Verocaiの2007年作品『Encore』です。

60年代後半から70年代半ばにソングライター/ギタリスト/アレンジャーとして活躍したリオ・デ・ジャネイロ生まれのアーティストArthur Verocaiの紹介は1stアルバム『Arthur Verocai』(1972年)に続き2回目になります。

70年代半ば以降は音楽シーンの第一線とは距離を置いていたVerocaiが、90年代以降の再評価の流れを受けて2002年に30年ぶりの2ndアルバム『Saudade Demais』をリリースし、さらにその5年後にリリースしたのが本作『Encore』です。

本作はJoe Davisが主宰するUKのレーベルFar Out Recordingsからリリースされたものです。

レコーディングにはJose Roberto Bertrami(key)、Alex Malheiros(b)、Ivan Conti(ds)というAzymuthメンバーやかつての盟友Ivan Linsが参加し、それ以外にRobertinho Silva(ds、per)、Ze Carlos(ts、fl)、Luiz Alves(b)等名うてのミュージシャンがバックを固めます。

オーケストレーションを配した楽曲も多く、Verocaiらしいサウンド・センスを満喫できます。またFar Outからのリリースらしいメロウ・グルーヴもあり、間口の広い1枚に仕上がっています。ジャケの雰囲気でシブめの印象を受けるかもしれませんが、全体としてはかなりポップ&メロウで聴きやすいです。

楽曲は全てArthur Verocaiのオリジナルです(Paulinho TapajosやT. Gasparとの共作やJ. Bach作品のアレンジも含む)。

大人のメロウ・サウンドを満喫しましょう。

全曲を紹介しときやす。

「Tupa Tupi」
アコースティック・サウンドと壮大なオーケストレーションを見事に融合したエレガント&メロウなオープニング。Verocaiのアレンジ・センスの健在ぶりを示してくれます。Marcio Lottのヴォーカルも味わいがあってグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=IKjSLv7jEv4

「Amor Na Contra Mao」
Marcio Lott & Clarisse Grovaのヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・ボッサ。フェンダー・ローズの響きが心地好く、Ze Carlosのフルートが涼しげです。

「Sucuri」
先日惜しくも亡くなったJose Roberto Bertramiのキーボードが印象的な印象的な哀愁フュージョン。

「Abertura」
昔のロマンス映画のオープニングといった趣のロマンティックな仕上がり。Clarisse Grovaのスキャットが雰囲気を盛り上げてくれます。

「Bis」
Azymuthをフィーチャーしたタイトル曲。本作のハイライトは間違いなくコレでしょう。楽曲、アレンジともにエヴァーグリーンな魅力を持ったクラシック級のブラジリアン・メロウ・グルーヴです。Marcio Lott & Clarisse Grovaの男女ヴォーカルもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=kgrBtdhWfqE

「Dona Das Meninas」
Azymuthとの共演2曲目。Marcio Lott & Clarisse Grovaの男女ヴォーカルにグッとくるソウルフルなブラジリアン・メロウといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=Thtxz36kZ3k

「Filhos」
Ivan Linsとの共演。オーケストレーションをバックにVerocaiの素晴らしいギターとIvan Linsのヴォーカルがガッチリ組んだ感動の仕上がりです。

「Tudo De Bom」
明るく開放的なサンバ・フュージョン。時代は全く異なりますが、Quincy Jones「Soul Bossa Nova」と一緒に聴きたくなってしまいます。

「Eu Quero Paz」
Azymuthとの共演3曲目。Ronaldo Barcelosのヴォーカルをフィーチャーしたドラマチックなブラジリアン・フュージョンに仕上がっています。

「Caminho Da Roca」
VerocaiのギターとGabriel Grossiのハーモニカが味わい深いフォーキーなインスト・チューン。

「Preludio」
J. Bach作品をベースにVerocaiがアレンジしたクラシカルな雰囲気の仕上がり。なお、隠しトラックとして「Bis」のインストが収録されています。

「BIS (Eddy Meets Yannah Mix)」
ボーナス・トラックとして「Bis」のリミックスが収録されています。ブロークンビーツな仕上がりはクラブミュージック好きには嬉しい限り!
http://www.youtube.com/watch?v=PBwXeZSnfx8

『Arthur Verocai』(1972年)
ARTHUR VEROCAI

『Saudade Demais』(2002年)
胸いっぱいのサウダージ
posted by ez at 10:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Bisは名曲ですね。これからの季節に合いそうな1枚ですね。
Posted by ドコドン at 2012年09月06日 11:51
☆ドコドンさん

ありがとうございます。
「Bis」は、いつ聴いても心地よい気分にさせてくれる大好きな1曲です。

ブラジル人アーティストって、ベテランになっても実に若々しくセンスが衰えない作品をリリースしてくれますね。ブラジル音楽の魅力の1つですね。
Posted by ez at 2012年09月08日 00:26
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック