2012年09月10日

Claudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』

シスコ産のブラジリアン・ミュージック☆Claudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』
ローテイション
発表年:1975年
ez的ジャンル:シスコ産ブラジリアン・ミュージック
気分は... :結構毒っ気もあります!

今回はポルトガル出身のキーボード奏者Claudio MedeirosMade In BrasilVictor Mのプロデュースにより制作された作品Claudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』(1975年)です。

本作の主役はClaudio MedeirosVictor Mの2人。

Victor M(Victor Meshkovsky )は1939年上海でロシア人として生まれました。1953年に一家でブラジル、サンパウロへ移住し、ブラジル音楽に慣れ親しむようになり、自身もグループを組むようになりました。

その後1959年に米国へ移住し、サンフランシスコで自身の会社を経営する傍ら、ブラジル音楽のプロモーション活動にも関与していました。

その後自身のブラジリアン・ジャズ・バンドMade In Brasilを結成し、『Numero Um』(1975年)、『Nosso Segundo Disco』(1976年)といったアルバムをリリースしています。

Claudio Medeirosはポルトガル生まれ。カナダでジャズと作曲を学び、1973年にカリフォルニアに移住します。ここでVictor Mと出会い、Claudioの才能を見込んだVictor Mのプロデュースの下、本作『Rotation』をレコーディングしました。さらにClaudioはMade In Brasilの『Nosso Segundo Disco』にも参加しています。

ということで、サンフランシスコで出会った二人が創りだしたブラジリアンミュージック作品がClaudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』です。

おそらく本作に興味を持たれた方の多くはVictor Mの名前に惹かれたのではないかと思います。僕もMade In Brasilの『Numero Um』を所有しており、その流れで本作をゲットしました。

基本的にはファンキーなブラジリアン・フュージョン/ジャズ・ファンク作品といった雰囲気ですね。インスト中心ですがバラエティ感があり、意外に毒っ気やユーモラス感もあるので飽きずに1枚聴くことができます。多少好き/嫌いが分かれる部分はあるかもしれませんが・・・

一般的なキラー・チューンは「Soar」ですが、個人的にはメロウなボッサ・グルーヴ「Generous」が超オススメです。

Made In Brasilを気に入った方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Rotation」
タイトル曲はエレガントなピアノの調べからエキサイティングなジャズ・ファンクへとなだれ込みます。ジャズ・ロック的な雰囲気もありますね。うねるベースラインと躍動するドラムにグッときます。途中サンバのリズムでアクセントをつけてくれるのもいいですね。

「Renee」
エレガントで美しいワルツ調の演奏が印象的です。ブラジル音楽好きというよりも、ジャズ好きの方であればClaudioのピアノにグッとくるのでは?

「Soar」
本作のハイライト曲。スペイシーなシンセの音色が印象的なボッサ・フュージョン。小粋なブラジリアン・サウンドにシンセの毒っ気でアクセントをつけています。
http://www.youtube.com/watch?v=mckHzj_4IUQ

「Renee」
2曲目「Renee」のエディット・ヴァージョン。美しい感動を再び。

「Nega」
楽しげでユーモラスな2人スキャット入りジャズ・サンバ・チューン。リラックスしたい時にフィットします。

「Grape Woman」
シンセ・サウンドを前面に打ち出したファンキーなブラジリアン・フュージョン。スペイシーなシンセとブラジリアン・フレイヴァーの組み合わせがなかなかエキサイティングです。

「Tomorrow」
メロウな味わいの中にユーモラスなスパイスの効いた1曲。この一筋縄ではいかない感じに惹かれます。

「Cachaca」
ラテン・ロック調の仕上がり。シスコのチカーノ・ロックの盛り上がりを考えれば、こういった演奏も自然な流れだったのかもしれませんが。

「Generous」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。メロウなエレピとグルーヴィーなオルガンにグッとくる大人のメロウ・ボッサです。この1曲のみで元が取れた気がします。サイコー!

「Green Olives」
ラストはシンセが駆け巡るブラジリアンなジャズ・ファンクで締め括ってくれます。

ご興味がある方はVictor MのグループMade In Brasilのアルバムもセットでどうぞ!『Numero Um』は近々紹介したいと思います。

Made In Brasil By Victor M『Numero Um』(1975年)
ファースト・アルバム

Made In Brasil By Victor M『Nosso Segundo Disco』(1976年)
セカンド・アルバム

Claudio Medeirosの詳しいディスコグラフィをきちんと把握していませんが、以下の作品をリリースしている模様です。

『Millennium』
Millennium

『Hope-Esperanca』
Hope-Esperanca

『Palm Springs』
Palm Springs

『Jazz Do It』
Jazz Do It
posted by ez at 00:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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