発表年:2007年
ez的ジャンル:N.Y.オルタナ・ハイブリッド・サウンド
気分は... :ブラジル人は一人もいませんが...
今回は何ともユニークなサウンドに惹かれるN.Y.の異色ユニットBrazilian Girlsの2ndアルバム『Talk To La Bomb』(2006年)です。
Brazilian Girlsは、2003年にN.Y.で結成されたハイブリッド・ユニット。結成時のメンバーは
Sabina Sciubba(vo)、Didi Gutman(key)、Jesse Murphy(b)、Aaron Johnston(ds)の4名。グループ名に反して、ブラジル出身のメンバーは一人もいません。しかも、女性メンバーは1名のみ(笑)
4ヶ国語を自在に操る紅一点のヴォーカルSabina Sciubbaを中心に、ロック、エレクトロニカ、ハウス、フレンチ・ポップ、レゲエ、タンゴ、アンビエント、ラウンジ等を採り入れたハイブリッドなダンス・ミュージックで一部ファンの高い評価を得ていた異色ユニットです。
『Brazilian Girls』(2005年)、『Talk To La Bomb』(2006年)、『New York City』(2008年)といった3枚のアルバムをリリースした後、2010年に活動を休止しますが、今年に入りリユニオンしてライブを行った模様です。
僕がBrazilian Girlsに興味を持つきっかけとなったのが、当ブログで紹介したBebel Gilberto『Momento』(2007年)です。
Bebel Gilberto『Momento』(2007年)
コスモポリタンBebelによるハイブリッドなブラジリアン・ミュージック作品であった『Momento』において、Brazilian Girlsはゲスト参加するのみならず、プロデューサーとしても大きく貢献していました。
僕が『Momento』で一番お気に入りであった曲も、Brazilian Girls参加の「Bring Back The Love」でした。
Bebel Gilberto「Bring Back The Love」
http://www.youtube.com/watch?v=CNo9UrbFJX4
さて、2ndとなる本作『Talk To La Bomb』(2006年)ですが、Brazilian GirlsらしいN.Y.ハイブリッド・サウンドを満喫できます。時空を自由の駆け巡るハイブリッド・サウンドはユニークとしか形容できません。
最初、何処となく70〜80年代N.Y.パンク&ニューウェイヴな雰囲気もあるなぁ〜なんて思いながら聴いていたら、何とThe CarsのRic Ocasekプロデュース曲が1曲収録されています。
何でもアリのN.Y.らしい無国籍なハイブリッド・ミュージックはわけの分からん面白さに充ちています。
あえてチープなピコピコ系サウンドを逆手にとった感じが僕好みなのかもしれません。おバカに弾けたい気分にぴったりかも?
全曲紹介しときやす。
「Jique」
オープニングはオルタナ・ロッキン&ノイジーな仕上がり。適度にダンサブルでもあるので、ロック離れの激しい僕にはいい塩梅のサウンドです。
http://www.youtube.com/watch?v=U3i_AuNqTfU
「All About Us」
ノスタルジック・サウンドとハウス・サウンドが融合したハイブリッド感が面白い1曲。ありそうでないダンス・ミュージックなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=opZ2W8lQZ2w
「Last Call」
Ric Ocasekプロデュース曲。70〜80年代N.Y.ニューウェイヴと21世紀オルタナ・サウンドの融合といった趣です。
http://www.youtube.com/watch?v=9SvxxurYe2E
「Never Met A German」
エクスペリメンタルかつポップな雰囲気はStereolabあたりを彷彿させます。
「Sweatshop」
この曲もStereolabと一緒に聴きたくなるエレクトロニカ・フレンチ・ポップといった仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=By_q6ZMgdFI
「Le Territoire」
Brazilian Girlsらしいハイブリッド感を満喫できるダンス・チューン。チープで妖しげなダンス・サウンドがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=TFU2UE9dczQ
「Rules Of The Game」
ヨーロピアンな空気が支配する哀愁エレクトロニカ。秋にぴったりの哀愁メロディとエレクトロニカ・サウンドがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=jDhCQWFbL3M
「Talk To The Bomb」
タイトル曲はアートなハイブリッド感にグッときます。聴いているうちに、何故だかTom Tom Clubが懐かしく思えてきました。
「Nicotine」
このレイジーなアンビエント感がいいですね。グ〜タラ気分でいたい時にジャスト・フィットな1曲かも?
http://www.youtube.com/watch?v=zXA2ZLoVmjw
「Tourist Trap」
ノスタルジック&ドリーミーなクロスオーヴァー・サウンドが実にユニークな1曲。知らぬ間にユニークなダンサブル・サウンドの術中にハマっています。
「Sexy A**hole」
お下劣なタイトルですが、アンビエント&ラウンジーなハイブリッド・チューン。N.Y.の妖しげな夜に誘うかのようなダンサブル・サウンドです。
「Problem」
ラストは、70〜80年代N.Y.パンク&ニューウェイヴを21世紀ハイブリッド・モデルにリメイクしたような雰囲気です。ディテールよりも勢い重視って感じが好感持てます。
ご興味のある方は1st『Brazilian Girls』(2005年)、3rd『New York City』(2008年)もチェックを!
『Brazilian Girls』(2005年)
『New York City』(2008年)