発表年:1971年
ez的ジャンル:ブラジル最高のメロディ・メーカー
気分は... :がむしゃら!
今回はブラジルを代表するシンガー・ソングライターMarcos Valleの『Garra』(1971年)です。
当ブログでこれまで紹介したMarcos Valle作品は以下の7枚。
『Samba '68』(1968年)
『Marcos Valle(1970)』(1970年)
『Vento Sul』(1972年)
『Previsao Do Tempo』(1973年)
『Vontade De Rever Voce』(1981年)
『Pagina Central』(2009年) ※Celso Fonsecaとの共演作
『Esphera』(2010年)
『Viola Enluarada』(1968年)、『Mustang Cor de Sangue』(1969年)、『Marcos Valle(1970)』(1970年)、『Garra』(1971年)、『Vento Sul』(1972年)、『Previsao Do Tempo』(1973年)、『Marcos Valle』(1974年)といった60年代後半から70年代前半のMarcos Valleはキャリアの中でも最も創造力に充ち溢れていた感じですね。
本作『Garra』(1971年)もそんなMarcosの絶好調ぶりが窺える1枚に仕上がっています。
Marcosの再評価のきっかけを作った「Wanda Vidal」をはじめ、「Com Mais De 30」、「Garra」、「Black Is Beautiful」、「Ao Amigo Tom」、「Paz E Futebol」、「Que Bandeira」といったMarcosらしいポップ・ワールドを満喫できる名曲がズラリと並びます。
Osmar Militoが共作で加わった「Ao Amigo Tom」、Mariozinho Rochaが共作で加わった「Que Bandeira」以外はすべてPaulo Sergio Valle/Marcos Valle作です。
Marcos Valleの魅力が凝縮されたファン必聴の1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Jesus Meu Rei」
チェンバロによるバロック調のイントロが印象的なオープニング。「我が王ジーザス」という邦題が表すように、教会音楽の影響が反映されています。
http://www.youtube.com/watch?v=ygCeekpVZeE
「Com Mais De 30」
"30"をテーマにした言葉遊びのような軽快な1曲。『Jesus Cristo』(1971年)に収録されたClaudiaのヴァージョンも人気なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=GImaUqwdyqQ
Claudia「Com Mais De 30」
http://www.youtube.com/watch?v=GlfPEaCmuyA
「Garra」
"Samba, Pop, Bossa, Jazz"なタイトル曲はMarcosの本領発揮。Marcosらしいミステリアスなポップ・ワールドが展開されます。この曲もClaudiaが『Voce, Claudia, Voce』(1971年)でカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=L1iQEZsDOwU
「Black Is Beautiful」
ソウルフルな黒人賛歌です。オリジナルは男女デュエットのかたちで聴かせてくれます。この曲といえば、Elis Reginaヴァージョンでもお馴染みですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Dhhr9fUtnfk
Marcosもお気に入りのElis Reginaヴァージョンは当ブログでも紹介した『Ela』(1971年)に収録されています。
Elis Regina「Black Is Beautiful」
http://www.youtube.com/watch?v=BzrGDTUQ_KE
「Ao Amigo Tom」
タイトルから想像できるように、。Tom Jobim(Antonio Carlos Jobim)のことを歌ったものです。サウダージ・モードのボッサ・チューンに仕上がっています。Claudette Soaresもカヴァーしていましたね。個人的にはRosalia De Souzaのカヴァーをよく聴きました。
http://www.youtube.com/watch?v=s6XmGoSjk14
Claudette Soares「Ao Amigo Tom」
http://www.youtube.com/watch?v=ei7MO09LSw0
「Paz E Futebol」
今日でも人気の高い1曲なのでは?軽快なリズムとホーン&ストリングスのアレンジで盛り上がる躍動感に溢れた仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=w66Y7IW2o-s
「Que Bandeira」
ブラジル最高のメロディ・メーカーMarcosらしいポップ・チューン。ブラジルならではのポップ感がたまりません。当ブログではOsmar Militoのカヴァーも紹介済みです。個人的にはMarcos本人も参加したRosalia De Souzaヴァージョンも大好きです。
Rosalia de Souza & Marcos Valle「Que Bandeira」
http://www.youtube.com/watch?v=D3s8EfBCq4Y
「Wanda Vidal」
今日的にはこの曲がアルバムのハイライトでしょうね。90年代のクラブ・シーンで再評価が高まった1曲です。イントロのギター・カッティングを聴くだけでワクワクします。
http://www.youtube.com/watch?v=-bN3vp8H6yI
O Som Livreのヴァージョンもグッド!
O Som Livre「Wanda Vidal」
http://www.youtube.com/watch?v=Vm9113gkmtg
「Minha Voz Vira Do Sol Da America」
哀愁モードのエレガント感が漂うインスト曲。
http://www.youtube.com/watch?v=ZaTdBDZoaYY
「Vinte E Seis Anos De Vida Normal」
ドラマチックな展開が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=Ksb5PINJ5bU
「O Cafona」
元々はTVドラマのテーマ曲としてAngela Valle & Paulo Sergio Valleが歌ったもの。両者を聴き比べるのも楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=x0NFAQeoesQ
Angela Valle & Paulo Sergio Valle「O Cafona」
http://www.youtube.com/watch?v=_Qz8uRlOXBE
僕の保有するCDにはボーナス・トラックとして「Berenice」が収録されています。
最近は『Marcos Valle(1970)』との2in1CDもリリースされています。
『Marcos Valle(1970)/Garra』(1970年、1971年)
Marcos Valleの過去記事もご参照下さい。
『Samba '68』(1968年)
『Marcos Valle(1970)』(1970年)
『Vento Sul』(1972年)
『Previsao Do Tempo』(1973年)
『Vontade De Rever Voce』(1981年)
『Pagina Central』(2009年)
『Esphera』(2010年)