発表年:2008年
ez的ジャンル:アングラ・ジャジーHip-Hop
気分は... :グッド・ヴァイヴ!
今回はアングラ・ジャジーHip-Hop好きには人気のユニットCrown City RockersのMCであるRaashan Ahmadのソロ・アルバム『The Push』(2008年)です。
Raashan Ahmad(MC)、Kat Ouano(Kat 010)(key)、Headnodic(b)、Max MacVeety(ds)、Woodstock(beats)による
カリフォルニア州オークランドを拠点とするHip-HopバンドCrown City Rockers(以下CCR)については、当ブログでこれまで『Earthtones』(2004年)、『The Day After Forever』(2009年)といったアルバムを紹介済みです。
そのCCRのフロンロマンRaashan Ahmadの1stソロ・アルバムが『The Push』(2008年)です。
アルバムにはCCRのメンバーをはじめ、Kero One、Jazz Liberatorz、Presto、Stro the 89th Key(The Procussions)等ジャジーHip-Hop好きにはグッとくるプロデューサー陣が多数参加しています。
全体としては、アングラ・ジャジーHip-Hop好きには間違いないグッド・ヴァイヴに溢れたジャジー&メロウなトラックが満載です。多様なプロデューサーとの顔合わせでアルバム全体のバリエーションもあり、CCR作品以上にHip-HopアーティストRaashan Ahmadの姿が浮かび上がってくる作品に仕上がっていると思います。
Raashan Ahmadは本作を皮切りに、『Soul Power』(2009年)、『For What You've Lost』(2010年)といったソロ作をリリースしています。
今回取り上げるのは国内盤ですが、輸入盤はジャケおよび曲構成・曲順も異なりますのでご注意を!
Raashan Ahmad『The Push』 ※輸入盤
アングラ・ジャジーHip-Hop好きの方はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Hello」
Raashan Ahmadプロデュース。畳み掛けるようなRaashan Ahmadのフロウでアルバムは幕を開けます。
「If I」
Descryプロデュース。Jon Lucien「Would You Believe in Me」のサンプリング。フリーソウル・ライクなHip-Hopチューンは実にキャッチーであり、あまりHip-Hopを聴かない人でも楽しめるメロウ・チューンだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=wKAQbbM4eBI
「The Crush」
Headnodicプロデュース。CCRの盟友Headnodicがアングラ・ジャジーHip-Hopらしい躍動感に溢れたグッド・トラックを提供してくれています。そんなグッド・トラックにのってRaashan Ahmadのフロウも快調です。
http://www.youtube.com/watch?v=h9TZAxwabco
「Close」
Crown City Rockersプロデュース。本作の翌年にリリースされたCCRの『The Day After Forever』(2009年)にはエレクトロ路線の新機軸を示した楽曲が収録されていましたが、本曲もそれを予感させるような仕上がりになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=eMA4MiqPFXs
「Give Thanks」
D Sharpプロデュース。アコースティックな哀愁トラックが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=LqxQaWUQo00
「Get Funky」
Woodstockプロデュース。CCRの盟友Woodstockがメロウに疾走するトラックを提供。Raashan Ahmadのフロウも実にリズミカルです。
「Heavenbound」
Kat Ouanoプロデュース。CCRの盟友Kat Ouanoがキーボード奏者らしいセンスでメロウ&エレクトロなトラックを提供しています。改めて、CCRのメンバーたちの豊かな才能に感心してしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=RNldn7Z1KVs
「Shining」
D.J. Tonkプロデュース。Raashan Ahmadのフロウも含めてトラック全体からグッド・ヴァイヴが伝わってくるジャジーHip-Hop好きにはグッとくる1曲。Leroy Hutson「Cool Out」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=eXXw4hUpq7A
「The Pressure」
Prestoプロデュース。アングラ・ジャジーHip-Hop好きには人気のPrestoがEumir Deodato「San Juan Sunset」をサンプリングしたメロウ・トラックを提供。浮遊するエレピとサックスのループが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=dTPDyYp6W4Y
「Fight」
D.J. Platurnプロデュース。80年代後半あたりのHip-Hopを聴いているような攻撃的トラックでガンガンきます。
http://www.youtube.com/watch?v=UYQS70v0zaI
「Here We Go」
Kero Oneプロデュース。アルバムの中でも最もジャジーな仕上がり。Kero Oneの作品でいえば、1stアルバム『Windmills of the Soul』(2005年)の雰囲気に近いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=A5dToAHdaaI
「Ready」
Woodstockプロデュース。ラガなエッセンスも取り入れた独特の雰囲気があります。
「Yusef」
Noel Zancanellaプロデュース。メロウ&エレクトロ感が強調されたトラックが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=6xGtWu3hDVI
「Cancer」
Raashan Ahmadプロデュース。Jocelyn Brown「Somebody Else's Guy」の声ネタを使った哀愁トラックをバックに、Raashan Ahmadの訴えかけるようなフロウを叩きつけます。
http://www.youtube.com/watch?v=-Mh9WCVYIdc
「Cool Down」
フランスの人気Hip-HopユニットJazz Liberatorzプロデュース。本曲は当ブログでも紹介したJazz Liberatorzのアルバム『Clin d'oeil』(2008年)にも収録されていました。Marvin Gaye「Trouble Man」をサンプリングした、まさにクールダウン・モードのジャジー&メロウ・トラックが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=TtboE30QoPU
「Peace」
The ProcussionsのStro the 89th Keyプロデュース。ラストはジャジーHip-Hopらしいシンプルなトラックをバックに、Raashan Ahmadらしいフロウを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=AHxNThhnB2Q
Raashan Ahmadの他作品やCrown City Rockersのアルバムもチェックを!
『Soul Power』(2009年)
『For What You've Lost』(2010年)
Crown City Rockers『Earthtones』(2004年)
Crown City Rockers『The Day After Forever』(2009年)