2012年10月26日

Marisa Monte『Barulhinho Bom(A Great Noise)』

スタジオ録音とライブ、MPBの歌姫の魅力がテンコ盛り☆Marisa Monte『Barulhinho Bom(A Great Noise)』
Great Noise
発表年:1996年
ez的ジャンル:MPBの歌姫
気分は... :エロいジャケでどん引きしないで!

今回はMPBの歌姫Marisa Monte『Barulhinho Bom(A Great Noise)』(1996年)です。

これまで当ブログで紹介したMarisa Monte作品は以下の5枚。

 『Marisa Monte(MM)』(1989年)
 『Mais』(1991年)
 『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao』(1994年)
 『Universo Ao Meu Redor』(2006年)
 『O Que Voce Quer Saber De Verdade』(2011年)

また、Carlinhos BrownArnaldo Antunesによるスーパー・トリオTribalistasのアルバム『Tribalistas』(2002年)も紹介済みです。

本作『Barulhinho Bom』はライヴ11曲+スタジオ録音7曲という変則2枚組CDとして本国ブラジルで発売された作品です。また、『A Great Noise』の英題で1枚組CDもリリースされています。僕が所有するのは『A Great Noise』の方です。

Marisa MonteArto Lindsayが共同プロデュース。また、スタジオ録音の数曲はCarlinhos Brownが共同プロデュースしています。

全体としては、デビュー作『Marisa Monte(MM)』、2nd『Mais』(1991年)、3rd『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao』(1994年)とMPBの歌姫として階段を着実にステップアップしてきたMarisa第1幕の集大成といった印象を受けます。

ライブの方はCesinha(ds)、Dadi(b)、Davi Moraes(g)、Fernando Caneca(g)、Marco Lobo(per)、Monica Millet(per)、Lanlan(per)、Waldonys Menezes(accordion)といったメンバーをバックに従え、『Mais』『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao』からの楽曲を中心とした自信に満ちたMarisaのパフォーマンスを堪能できます。

スタジオ録音の方は、Arto Lindsay、Carlinhos Brownのセンスを上手く織り交ぜた先進サウンドで楽しませてくれます。特に天才ミュージシャンCarlinhos BrownとのコラボはTribalistasを予感させます。レコーディングにはライブのメンバーに加え、Melvin Gibbs(b)、Bernie Worrell(key)、Andres Levin(sampling)等も参加しています。

Marisa Monteの魅力がテンコ盛りの濃厚な全18曲です。
躊躇してしまう人がいるかもしれませんが、内容は折紙付です!

全曲紹介しときやす。※『A Great Noise』の曲順

「Arrepio」
Carlinhos Brown作。Carlinhos BrownとMarisa Monteのコラボ。Carlinhos Brownの個性がMarisaと上手く調和しています。

「Magamalabares」
Carlinhos Brown作。Carlinhos Brownらしいパーカッシヴ感を活かしつつ、エレガントなオーケストレーションも配した爽快チューンに仕上がっています。隠し味でアヴァンギャルド感も効かせているのがいいですね。Melvin Gibbsもレコーディングに参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=cdyycNt9jjI

「Chuva no Brejo」
Moraes Moreira作。ライブのメンバーに加え、Arto Lindsay作品でお馴染みAndres Levinも参加しています。爽快な華やかさのあるMPBチューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=dfKP9NjmiwE

「Cerebro Eletronico」
Gilberto Gil作。オリジナルは『Gilberto Gil』(1969年)に収録されています。Arto Lindsay(g)やBernie Worrell(key)も参加し、Arto Lindsayのセンスによるアヴァンギャルドな仕上がりがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=Cpps1b3TQK4

「Tempos Modernos」
Lulu Santos作。Lulu Santosのオリジナルは『Tempos Modernos』(1982年)に収録されています。オリジナルとは雰囲気の異なる妖艶な格好良さのあるバンド・サウンドを聴かせてくれます。Arto LindsayとMarisaのコンビの成熟度を感じさせます。
http://www.youtube.com/watch?v=_M2T9ktg3os

「Maraca」
Carlinhos Brown作。この曲でもCarlinhos Brownらしい独特のリズムで楽しませてくれます。Bernie Worrellのハモンド・オルガンもグッド!

「Blanco」
Haroldo Campos/Octavio Paz作。スタジオ録音の余韻を味わうかのようなアウトロ的な仕上がり。

ここまでがスタジオ録音。

「Panis Et Circenses」
ここからライブ。Gilberto Gil/Caetano Veloso作。名作『Tropicalia: ou Panis Et Circencis』に収録されていたOs Mutantesによるソフト・サイケ・チューンをカヴァー。ソフト・サイケのイメージが強い楽曲ですが、ここでは生き生きとした演奏でMarisa Monteワールドに惹き込んでくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=-Vjci0Hx7l0

「De Noite Na Cama」
Caetano Veloso作。『Mais』収録。Davi Moraes、Fernando Canecaの見事なギター・アンサンブルが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=P1wZI7EJwVQ

「Beija Eu」
Marisa Monte/Arnaldo Antunes/Arto Lindsay作。『Mais』収録。『Mais』からのヒット曲を堂々と歌い上げます。いつ聴いても惹き込まれるMarisa Monteを代表する名曲ですね。この曲にはアコーディオン・サウンドがよく似合います。
http://www.youtube.com/watch?v=40MdALPWnTw

「Give Me Love (Give Me Peace On Earth)」
George Harrison作。Georgeのソロ第3作『Living in the Material World』(1973年)収録の名曲をカヴァー。意外な選曲のような気もしますが、一方でMarisaにぴったりのカヴァーという気もします。バック・バンドと一体化したMarisaの素晴らしいパフォーマンを披露してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=J30BChx_P2Q

「Ainda Lembro」
Marisa Monte//Nando Reis作。『Mais』収録。『Mais』で僕の一番のお気に入りだった曲です。『Mais』ではEd Mottaとデュエットしていました。「Beija Eu」と並び、この曲もいつ聴いてもグッときますね。

「A Menina Danca」
Luiz Galvao/Moraes Moreira作。トロピカリア・バイアーノ第二世代バンドOs Novos Baianosのカヴァー。オリジナルはアルバム『Acabou Chorare』(1972年)に収録されています。このオリジナルのレコーディングには本作でバックを務めるDadiも参加しています。ライブで取り上げられたはその影響があるのかもしれませんね。躍動するバンド・サウンドをバックにMarisaもヴォーカルも絶好調です!

「Danca Da Solidao」
Paulinho da Viola作。『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao』収録。Paulinho da Violaのオリジナルは『A Danca da Solidao』(1972年)に収録されています。Marisaの哀愁モードの妖艶ヴォーカルがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=e-fNh-92Lw8

「Danca Da Solidao」
Paulinho da Viola作品のカヴァー。Paulinho da Violaのオリジナルは『A Danca da Solidao』(1972年)に収録されています。ブラジル音楽好きならば相当グッとくる絶品カヴァーに仕上がっています。Gilberto Gilがアコースティック・ギター&コーラス、Celso Fonsecaがエレクトリック・ギターで参加しています。バス・クラリネットのNed Rothenberg、パーカッションのMarcos Suzano等も含めた素晴らしい演奏と気だるく艶やかなMarisaのヴォーカルが一体化したパーフェクトな仕上がりです。

「Ao Meu Redor」
Nando Reis作。『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao』収録。Waldonys Menezesのアコーディオンが大活躍するモダンなセンスに溢れたパフォーマンスを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=dHd2QiwjesU

「Bem Leve」
Marisa Monte/Arnaldo Antunes作。『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao』収録。哀愁モードの楽曲を少しレイジーな歌声で聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=_cqyoAS3p4U

「Segue o Seco」
Carlinhos Brown作。『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao』収録。ビリンバウをはじめとする民族色を強く押し出した演奏を楽しめます。

「O Xote das Meninas」
人気アコーディオン奏者、作曲家、歌手であったLuiz Gonzagaのカヴァー。『Marisa Monte(MM)』収録。『Marisa Monte(MM)』ではレゲエ調の演奏をしていましたが、ここではよりリズミックなサウンドで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=dDb19k8Wc2A

Marisa Monte関連作品の過去記事もご参照下さい。

『Marisa Monte(MM)』(1989年)
マリーザ・モンチ

『Mais』(1991年)
Mais

『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(Rose and Charcoal)』(1994年)
ローズ・アンド・チャコール

Tribalistas『Tribalistas』(2002年)
Tribalistas

『Universo Ao Meu Redor』(2006年)
Universo ao Meu Redor

『O Que Voce Quer Saber De Verdade』(2011年)
あなたが本当に知りたいこと
posted by ez at 01:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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