2012年10月28日

Robin McKelle & The Flytones『Soul Flower』

実力派女性ジャズ・シンガーがソウル/R&Bバンドを従えたソウル・アルバム☆Robin McKelle『Soul Flower』
ソウル・フラワー
発表年:2012年
ez的ジャンル:女性ジャズ・シンガー系ソウル/R&B
気分は... :今聴きたいソウルはジャズ・コーナーにある!

今回は実力派女性ジャズ・シンガーRobin McKelleの最新作『Soul Flower』です。ソウル好きが聴くべき新作ジャズ・アルバムです。

Robin McKelleは1976年N.Y.生まれの女性ジャズ・シンガー。

2004年のモンク・ヴォーカル・ジャズ・コンペで3位入賞したことで注目を集め、1stアルバム『Introducing Robin McKelle』(2006年)でデビューしたのを皮切りに、2nd『Modern Antique』(2008年)、3rd『Mess Around』(2010年)といったアルバムをリリースしています。

前作『Mess Around』(2010年)でソウルへのアプローチを強めたRobinですが、4thとなる最新作『Soul Flower』ではソウル/R&BバンドThe Flytonesを従え、ソウルへのアプローチを強めています。内容的にはジャズ・アルバムよりもソウル・アルバムの呼称が相応しいと思います。

Robin自身がプロデュースを務め、Robin McKelle(vo)、 Ben Stivers(key)、 Derek Nievergelt(el-b)、 Adrian Harpham(ds、per)、 Al Street(g)、 Scott Aruda(tp)、 Mike Tucker(ts)、 Clayton DeWalt(tb)といったメンバーがレコーディングに参加しています。

さらにベテラン男性ソウル・シンガーLee Fieldsや今最も旬な男性ジャズ・シンガーGregory Porterがゲスト参加しています。

Gregory Porterは先週紹介した新作アルバムThe Rongetz Foundation『Brooklyn Butterfly Session』にもゲスト参加していました。このあたりからもGregory Porterへの注目度の高さがおわかりいただけると思います。

さて、『Soul Flower』に話を戻すと、パワフル&ソウルフルでありながらジャズ・シンガーならではのテクニカルな部分も併せ持つRobin McKelleのスケールの大きな魅力が全開のソウル・アルバムに仕上がっています。全体としては60年代モータウン&アトランティック・テイストのソウル・サウンドを2012年のセンスでまとめた趣です。

ジャケからして60年代モードですよね。

きっとRobin McKelleはNina SimoneやAretha Franklinが大好きなんだろうなぁ、と感じさせてくれるアルバムです。

Robin McKelleGregory Porterといった最近ソウルを感じさせくれるシンガーは、CDショップのソウル/R&Bコーナーではなくジャズ・コーナーに置いてあります。Gregory Porterはサウンドはジャズですが、温かみのあるヴォーカルはソウルを感じます。

ソウル好きはソウル/R&Bコーナーに止まらず、ジャズ・コーナーまで足を伸ばすべきかもしれませんね。

全曲紹介しときやす。

「So It Goes」
ソウルフルなオルガンとメロウなエレピが交錯するソウル・バラード。少し抑えたRobinのソウルフル・ヴォーカルは貫録十分です。

「Tell You One Thing」
Martha & The Vandellasあたりが聴きたくなる60年代モータウン風のキャッチーな仕上がり。

「Nothing's Really Changed」
前曲がモータウン風ならば本曲はアトランティック風です。Aretha Franklinを意識したかのようなRobinのヴォーカルがいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=-0aRpupmPdc ※ライブ音源

「Fairytale Ending」
僕の一番のお気に入り。ポップなメロディにときめくソウル・グルーヴ。本作でBacharach作品をカヴァーしていますが、Bacharach作品のソウル・カヴァーといった趣があります。クラブジャズやソウルフルなクロスオーヴァー・チューンとセットで聴くのもグッド!一度聴くと最低3回はリピートしたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=bsbWuksIceI ※ライブ音源

「Miss You Madly」
これも大好き!この曲にもBacharach作品のソウル・カヴァー的な雰囲気があります。メロウ&ソウルフルなエレピの音色とRobinのヴォーカルがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=1gQEMjeuRng

「Don't Give Up」
ジャズ出身らしい小粋なセンスに溢れたソウル・チューン。どこかのどかな雰囲気が漂うのがいいです。

「Walk On By」
Hal David/Burt Bacharach作の名曲カヴァー(リジナルはDionne Warwick)。ここではモータウン風のリズムによる軽快なカヴァーに仕上げています。

本曲について、当ブログではa href="http://eastzono.seesaa.net/article/123308752.html">Cal Tjader、Average White BandGloria GaynorThe Four King CousinsThe CarnivalPucho & The Latin Soul BrothersGimmicksChristopher Scottのカヴァーも紹介済みです。ご興味のある方はそれらの記事もご参照下さい。

「To Love Somebody」
Bee Geesのヒット曲カヴァー(Barry Gibb/Robin Gibb作)。当ブログでは『Bee Gees 1st』に収録されたオリジナルやP. P. Arnoldのカヴァーを紹介済みです。ここではLee Fieldsとのデュエットにより、味わいのあるソウル・バラードとして聴かせてくれます。Lee Fieldsのシブいヴォーカルもグッド!

「Change」
バックのサウンドも妖艶なRobinのヴォーカルもビッチな雰囲気です。ファンキーなオルガン・サウンドが格好良いですね。

「I'm Ready」
ホーン隊のアンサンブルがいい感じのアトランティック風の仕上がり。Aretha Franklinへのリスペクトを感じます。

「Love's Work」
Gregory Porterをフィーチャー。旬な男女ジャズ・シンガー2人による素敵なソウル・チューンです。聴いているだけで心がほっこりします。やはりこの2人は素晴らしい!
http://www.youtube.com/watch?v=C86z2gIBgB8 ※ライブ音源

「I'm A Fool To Want You」
Joel S. Herron/Frank Sinatra/Jack Wolf作。ラストはFrank Sinatraでお馴染みのスタンダード・カヴァー。ジャズ・シンガーらしい選曲ですが、哀愁ソウル・モードのヴォーカルで締め括ってくれます
http://www.youtube.com/watch?v=wXK9QvnBOR4

Robin McKelleの他作品もチェックを!

『Introducing Robin McKelle』(2006年)
Introducing Robin Mckelle

『Modern Antique』(2008年)
モダン・アンティーク

『Mess Around』(2010年)
Mess Around

先週もプッシュしましたが、話題の男性ジャズ・シンガーGregory Porterの作品もぜひチェックを!

Gregory Porter『Water』(2011年)
Water

Gregory Porter『Be Good』(2012年)
Be Good
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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