
発表年:2012年
ez的ジャンル:女性ジャズ・シンガー系ソウル/R&B
気分は... :今聴きたいソウルはジャズ・コーナーにある!
今回は実力派女性ジャズ・シンガーRobin McKelleの最新作『Soul Flower』です。ソウル好きが聴くべき新作ジャズ・アルバムです。
Robin McKelleは1976年N.Y.生まれの女性ジャズ・シンガー。
2004年のモンク・ヴォーカル・ジャズ・コンペで3位入賞したことで注目を集め、1stアルバム『Introducing Robin McKelle』(2006年)でデビューしたのを皮切りに、2nd『Modern Antique』(2008年)、3rd『Mess Around』(2010年)といったアルバムをリリースしています。
前作『Mess Around』(2010年)でソウルへのアプローチを強めたRobinですが、4thとなる最新作『Soul Flower』ではソウル/R&BバンドThe Flytonesを従え、ソウルへのアプローチを強めています。内容的にはジャズ・アルバムよりもソウル・アルバムの呼称が相応しいと思います。
Robin自身がプロデュースを務め、Robin McKelle(vo)、 Ben Stivers(key)、 Derek Nievergelt(el-b)、 Adrian Harpham(ds、per)、 Al Street(g)、 Scott Aruda(tp)、 Mike Tucker(ts)、 Clayton DeWalt(tb)といったメンバーがレコーディングに参加しています。
さらにベテラン男性ソウル・シンガーLee Fieldsや今最も旬な男性ジャズ・シンガーGregory Porterがゲスト参加しています。
Gregory Porterは先週紹介した新作アルバムThe Rongetz Foundation『Brooklyn Butterfly Session』にもゲスト参加していました。このあたりからもGregory Porterへの注目度の高さがおわかりいただけると思います。
さて、『Soul Flower』に話を戻すと、パワフル&ソウルフルでありながらジャズ・シンガーならではのテクニカルな部分も併せ持つRobin McKelleのスケールの大きな魅力が全開のソウル・アルバムに仕上がっています。全体としては60年代モータウン&アトランティック・テイストのソウル・サウンドを2012年のセンスでまとめた趣です。
ジャケからして60年代モードですよね。
きっとRobin McKelleはNina SimoneやAretha Franklinが大好きなんだろうなぁ、と感じさせてくれるアルバムです。
Robin McKelleやGregory Porterといった最近ソウルを感じさせくれるシンガーは、CDショップのソウル/R&Bコーナーではなくジャズ・コーナーに置いてあります。Gregory Porterはサウンドはジャズですが、温かみのあるヴォーカルはソウルを感じます。
ソウル好きはソウル/R&Bコーナーに止まらず、ジャズ・コーナーまで足を伸ばすべきかもしれませんね。
全曲紹介しときやす。
「So It Goes」
ソウルフルなオルガンとメロウなエレピが交錯するソウル・バラード。少し抑えたRobinのソウルフル・ヴォーカルは貫録十分です。
「Tell You One Thing」
Martha & The Vandellasあたりが聴きたくなる60年代モータウン風のキャッチーな仕上がり。
「Nothing's Really Changed」
前曲がモータウン風ならば本曲はアトランティック風です。Aretha Franklinを意識したかのようなRobinのヴォーカルがいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=-0aRpupmPdc ※ライブ音源
「Fairytale Ending」
僕の一番のお気に入り。ポップなメロディにときめくソウル・グルーヴ。本作でBacharach作品をカヴァーしていますが、Bacharach作品のソウル・カヴァーといった趣があります。クラブジャズやソウルフルなクロスオーヴァー・チューンとセットで聴くのもグッド!一度聴くと最低3回はリピートしたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=bsbWuksIceI ※ライブ音源
「Miss You Madly」
これも大好き!この曲にもBacharach作品のソウル・カヴァー的な雰囲気があります。メロウ&ソウルフルなエレピの音色とRobinのヴォーカルがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=1gQEMjeuRng
「Don't Give Up」
ジャズ出身らしい小粋なセンスに溢れたソウル・チューン。どこかのどかな雰囲気が漂うのがいいです。
「Walk On By」
Hal David/Burt Bacharach作の名曲カヴァー(リジナルはDionne Warwick)。ここではモータウン風のリズムによる軽快なカヴァーに仕上げています。
本曲について、当ブログではa href="http://eastzono.seesaa.net/article/123308752.html">Cal Tjader、Average White Band、Gloria Gaynor、The Four King Cousins、The Carnival、Pucho & The Latin Soul Brothers、Gimmicks、Christopher Scottのカヴァーも紹介済みです。ご興味のある方はそれらの記事もご参照下さい。
「To Love Somebody」
Bee Geesのヒット曲カヴァー(Barry Gibb/Robin Gibb作)。当ブログでは『Bee Gees 1st』に収録されたオリジナルやP. P. Arnoldのカヴァーを紹介済みです。ここではLee Fieldsとのデュエットにより、味わいのあるソウル・バラードとして聴かせてくれます。Lee Fieldsのシブいヴォーカルもグッド!
「Change」
バックのサウンドも妖艶なRobinのヴォーカルもビッチな雰囲気です。ファンキーなオルガン・サウンドが格好良いですね。
「I'm Ready」
ホーン隊のアンサンブルがいい感じのアトランティック風の仕上がり。Aretha Franklinへのリスペクトを感じます。
「Love's Work」
Gregory Porterをフィーチャー。旬な男女ジャズ・シンガー2人による素敵なソウル・チューンです。聴いているだけで心がほっこりします。やはりこの2人は素晴らしい!
http://www.youtube.com/watch?v=C86z2gIBgB8 ※ライブ音源
「I'm A Fool To Want You」
Joel S. Herron/Frank Sinatra/Jack Wolf作。ラストはFrank Sinatraでお馴染みのスタンダード・カヴァー。ジャズ・シンガーらしい選曲ですが、哀愁ソウル・モードのヴォーカルで締め括ってくれます
http://www.youtube.com/watch?v=wXK9QvnBOR4
Robin McKelleの他作品もチェックを!
『Introducing Robin McKelle』(2006年)

『Modern Antique』(2008年)

『Mess Around』(2010年)

先週もプッシュしましたが、話題の男性ジャズ・シンガーGregory Porterの作品もぜひチェックを!
Gregory Porter『Water』(2011年)

Gregory Porter『Be Good』(2012年)
