発表年:2011年
ez的ジャンル:Fela Kuti直系アフロビート
気分は... :偉大な遺伝子!
今回はアフロビートの創始者Fela Kutiの息子Seun Kutiが父も率いたグループEgypt 80を従えた2ndアルバム『From Africa With Fury: Rise』(2011年)です。
昨年リリースされた作品ですが、購入するタイミングが今年にずれ込み、紹介するタイミングも逸しており、ようやく紹介することができました。過去エントリーでも確認できますが、今年僕の中ではアフリカ音楽の当たり年であり、本作もそれらの新作と共に今年聴き込んだ1枚です。
Seun Kuti(本名:Seun Anikulapo Kuti)は1982年生まれのサックス奏者/ヴォーカリスト。アフロビートの創始者Fela Kutiの一番の下の息子として誕生しました。
Martin Meissonnierのプロデュース、Seun Kuti & Egypt 80名義で2008年に1stアルバム『Many Things』をリリースしました。Martin Meissonnierといえば、父Fela Kutiをはじめ、King Sunny Ade、Ray Lema、Manu Dibango、Papa Wembaといったアフリカ人ミュージシャンを手掛けたことでワールド・ミュージック好きにはお馴染みのフランス人プロデューサーですね。
本作『From Africa With Fury: Rise』(2011年)は『Many Things』に続く2ndアルバムです。本作ではBrian Enoがプロデューサーとして参加しています。Brian Enoとアフリカ音楽といえば、どうしてもTalking Heads『Remain in Light』(1980年)を思い出してしまいますね。
Brian Enoと共にJohn Reynolds、Seun Anikulapo Kuti本人が共同プロデュースしています。
Fela Kutiの遺伝子を受け継ぐミュージシャンといえば一番上の息子Femi Kutiの印象が強いですが、本作『From Africa With Fury: Rise』を聴けば、Fela Kutiが21世紀に甦ったような印象を受けます。
Fela Kuti直系アフロビートを現行アフロビート/アフロ・ファンクへ進化させているのがいいですね。
今年は一年中アフロ・ファンク/アフロビートに魅了されそうです。
全曲紹介しときやす。
「African Soldier」
Rilwan Fagbemi作。軽快なホーン隊と躍動するリズムをバックに、Seun Kutiが父Fela Kutiばりのヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=_bkTdQXMx8o
「You Can Run」
Rilwan Fagbemi/Seun Anikulapo Kuti作。僕の一番のお気に入り曲。父Fela Kutiが創り上げたアフロビートのグルーヴをより洗練された雰囲気で聴かせてくれます。現行アフロビートがお好きな方ならば絶対に気に入るはず!
http://www.youtube.com/watch?v=XveuI-Z_Igk
「Mr. Big Thief」
Seun Anikulapo Kuti作。スピーディなアフロビートの魅力を満喫できる1曲。エキサイティングなホーン・アンサンブルで楽しませてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=vPT9xJhkbGY
「Rise」
Seun Anikulapo Kuti作。この曲は父Fela Kutiにはないスマートなセンスで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=hADxHPEekqg
「Slave Masters」
Seun Anikulapo Kuti作。現行アフロ・ファンクが好きな人であれば気に入る仕上がりなのでは?ダイナミックなグルーヴに惹き込まれます。
「From Dem Eye」
Seun Anikulapo Kuti作。ここでも父Fela Kutiの遺伝子を受け継ぎつつ、Seun Kutiらしいスマートなセンスで高揚感のある現行アフロビートを満喫できます。
「The Good Leaf」
Seun Anikulapo Kuti作。「You Can Run」と並ぶ僕のお気に入り。アフロビートらしいグルーヴと印象的なホーン・アンサンブル、躍動するSeun Kutiのヴォーカルで大いに盛り上げてアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=gblAWhYOhXI
『Many Things』(2008年)