2012年11月13日

Le Trio Camara『Le Trio Camara』

Saravahからリリースされたジャズ・ボッサ・トリオ名盤☆Le Trio Camara『Le Trio Camara』
Le Trio Camara
録音年:1968年
ez的ジャンル:ジャズ・ボッサ・トリオ
気分は... :素晴らしい演奏力!

今回はブラジルのジャズ・ボッサ・トリオLe Trio Camaraが1968年にフランス、パリで録音したアルバム『Le Trio Camara』です。

Le Trio Camaraは、Edson Lobo(b)、Fernando Martins(p)、Nelson Serra(ds)によるトリオです。Nelson SerraはTrio 3Dのメンバーとして知られています。

当時彼らは当ブログでも紹介したブラジル人女性シンガーTita(Edson Loboの夫人)と共に渡仏していました。
その時にレコーディングされ、Pierre Barouhが設立したSaravahレーベルから発売されたアルバムが本作『Le Trio Camara』です。

また、グループは同時期に、当ブログでも紹介したフランス人ミュージシャンによる男女コーラスの覆面ユニットによるフレンチ・ボッサ作品Les Masques『Brasilian Sound』Titaのアルバム『L'Incomparable Tita』のレコーディングに参加しています。

結局、本作『Le Trio Camara』Le Trio Camara名義の唯一のアルバムとなってしまいましたが、内容の素晴らしさは折り紙つきです。

全曲3人のメンバーのみの演奏によるインストですが、その素晴らしい演奏に途中ダレることなく、最後まで一気に聴いてしまいます。ジャズ・ボッサらしいグルーヴィーでエキサイティングな魅力とピアノ・トリオらしいエレガントな魅力のバランスが素晴らしいですね。

ブラジル音楽好きであればお馴染みの名曲カヴァーも多数収録されていますが、どの演奏も原曲の魅力を受け継ぎつつ、彼らならではの演奏力でさらに昇華させている感すらあります。

パリ録音のせいか、アルバム全編を貫く小粋な美学にグッとくる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Berimbau」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作のアフロ・サンバ名曲でアルバムは幕を開けます。スウィンギーなピアノとアフロ・サンバのリズムが織り成す小粋でスリリングな演奏に魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=TQprOoZBgR4

「Berimbau」については、当ブログでLennie DaleDiane Denoir/Eduardo MateoAgustin Pereyra LucenaSambalanco TrioNara LeaoFelicidade A BrasilGary McFarlandKenny Rankinのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照下さい。

「Nao Tem Solucao」
Dorival Caymi作。ピアノとベースのエレガントな絡みにグッときます。パリ録音のジャズ・ボッサといった趣が伝わってくる素敵な演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=75a5-7hFbu8

「Bia」
Fernando Martins作。スピーディに疾走するジャズ・ボッサは今時のクラブジャズと一緒に聴いても遜色ありません。品格のある格好良さがたまりません!

「Nascente」
Edson Lobo作。エレガントな美しさに魅了されます。Fernandoの美しいピアノにうっとりです。そこに絡むEdsonのベースも素晴らしい!

「Estrada Do Sol」
Antonio Carlos Jobim/Dolores Duran作。当ブログではElis Reginaのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンはエレガントに弾けるジャズ・ボッサに仕上がっています。グルーヴィーなボッサ好きならば気に入る演奏だと思います。

「Upa Neguinho」
Edu Lobo/Gianfrancesco Guarnieri作。Edu Loboの名曲をカヴァー。当ブログでは『Edu E Bethania』収録の本人のヴァージョンやElis Reginaのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンは実にリズミックでエキサイティングな仕上がりです。本曲持つダイナミックな魅力を見事に音に反映させている好カヴァーだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=EDNQ2B0tXvA

「Feito De Ojacao」
Noel Rosa作。Fernandoの美しいピアノを中心にエレガントなピアノ・トリオによる演奏を聴かせてくれます。

「Cheganca」
Edu Lobo/Odulvaldo Vianna Filho作。当ブログでは『A Musica De Edu Lobo Por Edu Lobo』(1965年)収録のEdu Loboのオリジナルも紹介済みです。緩急をつけたドラマティックでエレガントな演奏は素晴らしいの一言です。このグループの魅力が凝縮されている本作のハイライトだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=FdaGn3A3JMk

「Noa Noa」
Sergio Mendes作。当ブログではCal Tjaderのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンは小粋なジャズ・サンバはアルバムの中でも一番オシャレかも?
http://www.youtube.com/watch?v=8gND8pEfxek

「Muito A Vontade」
Joao Donato作。軽快に駆け抜けるジャズ・サンバ。軽快な中にもこのグループの美学のようなものが貫かれているのがいいですね。

「Samba Novo」
Durval Ferreira作。ラストはエレガントな疾走感にグッとくるジャズ・サンバでアルバムは幕を閉じます。

Les Masques『Brasilian Sound』(1969年)もセットでどうぞ!

Les Masques『Brasilian Sound』(1969年)
les masques brasilian sound.jpg
posted by ez at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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