発表年:1984年
ez的ジャンル:T-Neck系アーバン・メロウ・ファンク
気分は... :案外好きです!
今回は70〜80年代に活躍したソウル・グループBloodstoneが1984年にリリースした『Party』です。
Bloodstoneは1962年カンザスシティで結成されたThe Sinceresを前身とするソウル・グループ。1971年からBloodstoneというグループ名になったようです。
オリジナル・メンバーはCharles McCormick、Willis Draffen、Charles Love、Harry Williams、Roger Durham、Eddie Summers。
本国ではなくUKでデビュー・アルバム『Bloodstone』(1972年)をリリース。その後L.A.で2ndアルバム『Natural High』(1973年)を制作・リリースします。同作からは1stシングル「Natural High」が全米チャート第10位、同R&Bチャート第4位、2ndシングル「Never Let You Go」が全米R&Bチャート第7位がヒットしました。「Natural High」はQuentin Tarantino監督の映画『Jackie Brown』でも使われていました。
その後も3rd『Unreal』(1974年)からは「Outside Woman」が全米R&Bチャート第2位、5th『Riddle of the Sphinx』(1975年)から「My Little Lady」が全米R&Bチャート第4位といったヒットを放っています。その後もコンスタントにアルバムをリリースしていましたが、1978年には長年在籍していたLondon Recordsを離れ、Motownから『Don't Stop』をリリースしています。
70年代半ばには一時期Average White BandのSteve Ferroneも在籍していたようです。
1980年代にはThe Isley BrothersのT-Neckへ移籍し、
The Isley Brothersプロデュースによるアルバム『We Go A Long Way Back』(1982年)をリリースし、シングル「We Go A Long Way Back」が全米R&Bチャート第5位のヒットとなりました。
T-Neck第2弾アルバムとなる本作『Party』(1984年)はグループの実質的なラスト・アルバムとなってしまいました。その後リユニオンによるアルバムを何枚かリリースしているようですが・・・
Bloodstoneの紹介という意味では、まずは70年代の作品を紹介すべきなのかもしれません。ただし、今日は80年代ファンク/アーバン・メロウ作品を聴きたい気分なので本作をセレクトしました。
前作『We Go A Long Way Back』の評価が高いためか、実質的なラスト・アルバムとなったためか、Isleysがプロデュースしていないためか、リンドラムによる打ち込みサウンドのためか、本作『Party』の評価は必ずしも高くはないようですね。
でも実際に聴けば、シングルになった「Instant Love」、「Bloodstone's Party」をはじめ、 良く出来た80年代エレクトリック・ファンク/アーバン・メロウ作品に仕上がっていると思います。
多分、本作におけるメンバーはWillis Draffen、Charles Love、Harry Williams、Ronald Wilson(ここは曖昧です。間違っていたらゴメンなさい)。
プロデュースはMcKinley T. Jackson。レコーディングにはDavid T. Walker(g)、Greg Moore(g)、Melvin (Wah-Wah) Ragin(g)、Bryon Miller(b)、Leon Ndugu Chancler(ds)、William Bryant(syn)、Greg Smith(syn)、Clydene Jackson(p)等が参加しています。
こんなにいい作品を残しながら表舞台から姿を消すことになるとは、80年代ソウル/ファンク・グループの不遇を感じてしまいます。
全曲紹介しときやす。
「Bloodstone's Party」
Ronald Wilson作。シングルにもなったダンサブルなエレクトリック・ファンク・チューン。80年代ファンク好きの方であればなかなかグッとくる1曲に仕上がっているのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=erEQBxfBBtw
「Feel The Heat」
Harry Williams/Willis Draffen作。僕の密かなお気に入りがコレ。大人のアーバン・ダンサーって雰囲気がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=FqjwVtWsQxM
「Contagious」
Greg Moore/Shirley Jones作。アッパーなエレクトリック・ファンク。この曲も80年代ファンク好きであれば十分合格点をつけられる仕上りなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=LlQIS06BQO0
「Men Need Tenderness Too」
Dorian Holley作。ヴォーカル・グループとしての魅力を満喫できる美しいバラード。
「Instant Love」
McKinley T. Jackso/Ronald Bell作。アルバムからの1stシングル。本作のハイライトはこの甘く危険な香りのするメロウ・チューンでしょうね。彼らのヴォーカル・スタイルと80年代サンウドを見事に融合しています。
http://www.youtube.com/watch?v=MH4aIljKQIM
Termanology「H.U.S.T.L.E.R.」、Saigon「In a Mess」のサンプリング・ソースにもなっています。
Termanology「H.U.S.T.L.E.R.」
http://www.youtube.com/watch?v=UyBIx0yn_eQ
Saigon「In a Mess」
http://www.youtube.com/watch?v=bVuOICOzsCc
「It Feels So Good (With You)」
Charles Love作。「Instant Love」から本曲への流れが最高です。シブいリード・ヴォーカルにスウィートなコーラスが絡む大人のメロウ・チューンはなかなかグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=-Z5UCF7XuS0
「I Adore You」
Harry Williams/Willis Draffen作。感動的なラブ・バラード。安定感のあるヴォーカルが魅惑のラブ・ワールドへ誘ってくれます。
「Why Be The First One Home」
Charles Love作。ラストもバラードで締め括ってくれます。美しいコーラスワークでフィナーレを迎えます。
ご興味がある方はBloodstoneの他作品もチェックを!
『Bloodstone』(1972年)
『Natural High』(1973年)
『Unreal』(1974年)
『I Need Time』(1974年)
『Riddle of the Sphinx』(1975年)
『Train Ride to Hollywood』(1975年)
『Do You Wanna Do A Thing』(1976年)
『Don't Stop』(1979年)
『We Go A Long Way Back』(1982年)