発表年:1974年
ez的ジャンル:ラテン・フレイヴァー系ブルーアイド・ソウル
気分は... :ありそうでない!
今回はThe Rascals(Young Rascals)の元メンバーFelix Cavaliereの初ソロ・アルバム『Felix Cavaliere』(1974年)です。
黒人音楽から影響を受けた音楽性で人気を博したイタリア系白人のグループThe Rascals(Young Rascals)。しかし、アルバム『The Island of Real 』(1972年)を最後にグループは解散してしまいます。
そして、グループ解散後に中心メンバーであったFelix CavaliereがTodd Rundgrenを共同プロデューサーに迎え、Bearsvilleからリリースした初ソロ・アルバムが本作『Felix Cavaliere』(1974年)です。
その後Cavaliereは『Destiny』(1975年)、『Castles in the Air』(1979年)、『Dreams in Motion』(1994年)といったソロ名義のアルバムをはじめ、Vinnie Vincent (Vincent Cusano)らと結成した4人組ロック・グループTreasure唯一のアルバム『Treasure』(1977年)、Steve Cropperとの共演作『Nudge it up a Notch』(2008年)、『Midnight Flyer』(2010年)といったアルバムをリリースしています。
AOR好きの方は『Castles in the Air』(1979年)あたりを推すかもしれませんが、個人的には初ソロである本作が一番好きですね。
Todd Rundgrenプロデュース&参加という要因も大きいですが、それ以上にラテン・フレイヴァーのブルーアイド・ソウルな楽曲に大満足しています。シンセ・サウンドを強調した楽曲も多く、シンセ風味のブルーアイド・ソウルも楽しめます。それ以外にもバラエティに富んだ構成はなかなか興味深いです。
Todd Rundgrenも控えめにらしさを出している程度で、オーヴァー・プロデュースになっていないのがいいですね。
15年以上前に本作を購入した当初はややインパクトに欠ける気もしましたが、その後聴き重ねるほどに味わいが増してきました。
レコーディングにはFelix Cavaliere(vo、key)、Todd Rundgren(g)をはじめ、
Steely Dan作品でお馴染みElliot Randall(g)、OrleansのJohn Hall(g)、Roger Powell(syn)、John Siegler(b)、Kevin Ellman(ds)というUtopia勢3名、Kenneth Bichel(syn)、Orchestra HarlowのPablo Rosario(per)、Whitney Houstonの母Cissy Houston(back vo)等が参加しています。
楽曲は1曲を除きFelix CavaliereとCarman Mooreの共作です。
ブルーアイド・ソウル好きの方やTodd Rundgren好きの方はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「A High Price To Pay」
オープニングから名曲です。Todd Rundgrenプロデュースって雰囲気が全面に伝わってくるシンセ・サウンドが印象的なブルーアイド・ソウル。勿論、Cavaliereのヴォーカルも絶好調です。
http://www.youtube.com/watch?v=Z3zJAcYuqic
「I Am A Gambler」
僕の一番のお気に入り。ラテンもソウルもロックも・・・クロスオーヴァー感覚のブルーアイド・ラテン・ソウル。
「I've Lost A Solution」
前曲から一転してカントリー調の仕上がり。悪くはないけど今の僕の嗜好とは少し違うかな・・・
「Everlasting Love」
この曲もモロに僕好み。哀愁のラテン・フレイヴァーの効いたブルーアイド・ソウル。ソウルフルな女性バック・コーラスとオルガン・サウンドもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=W3U29ErFDGM
Busta Rhymes feat. Stevie Wonder「Been Through the Storm」でサンプリングされています。
Busta Rhymes feat. Stevie Wonder「Been Through the Storm」
http://www.youtube.com/watch?v=a3dCRchJA0Q
「Summer In El Barrio」
哀愁のラテン・ソウル。MaloやAztecaなんかと一緒に聴いてもいいかも。
http://www.youtube.com/watch?v=AJ44ME-ubxs
「Long Times Gone」
小粋なセンスが光るビューティフル・バラード。本作の中では異色なオーセンティック・バラードですが、なかなかいい感じです。
「Future Train」
シンセ・サウンドを駆使した軽快なブルーアイド・ソウル。Cavaliereのソウルフルな魅力を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=Oau-cP8BdjA
「Mountain Man」
軽くレゲエ/カリビアン・フレイヴァーの効いた1曲。この曲もシンセ・サウンドが印象的です。
「Funky Friday」
タイトル通りのファンキー・ロック。Toddのロック・ギターが炸裂します。スワンピーな雰囲気もあっていい感じです。
「It's Been A Long Time」
同じラテンでもこの曲はテックス・メックス風。こういう曲はあまりCavaliereにマッチしていない気がします。
「I'm Free」
この曲のみCarman Mooreの単独作。Jimi Hendrixに捧げられたエキサイティングなロック・チューン。スピリチュアル/フリー・ジャズ風の序盤から一気に加速してジミヘン・モードのロックへとなだれ込み、Toddのハードなギターが唸りを上げます。ロック好きの人であれば本曲がハイライトかもしれませんね。
他のFelix Cavaliere作品もチェックを!
『Destiny』(1975年)
Treasure『Treasure』(1977年)
『Castles in the Air』(1979年)
『Dreams in Motion』(1994年)、
Steve Cropper & Felix Cavaliere『Nudge it up a Notch』(2008年)
Steve Cropper & Felix Cavaliere『Midnight Flyer』(2010年)、