2007年01月06日

Herbie Hancock『Inventions And Dimensions』

若き日のHancockの意欲作☆Herbie Hancock『Inventions And Dimensions』
Inventions & Dimensions
発表年:1963年
ez的ジャンル:パーカッション系ピアノ・トリオ・ジャズ
気分は... :まずは行動してみようo(^o^)o

そろそろお正月モードから通常モードに戻ってきましたね。

少しマジメな話をすると、今年は理想を追い求めたり、目標というもので自分を縛ったりせずに、もっと目先のやっている事、目前のやれる事をゴチャゴチャ考えずに実行し、それを積み重ねていきたいと思っている。

男という生物は、「あるべき姿」を設定し、それに向って行動するのが好きなようである。
あらゆる行動が「あるべき姿」から逆算して合理的であることを重視するのが男なのだ。
僕も少し前までは、そういった傾向が強い人間だった。

でも、それって「あるべき姿」が逆に自分の周囲にあるさまざまな可能性を排除してしまい、結果として自分を窮屈にしているのでは?なんて最近思うようになった。「自分は〜であるべき」と規範的に考えるよりも、「現実に自分は〜なっている」と記述的に考える方が物事うまく回っていくってカンジかなぁ。

なので、「考えてから行動する」よりも「行動してから考える」という流れで今年は行こうかなぁと思っていマス。

さて、久々のHerbie Hancockっす。今回は初期の作品から『Inventions And Dimensions』(1963年)をセレクト。

Herbie Hancockは60年代のメインストリーム・ジャズ作品『Speak Like A Child』(1968年)、ボコーダーを導入したポップでメロウなフュージョン作品『Sunlight』(1978年)に続く、3回目の登場となります。

皆さんご存知のとおり、Herbie Hancockというジャズ・ピアニストは、メインストリーム・ジャズでの活躍は勿論のこと、クロスオーバー/フュージョンやHip-Hopなどその時々で時代の流れを先取りする多彩な作品を次々と発表してきた人である。

あまり自分のエリアを固定せずに、その時々の自分の好奇心や創造力の赴くままに、1つ1つの作品を積み重ねていくうちに、気付けば他に追随を許さない広大な世界を創り上げていたのがHerbie Hancockという人ではないかと思いマス。こう書くと、強引だけど冒頭の僕の話も繋がってくるでしょ(笑)

さて、本作『Inventions And Dimensions』(1963年)は、Hancock初のリーダー作『Takin' Off』(1962年)、2作目『My Point of View』(1963年)に続く、3作目のリーダー作である。

本作『Inventions And Dimensions』と言えば、まずはジャケかなぁ。以前に本ブログの特別企画『どっちのジャケット・ショー!本物はどっち?』で紹介したように、本ブログでも大人気のYoung Disciples『Road to Freedom』のジャケの構図は本作をモチーフにしている。写真Francis Wolff、デザインReid MilesというBlue Note作品ではお馴染みの黄金コンビが手掛けていマス。

メンバーは、Herbie Hancock(p)、Paul Chambers(b)、Willie Bobo(ds、timbales)、Osvaldo "Chihuahau" Martinez(conga、bongo)というピアノ・トリオにパーカッションが加わった編成だが、Willie Boboは本来パーカッション奏者なので、パーカッション二人と思って聴いた方が面白いと思いマス。

きっと、メインストリーム・ジャズのファン以上に、クラブ・ジャズやアシッド・ジャズなんかが好きな方が気に入る作品なのではと思いマス。1963年の録音と言うのが信じられない、今でも鮮度抜群の作品だと思いますよ!

全曲紹介しときやす。

「Succotash」
この曲を最初聴いた時の印象は“坂本龍一じゃん!”。ジャズというよりもむしろ現代音楽ってカンジがするね。クール&ミステリアス&エレガントなHancockの演奏が印象的ですな。パーカッション二人の絡みも実に面白い。何度聴いても飽きない1曲だと思いマス。

「Triangle」
前半はアルバム中一番オーソドックスにジャズしているカンジだけど多少物足りない。それよりも後半のパーカッションが全面に出てくる展開の方が僕好みですな。

「Jack Rabbit」
クラブ・ジャズやアシッド・ジャズに通ずるカッチョ良さを持ったスリリングなスピード感溢れる演奏が魅力の曲。こういった曲を聴いていると、久々にUnited Future Organizationとか聴きたくなってくるねぇ。Willie Boboのtimbalesがイカシテます。

「Mimosa」
ラテン・テイストのコンガとHancockのエレガントなピアノのバランスが面白い曲。一歩間違えるとミスマッチなカンジがするんだけど、ギリギリ寸止めのところで絶妙のバランスを保っている気がします。

「Jump Ahead」
ストレート・ジャズだけど、同時代のジャズ作品に比べて、スマートかつスタイリッシュな印象を受けるのは何故なんだろうね?

僕はHerbie Hancockが特別大好きな訳ではないが、でもHancock作品のコレクションはついつい増えてしまう。このあたりがHancockの偉大なところかもね!
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(1) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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