2007年01月12日

The Kinks『The Village Green Preservation Society』

スローライフも悪くはない☆『The Village Green Preservation Society』
The Village Green Preservation Society
発表年:1968年
ez的ジャンル:シニカル系UKロック
気分は... :スローライフ&ロハスで行こう!

The Kinksの2回目の登場デス。

以前のエントリーでも書いたが、BeatlesRolling StonesThe Whoと並び称されるロック・バンドでありながら、それら3グループと比較して圧倒的に地味なKinks。特別Kinksファンではない僕だが、この地味さに逆に惹かれたりするんだよね。

前回紹介した『Something Else』(1967年)に続き、今回は『The Village Green Preservation Society』(1968年)をセレクト。

個人的には、『The Kink Kontroversy』(1966年)、『Face to Face』(1966年)、『Something Else』(1967年)あたりの作品をよく聴くんだけど、久々に本作『The Village Green Preservation Society』を聴いたら、なかなか今の気分にマッチしているので取り上げまシタ。

まぁ、Kinksファンの方から見れば、『The Village Green Preservation Society』はグループのみならず、英国ロックを代表する名盤であり、セレクトされて当然のアルバムかもしれませんね。確かにごもっともですm(_ _)m

『Something Else』でその音楽的な成熟度をグッと深めていったグループが、コンセプチャルなアルバム作りに取り組んだのが『The Village Green Preservation Society』です。元々はリーダーRay Daviesのソロ作として考えていたものらしいっす。そのせいか、プロデュースも初めてRay Davies自身が手掛けていマス。

イギリスの著名な詩人Dylan Thomas(Bob Dylanの名前にも影響を与えた人)の詩集からインスパイアされ、ウェールズの片田舎の村の住人の生き様を描いたコンセプト・アルバムであり、サウンド的には、ジャケ写真のようなセピア色のアコースティック・サウンドに仕上がっていマス。イギリスならでは田舎ののほのぼの感が魅力なのでは?

スローライフ&ロハス(LOHAS)な雰囲気は、ある意味時代を先取りした作品とも言えるのではと思いマス(笑)

アメリカではさっぱり売れず、商業的には大失敗に終わったアルバムであるが、前向きに考えれば、それだけイギリスらしさに充ちたアルバムと言えるのでは?

田舎のほのぼの感漂う仕上がりとは言っても、アメリカのカントリーのような音楽を想像しないで下さいね。
かなり小粋でオシャレなアルバムだと思いますよ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Village Green Preservation Society」
オープニングは英国らしいフォーキー・グルーヴ。“緑の村の生活を守る会”というまさにスローライフ+ロハスな1曲です。フリー・ソウルのコンピ(『Free Soul Wing』収録)にも収められており、クラブ・シーンでも再評価されたというのが実に興味深いですね。

「Do You Remember Walter?」
田舎を去っていった友人ウォルターの思い出について歌うRay Daviesらしいシニカルな1曲。この曲を聴いたら、Beatles「A Day In The Life」が思い浮かんだ。「A Day In The Life」のようにドラッギーな雰囲気はないけどね。、

「Picture Book」
友人の思い出の次は家族の思い出について歌った曲。小粋なフォーキー・グルーヴに仕上がっていマス。

「Johnny Thunder」
飲んだくれJohnny Thunderのスローライフ(?)を歌ったもの。New York Dollsなどで活躍した故Johnny Thunders(これは本名ではなく芸名)と関係があるのかね?

「Last of the Steam-Powered Trains」
時代遅れの蒸気機関車の歌。ブルージーな味わいがなかなかグッド♪後半のスピードアップする展開もスリリングですよ!一昨日観たTV番組『グータンヌーボ』で釈由美子が“彼氏と一緒に♪汽車汽車シュッポシュッポ♪したい”と言っていたのを思い出してしまった(笑)俺もしてみたい(;一一)

「Big Sky」
この曲はよく出来ているね。60年代英国ロックのいろんな要素が凝縮されている気がしマス。聴く度にいろんな発見ができそうな曲。

「Sitting By the Riverside」
案外、カフェ・ミュージック的にも使えそうなオシャレ感覚を持った曲。

「Village Green」
昔から“この曲どっかで聴いたことあるよなぁ”とずっと思っていたんだけど、やっとわかった。甲斐バンド「裏切りの街角」だ!僕が知らなかっただけで、有名な話だったら、今さらでごめんなさい。でも、有名な話のような気がするんだけど...

「Monica」
村一番の美人Monica嬢の歌。この曲も今日的視点から聴いてもイケてるオシャレな1曲だと思いマス。

改めて、本作の名盤たる所以がわかった気がします。
XTCとか好きな人は、ハマるアルバムだと思いますよ!

Kinksは本作以降『Arthur or the Decline and Fall of the British Empire』(1969年)、『Lola Vs Powerman And The Moneygoround : Pt.1』(1970年)といったコンセプト・アルバム時代に突入する。個人的には名曲「Lola」を収めた『Lola Vs Powerman And The Moneygoround : Pt.1』がお気に入りデス。
posted by ez at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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