発表年:1976年
ez的ジャンル:白いStevie Wonder系AOR
気分は... :じっと見つめないで...
多くの洋楽ファンがそのCD化を長年待ち望んでいた“白いStevie Wonder”John ValentiによるAOR/ブルーアイド・ソウルの名作『Anything You Want』(1976年)デス。
John Valentiは1951年シカゴ生まれのドラマー&シンガー、ソングライター。1970年初めにPuzzleというグループを結成し、白人グループながらモータウンに所属し、2枚のアルバムを発表している。そのPuzzle解散後に発表したソロ・アルバムが本作『Anything You Want』(1976年)である。
昔から、雑誌のAOR特集やディスク・ガイド本で、この作品の存在のことは知っていたが、LPオンリーだったため、肝心の音を聴くことができず、長年CD化を首を長くして待っていた1枚だ。まぁ、僕に限らず多くのAORファンの方が同じような思いだったはずでしょう。
そんな幻の名盤が昨年12月に日本でCD化された。つくづく日本という国は、音楽ファンにとって天国のような国だと思いマス。ということで、昨年末のJewel『Cut 'N' Polished』のエントリーでも書いたとおり、昨年の自分自身へのクリスマス・プレゼントとして、本作を購入した。
John Valentiは、“白いStevie Wonder”と形容されることが多い。“○○のStevie Wonder”という表現の乱発にウンザリしている人も大勢いると思うけど、この人は確かに“白いStevie Wonder”と呼ばれるのがかなり納得できちゃうのでは!
AORファン、ソウル・ファン、フリー・ソウル・ファンみんなご満悦のメロウでお洒落なブルーアイド・ソウルに仕上がっていると思いマス。特に、クラブ系リスナーに人気というのがうなずける内容っす。
バックもJay Graydon、Dean Parks、Ed Green、Jim Gordonなどの名うてのメンバーが名を連ねてマス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Anything You Want」
タイトル曲は、まさにStevie Wonderなファンキー・ソウル。全米ポップチャートで37位、R&BチャートでTop10入りするヒットとなりまシタ。曲調やアレンジがStevie調なのは勿論なのだが、ボーカルの声質、歌い回しがこれほどStevieそっくりな人もいないのでは?ものまね紅白歌合戦に出場すれば、大絶賛間違いなしでしょう(笑)特に、Stevie独特の踏ん張り気味のシャウトなんか絶品だね!って芸人扱いしてゴメンナサイm(_ _)m
「Was It Something I Said」
この曲もStevieしているミディアム・ファンク。ホント、『Songs In The Key Of Life』あたりに混じって収録されていても違和感ないし、なかなかStevie本人ではないと気付かないのでは?
「I Wrote This Song For You」
晴れた日の朝に聴ききたい気分のはつらつソウル。Stevie風のハーモニカも聴こえてきマス。
「Morning Song」
とってもピュアな気分になる絶品アレンジがたまらない1曲ですな。僕自身は未聴だけど、ハワイアンAOR好きにはお馴染みMackey Fearyもカヴァーしているみたいっす。
「Time After Time」
Frank Sinatraでお馴染みのスタンダードのカヴァー。出だしがBill Withers「Lovely Day」っぽくて好きです。全体として、Stevieテイストが満喫できる1曲っす。
「Why Don't We Fall In Love」
フリーソウル系リスナーに人気のフロアキラー・チューン。哀愁ムードのグルーヴ感がたまらんデス。
「Higher & Higher」
Jackie Wilsonの1967年の大ヒット曲のカヴァー。この曲はRita Coolidgeもカヴァーしていますね。パーカッシブかつトロピカルな仕上がりが僕好みっす。
「Save Me」
この曲は全然Stevieっぽくないファンキー・ロック。なかなかワイルドな仕上がりがいいですね!
「I Love Her Too」
アルバムで唯一のバラード。このあたりは白人らしいAORってカンジだね。
まさに幻の名盤を堪能でき、極楽ですなぁ!
単なるStevieフォロワーと侮ることなかれ!なかなか手強いですぞ!
この名盤を私の記事にしたのでTBさせて頂きます。
スティーヴィーそっくりなヴォーカル、でも曲もオリジナリティがあって大好きです。
それにしてもこんな名盤、コメントがないなんて寂しいですね〜。
ありがとうございます。
待ちに待ったからこそ、CDを実際に手にした時の感動は大きかったですね。
AORファン、ソウル・ファン、フリー・ソウル・ファンと間口の広い、いろんな楽しみ方ができるアルバムだと思います。
でもよく見ると、このジャケって怖いですよね(笑)