発表年:2007年
ez的ジャンル:UKファンク&ブレイクビーツ
気分は... :箱の中身は・・・
今回はUKのマルチ奏者/DJ/プロデューサーLack of Afroの衝撃のデビュー・アルバム『Press On』(2007年)です。
Lack of AfroことAdam Gibbonsは友人に渡したデモがきっかけで2006年にデビュー・シングル
「Wait A Minute」をリリース。これが話題となり、その勢いで今日紹介するデビュー・アルバム『Press On』(2007年)が制作されました。
その後、2nd『My Groove You Move』(2009年)、3rd『This Time』(2011年)とアルバムをリリースしています。さらに自身の作品のみならずリミキサーとしても人気であり、ざっと数えただけでも約50作品のリミックスを手掛けています。
本作『Press On』と2nd『My Groove You Move』のどちらをセレクトしようか迷いましたが、やはりLack of Afroの魅力をストレートに感じるためには衝撃のデビュー作『Press On』の方を先に聴くべきと思い、こちらをセレクトしました。
60〜70年代ソウル/ファンクへのリスペクトを感じるUKファンク&ブレイクビーツです。一方でThe New Mastersoundsをサンプリングしてしまうあたりがこの世代らしいですね。
本作やシングル曲「Wait A Minute」、「Roderigo」のインパクトの大きさは、その後のリミックスのオファーの多さからも確認できます。
ファンク好きが聴きたい!おいしい所のエッセンスをうまく抽出して1つの楽曲にまとめている感じがいいですね。
「Wait A Minute」、「Roderigo」といったシングル曲、Small Facesをサンプリングした「Touch My Soul」、Arctic Monkeysのカヴァー「When The Sun Goes Down」などの話題曲も含めて全曲聴きどころ満載です。
全曲紹介しときやす。
「The Outsider」
Big Tom「No Thank You Mr Pusher」のホーン・ネタのループが印象的なオープニング。パーカッシヴな雰囲気が僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=U61wc8vPX9I
「Rusty」
各楽器のおいしいところをパッケージにしたような格好良いファンク・チューン。コンピ・シリーズUnderground Jazz Fileにも収録されている曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=_ICSA_8SH5E
「Touch My Soul」
Small Facesの名曲「Afterglow Of Your Love」をサンプリング。Steve Marriottの声ネタも効けます。60年代のエッセンスを上手く取り入れたノーザン・ファンク・チューンに心憎いセンスを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=oflrqixN8BU
「For You」
どこか和んでしまうイナたさが魅力の仕上がり。1曲のなかにドラマがありますね。お見事!
http://www.youtube.com/watch?v=WHYSOG4ZmqE
「Pure Filth」
The New Mastersounds「Drop It Down」のドラム・ブレイクをサンプリングしたブリブリのファンク・チューン。シンセの妖しげな音色がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=M8PrGnuMxKE
「Wait A Minute」
Lack of Afroの名を一躍有名にしたデビュー・シングル。The New Mastersounds「Nervous」(Nuyorican Soul「The Nervous Track」のカヴァー)をサンプリングしたエキサイティング・ファンク。これでテンション上がらないわけないでしょ!って感じですね。Lack of Afroを知るためにまず聴くべき曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=e94yPXzyqlw
「Live At The Club」
この曲はかなり僕好み。ジャズ・クラブで聴く少し抑えた感じの大人のクラブミュージックって雰囲気が実にいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=e7QDURBPkPY
「Mongrel Strut」
この曲も僕のお気に入り。ハモンド・オルガンの妖しい響きに魅了されるオルガン・ファンク・グルーヴ。途中でThe Mohawks「The Champ」のフレーズを挟むなどの遊び心もグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=vATA-GHpFAY
「When The Sun Goes Down」
UKのロック・バンドArctic Monkeysのカヴァー。オリジナルと比較すると、その変貌ぶりにビックリ!格好良さでいえばアルバム随一かもしれませんね。アレンジ&ギターでThe New MastersoundsのEddie Robertsが参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=XQjYi81JGHM
「Roderigo」
「Wait A Minute」に続く2ndシングル。ホーン・ループと迫力のドラムでスリリングに迫ってくるファンキー・ビーツ。こういう曲を聴けば、彼がリミックスで引っ張りだこになるのも納得です。
http://www.youtube.com/watch?v=WzVRWiH1Pog
「Where's It At」
ラストは哀愁モードで締め括ってくれます。それでもドラムだけではど迫力というのがLack of Afroらしいかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=6-TL0oYtyyU
他のLack of Afro作品もチェックを!
『My Groove You Move』(2009年)
『This Time』(2011年)