2013年01月20日

Andre Solomko『Ou Es-Tu Maintenant?』

フィンランド発、至極のメロウAOR/フュージョン☆Andre Solomko『Ou Es-Tu Maintenant?』
ウ・エチュ・マントゥノン?
発表年:2012年
ez的ジャンル:北欧系AOR/フュージョン
気分は... :70〜80年代へタイム・スリップ

今回はフィンランドのフュージョン・グループVinyl Jamを率いるAndre SolomkoによるAOR/フュージョン・アルバム『Ou Es-Tu Maintenant?』(2012年)です。

Vinyl Jam名義で『Vinyl Jam』(2007年)、『Kino』(2009年)という2枚のアルバムをリリースしていますが、本作はAndre Solomko名義でのリリースとなっています。

Andre Solomkoは1965年ウクライナ生まれ、旧ソビエト連邦下で1989年にAndreはEquinoxというバンドを結成し、政府の支援を得てソ連全土をツアーするなど勢力的な活動を行っていました。しかし、91年のソ連崩壊とともにバンド活動を維持することが難しくなり、失望したAndreはフィンランドへ移住します。

フィンランドで再起の機会をうかがっていたAndreは2005年に自身のスタジオVinyl Jamを設立しました。その後、Vinyl Jam名義で前述の2枚のアルバムをリリースしています。

そこで、かつての仲間であるEquinoxのバンド・メンバーに声を掛け、再結集してレコーディングしたのが本作収録の「I Recall」です。まるでMichael FranksのようなLa SayのヴォーカルをフィーチャーしたこのメロウAORは各方面で話題となります。

そして、これを気に入ったフランスのFavorite Recordingsの主宰者Pascal Riouxが協力して制作された作品が本作『Ou Es-Tu Maintenant?』です。

レコーディングには、Andre Solomko(ss、as、fl、per)、La Say(vo)、Maru(vo)、Jarkko Lepisto(ds)、Peter Christiansson(b)、Valery Nikitin(el-p、viola)、Vladimir Rajapu(g)、Denis Ani(el-p、harmonica)、Sebastian Teir(key)等が参加しています。

アルバム全体としては、70〜80年代AOR/フュージョンやアナログ・サウンドへのこだわりが感じられる1枚に仕上がっています。

北欧クラブジャズというよりも、70〜80年代アーバン・メロウ好きの人が一番フィットする1枚だと思います。ソフトなヴォーカル、メロウな鍵盤サウンドやロマンティックなサックスを堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「I Recall」
前述のようにMichael FranksのようなLa Sayのヴォーカルをフィーチャーした本作のハイライト。多くの人が本曲狙いでこのアルバムを購入するのでは?70〜80年代へタイム・スリップといった趣のメロウAORです。AndreのソロがAOR気分を盛り上げてくれます。サンセット・モードにぴったりな1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=2dPmuMB0cPY

「Grooving With Grover In Paradise」
Maruの女性スキャットをフィーチャーしたメロウ・フュージョン。Andreのサックス・プレイを堪能できます。まさにパラダイス・モードの仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=nqfle2BAoHo

「Summer 77」
この曲もMaruの女性スキャットをフィーチャー。エレピのメロウな響きにグッとくるサマー・モードのフュージョン・チューン。後半のクラヴィネットの絡みもいい感じです。

「Ou Es-Tu Maintenant?」
タイトル曲はLa Sayをフィーチャー。前述のようにアナログ・サウンドへのこだわりがよく表れたメロウ・フュージョンです。

「We Had Some Good Years Together」
Maruの女性ヴォーカルをフィーチャー。ハーモニカの音色にグッとくるサンセット・メロウ・グルーヴ。

「I Recall (Instrumental)」
「I Recall」のインスト・ヴァージョン。これは数合わせ的な1曲という気もします。

ここからの2曲は国内盤CDのボーナス・トラックです。

「Disaster」
『Kino』(2009年)収録曲。本編同様、アナログ・サウンドへのこだわりが感じられるメロウなジャズ・ファンク・チューンです。

「Afternoon」
『Vinyl Jam』(2007年)収録曲。ロマンティックなサンセットAORはかなり僕好みです。

いかにも日本人が好きそうな1枚だと思います。
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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