発表年:2001年
ez的ジャンル:N.Y.メトロポリタン感覚ブラジル音楽
気分は... :杞憂に終わってホッ・・・
ここ最近ずっと気になっていたことが杞憂に終わってホッ・・・
ホッとしたら、なんだかブラジル音楽が聴きたくなりました。そこでセレクトしたのが今日の1枚。
ブラジルのベテラン男性シンガー/ギタリスト/ドラマーVinicius Cantuariaの『Vinicius』(2001年)です。
N.Y.在住のブラジル人アーティストVinicius Cantuariaの紹介は、『Samba Carioca』(2010年)、『Indio De Apartamento』(2012年)に続き3回目となります。
Viniciusにとって10作目のアルバムとなる本作『Vinicius』(2001年)は現在のVinicius CantuariaにもつながるシンプルながらもN.Y.感覚のアヴァンギャルド感と洗練さを兼ね備えたブラジル音楽を楽しめます。
Vinicius Cantuaria(vo、g、per、key)をはじめ、Caetano Veloso (vo)、David Byrne(vo、g)、Marc Johnson(b)、Joey Baron(ds)、Paulo Braga(ds)、Bill Frisell(g)、Marc Ribot(g)、Brad Mehldau(p)、Michael Leonhart(tp)、Jenny Scheinman(violin)、Peter Scherer(key)といったミュージシャンが参加しています。また、Arto Lindsayがソングライティングで参加しています。
この参加メンバーを眺めただけでもセンスの良いアルバムを想像できますよね。その想像通りのサウンドを満喫できます。
Gilberto Gilとの共作曲をセルフ・リメイクした「Cliche do Cliche」、Jobim作のボサノヴァ・スタンダード「Ela e Carioca」のカヴァー、Arto Lindsayと共作し、Caetano Veloso と共演した「Agua Rasa」、David Byrneとのコラボ曲「Rio」、Nana Vasconcelosとの共作3曲など楽曲も粒揃いです。
プロデュースはVinicius Cantuaria本人とLee Townsend、Soli。
シンプルなのに洗練されて、奥深くて、アヴァンギャルド・・・Vinicius Cantuariaはやっぱりシブいねぇ!
全曲紹介しときやす。
「Cliche do Cliche」
Vinicius Cantuaria/Gilberto Gil作。Gilberto Gilとの共作。Gilberto Gilのオリジナルは『Dia Dorim Noite Neon』(1985年)に収録されています。また、Vinicius自身は前々作『Amor Brasileiro』でも取り上げています。Viniciusらしい落ち着いた雰囲気の味わい深いヴァージョンに仕上がっています。
「Ela e Carioca」
Vinicius de Moraes/Antonio Carlos Jobim作のボサノヴァ・スタンダード「彼女はカリオカ(She's a Carioca)」をカヴァー。当ブログではこれまでAstrud Gilberto、Walter Wanderley、Celso Fonseca、Joao Gilbertoのカヴァーを紹介済みです。N.Y.メトロポリタン感覚の「彼女はカリオカ」はサイコーです。特にBill Frisellのギターが印象的です。
「Agua Rasa」
Vinicius Cantuaria/Arto Lindsay作。Caetano Veloso がヴォーカルで参加し、Arto Lindsayとの共作というViniciusのキャリアに大きな影響を及ぼした2人が絡んだ1曲。シンプルなアコースティック・チューンですが、Viniciusらしい奥行のある音空間を楽しめます。実に深い1曲ですね。
「Ordinaria」
Vinicius Cantuaria作。疾走感のあるブラシのビートに、Viniciusのギター、Michael Leonhartのトランペット、Jenny Scheinmanのヴァイオリンが絡みます。このあたりもN.Y.感覚ならではのブラジリアン・ミュージックって感じですね。
「Quase Choro」
Vinicius Cantuaria/Nana Vasconcelos作。Viniciusらしい美学が貫かれた美しい仕上り。Brad Mehldauの美しいピアノも印象的です。
「Rio」
Vinicius Cantuaria/David Byrne作。David Byrneとのコラボ曲。Marc Ribotもギターで参加しています。ミステリアスな雰囲気が漂うサンバ・チューンです。僕の一番のお気に入り曲です。
「Normal」
Vinicius Cantuaria作。アフロ・ブラジル色の強い前衛的な雰囲気の漂う仕上り。Jenny Scheinmanのヴァイオリンも印象的です。
「Nova de Sete」
Vinicius Cantuaria作。Viniciusらしい奥深い1曲。Brad Mehldauの美しいピアノとBill Frisellのエフェクト・ギターが独特の音世界を演出してくれます。
「Irapuru」
Vinicius Cantuaria/Nana Vasconcelos作。Nana Vasconcelosとの共作2曲目。美しきボサノヴァ・チューン。実に穏やかな気分にさせてくれます。
「Caju」
Vinicius Cantuaria/Nana Vasconcelos作。Nana Vasconcelosとの共作3曲目。メロウ・ボッサがお好きな人にオススメ!オーセンティックですがViniciusらしい味わい深さがあります。
「Insects Are Black」
Vinicius Cantuaria/Arto Lindsay作。国内盤のみ収録のボーナス・トラック。淡々としたなかにもアヴァンギャルな雰囲気が漂うのがいいですね。Peter Schererも参加しています。
「Rio (Special Mix by David Byrne)」
この曲も国内盤のみ収録のボーナス・トラック。RioのDavid Byrneによるリミックスです。
http://www.youtube.com/watch?v=IGY7zP4dfcM
他のVinicius Cantuaria作品もチェックしてみて下さい。
『Sol Na Cara』(1996年)
『Tucuma』(1999年)
『Horse and Fish』(2004年)
『Silva』(2005年)
『Cymbals 』(2007年)
『Samba Carioca』(2010年)
『Indio De Apartamento』(2012年)