発表年:1973年
ez的ジャンル:ベイエリア・ファンク系ファンキー・ソウル
気分は... :レイ・ルイス有終の美!
NFL第47回スーパーボウル「レイブンズ VS. 49ers」は、レイブンズが49ersの後半の猛追を耐え凌ぎ、見事チャンピオンに輝きました。僕自身はレイブンズを応援していましたが、レイ・ルイスが有終の美を飾ることができてよかったです。
途中の停電中断は多少興ざめでしたが、あれでモメンタムが変わり、大接戦のきっかけとなったかもしれませんね。
でも、内容的には49ersが敗れてなお強し!という印象でしたね。
レイブンズ応援していた僕でしたが、49ers最後の4rhダウン・ギャンブルはレイブンズに反則があったように思えます。
音楽ファンにとっては、Alicia Keysの国歌斉唱は感動的だったし、Destiny's Childが一夜限り復活したBeyonceのハーフタイムショーも楽しめましたね。
毎年そうですが、スーパーボウルを観終わった後って、興奮と共に「これで今シーズンも終わり」という寂しさも残りますね。来シーズンこそは我がマイアミ・ドルフィンズが復活ののろしを上げることを期待しています。
今回はTower Of Powerと並ぶベイエリア・ファンクを代表するグループCold Bloodの4thアルバム『Thriller』(1973年)です。
強さを見せつけてくれた49ersに敬意を表してベイエリア・ファンクをセレクトしました。
紅一点の女性リード・ヴォーカルLydia Penseをはじめ、白人/ラテン系のメンバーが中心のオークランド出身のファンク・グループCold Bloodの紹介は、『First Taste Of Sin』(1972年)、『Lydia』(1974年)に続き3回目となります。
今日紹介する『Thriller』(1973年)は、フリーソウルのコンピにも収録されたStevie Wonder「You Are The Sunshine Of My Life」のカヴァーが人気の1枚です。
メンバー交代が激しいグループですが、本作におけるCold Bloodのメンバーは、Lydia Pense(vo)、Raul Matute(key)、Michael Sasaki(g)、Rod Ellicott(b)、Gaylord Birch(ds)、Max Haskett(tp、back vo)、Skip Mesquite(ts、fl、back vo)、Peter Welker(tp、flh)の8名。それ以外にBennie Maupin(ts)、Mel Martin(bs、ts、fl)、Pointer Sisters(back vo)等がゲスト参加しています。
プロデューサーは1stアルバム『Cold Blood』(1969年)以来のタッグとなるDavid Rubinson。
Max Haskett作の「Live Your Dream」以外はカヴァー作品です。ソウル系楽曲やThe Band、Boz Scaggsをカヴァーし、黒人音楽を自分たちのなかでうまく消化したうえで、Cold Bloodならではのファンキー・ミュージックを構築しようとする意欲が感じられるアルバムです。
目玉は前述の「You Are The Sunshine Of My Life」やBill Withersのカヴァー「Kissing My Love」だと思います。それ以外にもHoward Tateのカヴァー「Baby I Love You」もファンキー好きにはオススメ。また、
The Bandのカヴァー「Sleeping」、Boz Scaggsのカヴァー「I'll Be Long Gone」といったバラードがなかなか良かったりします。
それほど派手さがあるアルバムではありませんが、Cold Bloodらしさを楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Baby I Love You」
オススメその1。Jerry Ragavoy作。Howard Tate、1967年のヒット曲をカヴァー。ここではMichael Sasakiのギター・カッティングが心地好いファンキー・チューン。Raul Matuteのクラヴィネットもグッド!Lydiaのパンチのあるハスキー・ヴォーカルも絶好調です。Pointer Sistersのバック・コーラスもいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=U4JzqBr3QNY
Soul Position「The Jerry Springer Episode」でサンプリングされています。
Soul Position「The Jerry Springer Episode」
http://www.youtube.com/watch?v=XicErOE50MI
「You Are The Sunshine Of My Life」
オススメその2。本作のハイライト。前述のようにフリーソウル人気曲でもあります。Stevie Wonder永遠の名曲。当ブログでは『Talking Book』収録のオリジナルに加え、Morgana Kingのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンは前半と後半のコントラスがグッド!前半はエレピの音色が心地好いメロウな仕上がり、そして中盤以降からギアを加速させ一気に駆け抜けます。
http://www.youtube.com/watch?v=01jnlANSCSg
「Feel So Bad」
James Johnson/Leslie Temple作。Ray Charlesヴァージョン等でお馴染みの曲。オリジナルはThe Vibrations、1960年のシングルです。ミディアム・テンポの渋めのソウル・チューンですが、Lydiaのハスキー・ソウルフル・ヴォーカルの魅力を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=9Ge9YDW-7qw
「Sleeping」
オススメその3。Richard Manuel/Robbie Robertson作。The Bandのカヴァー。オリジナルは『Stage Fright』(1970年)に収録されています。なかなか渋いセレクトですね。Lydiaの堂々とした歌いっぷりにグッとくる感動的なバラードに仕上がっています。ホーン隊のソロも感動的です。
http://www.youtube.com/watch?v=ZbeLtdWuWa4
「Live Your Dream」
Max Haskett作。本作唯一のオリジナルです。リラックス・ムードのファンキー・チューン。グラス片手に寛ぎながら聴きたい感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Wsx-W1xKdjg
「I'll Be Long Gone」
Boz Scaggs作。オリジナルは当ブログでも紹介した『Boz Scaggs』(1969年)に収録されています。ブルージーな雰囲気を持ったオリジナルも魅力でしたが、Cold Bloodもなかなか聴き応えのある味わい深いカヴァーに仕上がっています。
「Kissing My Love」
オススメその4。Bill Withers作。Bill Withersのオリジナルは当ブログでも紹介した『Still Bill』(1972年)に収録されています。Gaylord Birchのドラム・ブレイクが格好良いファンキー・グルーヴ。黒人音楽的な格好良さでいえば、アルバム中この曲が一番では?
http://www.youtube.com/watch?v=TE5U5DK5rjw
格好良いブレイクはBlackalicious「Attica Black」でサンプリングされています。
Blackalicious「Attica Black」
http://www.youtube.com/watch?v=VLxeyIuUYkI
Cold Bloodの他作品もチェックを!
『Cold Blood』(1969年)
『Sisyphus』(1971年)
『First Taste Of Sin』(1972年)
『Lydia』(1974年)