発表年:1967年
ez的ジャンル:ロックの1つの金字塔
気分は... :俺やっぱり今もコレ大好きだわ...
The Beatlesの4回目の登場っす。
昨年11月にBeatlesのニューアルバムと称して、『Love』という作品が発表されまシタ。僕はこのアルバムに対しては、疑問符?×1,000,000くらいに納得できません。
中身が悪いと言うつもりはありません。過去の名曲を今日的なテイストで甦らせるマッシュ・アップ的手法は、むしろ面白いアイデアだと思いマス。
でも、あれをBeatles名義の作品として扱うのはマズイっす。
Beatlesの歴史を汚すだけだよね!
和の素材を使ってフランス人シェフが作った和テイストのフランス料理を“日本料理”と呼ぶのと同じだと思いマス。企画物アルバムとして出せば問題なかったのにね。
Beatlesをあまり聴いたことがない方には、アレは1つの余興で真のBeatlesではないことを理解して欲しいですね。Beatlesの真髄を体感するには、オリジナル・アルバムを聴くことが最短コースだと思いマス。
さて、『Rubber Soul』、『Abbey Road』、『Beatles For Sale』に続く4枚目のBeatlesオリジナル・アルバムの紹介としてセレクトしたのは、1967年発表の『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』です。
Beatlesファン、あるいは60年代〜70年代ロックが好きなリスナーの方にとっては言わずもがなの名盤ですね。若いリスナーの方のために説明すると、昔はポピュラー・ミュージックの頂点、ロックの最高傑作と言えば、このアルバムでした。
オールド・ファンの方からは、“昔だけじゃなくて、今でもそうじゃ!”と怒られそうですが、今の時代に“これがロックの最高傑作じゃ!”と言っているようだと、若者とはお友達になれないでしょう(笑)まぁ、そこまで価値観をゴリ押しせずに、もっと気楽なスタンスでオススメすればいいのでは?
きっと、若いリスナーの方には、60年代のロック作品ならば、本作よりもBeach Boys『Pet Sounds』、Rolling Stones『Beggars Banquet』あたりの方がインパクトが大きいのでは? あるいは昔のロック名盤と言えば、Nirvana『Nevermind』、Radiohead『OK Computer』あたりになってしまうのかもしれません(笑)
Bob Dylanが歌っていたように時代は変わるもんです。
それでも、『Sgt. Pepper's 〜』が素晴らしいアルバムであり、ロックをアートの域に押し上げた金字塔アルバムであることに変わりはありません。
シングル・ヒットを目玉に曲を寄せ集めるという従来のアルバムの概念を覆し、架空のバンドによるショウというコンセプトに基づき、ジャケット・アート、アルバム全体のストーリーなどが作られた、いわゆるコンセプト・アルバムというものを示したということが、このアルバムの最大の功績だと思いマス。本作を契機に、他のロック・アーティストもこれに習い、こぞってコンセプト・アルバムを発表することになりマス。
シングル・ヒットをアルバム・セールスに結び付けることが一番容易なアーティストであるBeatlesが、ヒット・シングルを含まないアルバムを発表したあたりに、相当のインパクトがあったのでは?
あとは、サイケデリックでフラワー・ムーヴメントだった1967年という時代の雰囲気を見事に音楽で表現しているあたりが魅力ですね!
今聴くと必ずしも最高な音楽ではないかもしれないけど、ロックの流れを決定的に変えたアルバムくらいのノリでオススメするのが、ちょうどいいのではと思いヤス。
全曲紹介しときヤス。
「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」
「With a Little Help from My Friends」
架空のバンドによるショウというアルバムのコンセプトを示したPaulによるタイトル曲。そのタイトル曲から切れ間無く続くのが、Ringoがボーカルをとる「With a Little Help from My Friends」。
Joe Cockerのカヴァーでも有名なこの曲は、まさにRingoのキャラにピッタリの曲だよね。RingoのボーカルとJohn & Paulのコーラスのやりとりが何とも微笑ましい名曲(でも当時はドラッグを連想させる曲として放送禁止になったのだとか)。
「Lucy in the Sky With Diamonds」
この曲もドラッグ・ソングということで放送禁止になったJohnの作品(タイトルの頭文字をとるとLSDになる)。John自身は生前そうした解釈を否定していましたが。でも、サウンド自体は明らかにサイケでドラッギーですよね。一方で、とても無垢な子供の心を見事に表現した名曲だと思いマス。個人的には、この曲を聴くたびに童心に戻りマス。この曲はElton Johnのカヴァーが有名ですね。
「Getting Better」
一番このアルバムにハマっていた中学の時、「Lovely Rita」と並んで大のお気に入りだった曲。単調なんだけど、飽きない何かがあるんだよね。インド・テイストのアレンジがいいスパイスになっていマス。
「Fixing a Hole」
「She's Leaving Home」
Paulによる2曲。「Fixing a Hole」はハープシコードと難解な歌詞が印象的な曲。「She's Leaving Home」は美しいバロックな1曲。昔はこの2曲あたりにアートを感じたりしていたんだけど、今聴くと多少インパクトに欠けるね。
「Being for the Benefit of Mr. Kite!」
Johnがサーカスの宣伝ポスターをモチーフに書き上げた曲。昔はあまり好きではなかったが、年を重ねるにつれてこの曲は好きになった。
「Within You Without You」
Georgeのインド音楽への傾倒が全面に出た作品。LPで言えばB面トップの曲なんだけど、昔はこの曲は聴かずに2曲目から聴いていまシタ(笑)。そんな僕が今ではシタールやタブラが入ったインド・テイストな音楽を好んで聴くようになっている。もちろん、この曲も今では大好きだ。わからないもんだね。
「When I'm Sixty-Four」
Paulらしいリラックスした1曲。正直、今聴くと退屈なカンジです(笑)
「Lovely Rita」
昔も今も変わらずアルバムで一番好きなのはこの曲。一般には、地味な扱いが多い曲なのですが。多分、この幻想的なコーラスにハマっているんだと思いマス。
「Good Morning Good Morning」
Johnらしいワケのわからん曲。あまり好きな曲でないのに、この曲を聴くと思わず♪グッド・モ〜ニング♪グッド・モ〜ニング♪グッド♪と叫んでいたなぁ。
「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise) 」
ショウの終わりを告げるこの曲でアルバムもいよいよエンディングへ突入デス。
「A Day in the Life」
そしてアルバムの最後を締めくくるのは、JohnとPaulの共作による大名曲。中学の頃は単にドラッギーな曲という程度の印象だったが、年を追うほど、僕の中でこの曲のインパクトは大きくなっている。人生の無常さ、不安感、開き直り...この曲を聴いていると、いろんな感情が僕の中を駆け巡る。まさに、このアルバムを象徴する1曲だと思いマス。
気付けば、いつものエントリーの2倍くらいのボリュームになっているね。
気楽なスタンスで聴きましょう!なんて偉そうに言いながら、実は僕自身未だにこのアルバムへの思いが強いのかもね。お恥ずかしい限りデスm(_ _)m
ビートルズのこのアルバムは未だに聴いてませんが、名前はよく聞きます。特に、プリンスの「Around the world in the day」あたりのレビューには必ずと言っていいくらい「サージェント・ペッパー」の名前が出ます。あと、ロックのコンセプトアルバムなんかの時も。
ビートルズは、今も昔も変わらず偉大ですね。
ありがとうございます。
確かにPrinceの『Around 〜』は、80年代の『Sgt 〜』と言われましたね。
僕もリアルタイムで『Around 〜』を聴いた時には、そんな視点から聴いていました。
80年代あたりまでが『Sgt 〜』の影響力が特に強かったのかもしれませんね。
もし、聴かれる機会があれば、1曲ずつ聴きこむというよりは、
全体の流れ、雰囲気を感じると楽しめるアルバムだと思います。