2013年03月04日

Irene Sjogren Quintet『Sweet Surprise』

北欧らしい澄み切った女性ジャズ・ヴォーカル作品☆Irene Sjogren Quintet『Sweet Surprise』
Sweet Surprise
発表年:1986年
ez的ジャンル:北欧女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :I Thought About You...

今回はスウェーデンの女性ジャズ・シンガーIrene SjogrenIrene Sjogren Quintet名義で1986年にリリースしたアルバム『Sweet Surprise』です。

サバービア/Cafe Apres-midi好きの人であれば、スウェディッシュ・ボッサ・ジャズの人気曲「The Real Guitarist in the House」が収録されたアルバムとしてお馴染みですね。

Irene Sjogrenは1953年、スウェーデン、ストックホルム生まれ。音楽一家で生まれたIreneは自然と音楽の道を志すようになったようです。

1970年代半ばに本作にも参加しているピアニストOve Lundinと出会い、Oveらと1983年にIrene Sjogren Quintetを結成します。メンバーはIrene Sjogren(vo)、Gustavo Bergalli(tp)、Ove Lundin(p)、Olle Steinholtz(b)、Petur "Island" Ostlund(ds)という5名。

そのIrene Sjogren Quintetが1986年にリリースしたアルバムが本作『Sweet Surprise』です。

北欧女性ジャズ・ヴォーカル作品らしい澄み切ったヴォーカルと小粋な演奏を満喫できます。今日のハイライト曲は「The Real Guitarist in the House」だと思いますが、「I Thought About You」「Till Skuggan Av En Verklighet」あたりもクラブジャズ好きを魅了するのでは?

「I Wish I Knew」「This Masquerade」「Sweet Surprise」あたりもオススメです。

春の訪れが待ち遠しい今の時期にフィットする女性ジャズ・ヴォーカル作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「I Thought About You」
Johnny Mercer/Jimmy Van Heusen作。当ブログでは帝王Miles Davisの演奏も紹介済みです。バラードのイメージ強い楽曲ですが、ここではハイハット&ベース&ピアノがスウィンギーに疾走するハイ・スピードな「I Thought About You」を聴くことができます。メリハリのあるIreneのヴォーカルとGustavo Bergalliのトランペットも印象的です。小粋でスタイリッシュ&スウィンギーなクラブジャズがお好きな人にもオススメです。

「Lonely Islands」
USのジャズ・ベーシストRed Mitchell(1927-92年)の作品。ドラムのPetur OstlundがかつてRed Mitchellのグループに在籍していたことから、本曲を取り上げることになった模様です。オーセンティックで美しいジャズ・バラードに仕上がっています。

「I Wish I Knew」
Mack Gordon作詞、Harry Warren作曲。
オリジナルは映画『Diamond Horseshoe』(1945年)のために書かれたもの。当ブログでは、これまでJohn ColtraneBill EvansChet Bakerの演奏も紹介済みです。お馴染みのスタンダードをサラっと小粋な雰囲気で聴かせてくれます。こういうさり気ない演奏好きだなぁ!Ove Lundinの気の利いたピアノがグッド!

「Till Skuggan Av En Verklighet」
Berndt Egerbladh/Karin Boye作。母国語で歌われるスウィンギー・チューン。静寂を切り裂くかのようなギア・チェンジにゾクっとします。この演奏はクラブジャズ好きの人も気に入るのでは?スウェーデン語の語感の響きがミステリアスなムードを醸し出します。

「This Masquerade」
George Bensonヴァージョンでお馴染み、Leon Russell作の名曲をカヴァー。ここではエレガントかつ小粋なワルツ・チューンで聴かせてくれます。Ireneの雰囲気のあるヴォーカルと一体感のあるバッキングに本作のセンスの良さを実感できます。

「This Masquerade」については、当ブログでSergio Mendes & Brasil '77Cybill Shepherdのカヴァーを紹介済みです。

「Sweet Surprise」
Blossom Dearie/Jim Council作。タイトル曲はBlossom Dearie作品。Blossom自身のヴァージョンは『That's Just The Way I Want To Be』(1970年)等で聴くことができます。春の訪れが待ち遠しい今の時期に聴くとグッとくる演奏なのでは?

「The Real Guitarist in the House」
Steve Kuhn作。前述のように本作のハイライト曲です。Steve Kuhn自身のヴァージョンは『Live In New York』(1972年)等で聴くことができます。本ヴァージョンは北欧らしい小粋でピュアなボッサ・ジャズに仕上がっています。爽快なIreneのヴォーカルとボッサ・サウンドがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=zhXmFDkS3V0

「Portratt」
Elise Einarsdotter/Irene Sjogren作。Irene自身が作詞を手掛けています。「Till Skuggan Av En Verklighet」同様、スウェーデン語で歌われており、それが北欧ジャズらしい美しさを醸し出しています。

「Nocturne for Flute」
Claude Williamson作。Bud Shankの演奏が有名ですね。ここではIreneの澄み切ったスキャットを聴くことができます。僕の中では北欧の朝陽を浴びた雪原をイメージしてしまいます。

Irene Sjogrenの詳しいディスコグラフィは知りませんが、2001年に『Song For A Willow』というアルバムをリリースしているようです。

『Song For A Willow』(2001年)
Song for a Willow
posted by ez at 05:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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