2013年03月17日

Gaetano Partipilo『Besides - Songs from the Sixties』

Nicola Conteプロデュース。60年代ジャズ/ブラジル音楽へのオマージュ☆Gaetano Partipilo『Besides - Songs from the Sixties』
BESIDES ~ Songs from the Sixties [輸入盤]
発表年:2013年
ez的ジャンル:Schema系クラブジャズ
気分は... :最近こんなアルバムを欲していました!

今回はNicola Conte作品等でお馴染みのイタリア人サックス奏者Gaetano Partipiloが、Nicola Conteを共同プロデューサーに迎えて制作し、クラブジャズの人気レーベルSchemaからリリースしたアルバム『Besides - Songs from the Sixties』です。

先月紹介したPapik『Papik Presents: Cocktail Martino - A Tribute To Bruno Martino』と共にここ1ヶ月のマイ・ヘビーローテーションになっているクラブジャズ作品です。

当ブログの記事でいえば、Nicola ConteRosalia De SouzaのエントリーでGaetano Partipiloの名を確認できます。

本作『Besides - Songs from the Sixties』はタイトルの通り、60年代ジャズ/ブラジル音楽へのオマージュ的な作品に仕上がっています。60年代ジャズ/ブラジル音楽のカヴァーとGaetano Partipiloのオリジナルから構成されていますが、オリジナル曲にも60年代名曲へのリスペクトが感じられます。

レコーディングの基本メンバーは、Gaetano Partipilo(as、ts、fl)、Pietro Lussu(p、el-p)Pasquale Bardaro(vib)、Vincenzo Florio(b)、Marco Valeri(ds)、Pierpaolo Bisogno(per)の6名。

さらに、Heidi Vogel(vo)、Alice Ricciardi(vo)、Rosalia De Souza(vo)、Mr.Natural(vo)という4名の男女ヴォーカリストがフィーチャーされています。

それ以外にFabrizio Bosso(tp)、Vito Di Modugno(org)、Nicola Conte(g)、Marcello Piaruli(el-b)、Giuseppe Bassi(b)、Gianni Partipilo(ts)、Leo Gadaleta(violin)、Luisiana Lorusso(violin)、Antonio Buono(viola)、Mauro Greco(cello)がゲスト参加しています。また、Luigi Giannatempoがストリングス・アレンジを手掛けています。

実にSchemaらしい1枚に仕上がっています。
その意味ではオリジナルを知らない人でもスタイリッシュ感のみで楽しめますし、オリジナルをご存知の方はニンマリしながらGaetano PartipiloやNicola Conteの仕事ぶりを堪能できるはずです。

オーセンティックなアルバムかもしれませんが、案外こういった作品を待ち望んでいる方は多いのでは?

全曲紹介しときやす。

「Beyond The Days」
Gaetano Partipilo/Alice Ricciardi作。Alice Ricciardiのヴォーカルをフィーチャー。Luigi Giannatempoアレンジのエレガントなストリングスと共にスタートするワルツ調のオープニング。Nicola ConteMilano Jazz Dance Comboのアルバムで僕を魅了し続けてきたAlice Ricciardiですが、ここでも実に雰囲気のあるヴォーカルを聴かせてくれます。彼女の大人のジャズ・ヴォーカルにはワルツが良く似合います。
http://www.youtube.com/watch?v=AhPMhvOLigY

「Right Now」
Carl Sigman/Herbie Mann作。Mel Tormeヴァージョン等でもお馴染み、Herbie Mannのボッサ・ジャズ名曲をカヴァー。ここではMr.Naturalを小粋な男性ヴォーカルをフィーチャーし、Schemaらしいスタイリッシュなボッサ・ジャズの「Right Now」を聴かせてくれます。Gaetanoのサックス・ソロも絶好調です。
http://www.youtube.com/watch?v=NblOkQeFEoc

「Atras Da Porta」
Francis Hime/Chico Buarque作。当ブログではElis ReginaLuciana Souzaのカヴァーも紹介済みです。ここではRosalia De Souzaのヴォーカルをフィーチャー。ムーディーなGaetanoのサックス・ソロに続き、Rosaliaが憂いのあるヴォーカルを聴かせてくれる哀愁ボッサで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=zUl8a20N3jQ

「The Jive Samba」
Nat Adderley作。Cannonball Adderleyの演奏やJon Hendricksのカヴァーでお馴染みの曲。当ブログではBrother Jack McDuffのカヴァーも紹介済みです。ここではMr.Naturalをフィーチャーし、Jon Hendricksヴァージョンの雰囲気を受け継いだジャズ・サンバ・カヴァーで聴かせてくれます。Pietro LussuのピアノとPasquale Bardaroのヴァイヴが実に小粋です。
http://www.youtube.com/watch?v=6G3xy-RC7gI

「Ocean Dance」
Gaetano Partipilo/Heidi Vogel作。Heidi Vogelの女性ヴォーカルをフィーチャー。彼女は最近Far Outから自身の最新アルバム『Turn Up The Quiet』をリリースしたばかりですね。Nicola Conte/Schema好きであれば鉄板なアップ・テンポのボッサ・チューンです。Fabrizio Bossoが貫録のトランペット・ソロを聴かせ、続くGaetanoもそれに負けじと素晴らしいソロを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=9vuQCfOMB80

「Se Voce Pensa」
Roberto Carlos/Erasmo Carlos作。当ブログではElis ReginaGal Costaのヴァージョンを紹介済みです。やはり、『Elis Regina in London』の印象が強い曲ですね。ここではRosalia De Souzaのヴォーカルをフィーチャー。Elis Reginaヴァージョンへのオマージュといった仕上りで個人的には大いに気に入っています。
http://www.youtube.com/watch?v=Z6Iw1z82n0M

「Essa Mulher」
Ana Terra/Joyce作。当ブログでも紹介したElis Regina『Essa Mulher』のタイトル曲としてお馴染みの1曲。実にムーディーなGaetanoのソロを満喫できます。Luigi Giannatempoの美しいストリングス・アレンジやPietro Lussuのリリカルなピアノも聴きどころ!
http://www.youtube.com/watch?v=tFySJDrMTb0

「Wall And Water」
Gaetano Partipilo作。当ブログでも紹介したレア・グルーヴTom Scott「Blues For Hari」(1968年)へのオマージュといった趣のサイケデリックな空気を取り込んだ仕上がりです。サウンドだけでいえば、この曲が一番好きかも?
http://www.youtube.com/watch?v=or0ctPo7f8I

「Autumn Serenade」
Peter De Rose/Sammy Gallop作。Johnny Hartman & John Coltraneヴァージョンでお馴染みの1曲。 ここではMr.Naturalをフィーチャーし、激シブながらもSchemaらしい小粋なセンスが散りばめられています。
http://www.youtube.com/watch?v=Id_DrtpxCps

「Moon Flower」
Gaetano Partipilo/Alice Ricciardi作。Alice Ricciardiをフィーチャー。美しくもミステリアスな空気に包まれた仕上がり。Luigi Giannatempoの美しいストリングスをバックにAlice Ricciardiが魅惑のヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=lEevuyIzJpM

「13 Death March」
Gary McFarland作。60年代ラウンジ感覚とSchemaのクラブジャズ感覚が上手く融合している感じがいいですね。やはりこの曲ではPasquale Bardaroのヴァイヴが活躍します。
http://www.youtube.com/watch?v=dDLCHt7GYyM

「Los Marcianos」
Gaetano Partipilo作。ラウンジ感覚のボッサ・ジャズ。ムーディーなGaetanoのサックス・ソロを満喫しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=F66DYe-jFfY

「Sono Qui Per Te」
Bruno Canfora/Lina Wertmuller作。Alice Ricciardiをフィーチャー。この曲に限っては60年代へのオマージュというよりも、21世紀クロスオーヴァーって雰囲気ですね。Alice Ricciardiのミステリアスなヴォーカルが音空間を浮遊します。
http://www.youtube.com/watch?v=EvHbPjfYZqg

「The Sticks」
Cannonball Adderley作。当ブログでは『Mercy, Mercy, Mercy!』収録のファンキーなライヴ・ヴァージョンを紹介済みです。本ヴァージョンもそのAdderleyヴァージョンへのリスペクトに満ちたファンキー・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=v-TZy6THxCQ

ご興味がある方は本作でフィーチャーされた女性ヴォーカリストのソロ作あたりもチェックしてみては?僕もAlice RicciardiRosalia De Souzaのアルバムはチェック済みですが、Heidi Vogelは未チェックなのでぜひ聴いてみたいと思います。

Alice Ricciardi『Comes Love』(2008年)
カムズ・ラヴ

Rosalia De Souza『Garota Moderna』(2003年)
Garota Moderna

Rosalia De Souza『Brasil Precisa Balancar』(2005年)
ブラジル・プレシーザ・バランサール

Rosalia De Souza『D'Improvviso』(2009年)
D'improvviso

Heidi Vogel『Lagrimas De Um Passaro (Tears of a Bird)』(2011年)
Lagrimas De Um Passaro (Tears of a Bird)

Heidi Vogel『Turn Up The Quiet』(2013年)
TURN UP THE QUIET
posted by ez at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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